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仕事さがし
あまりに冴えないのでメガネを変えてみたわけだが、フレームをワイドにして度数を1.0上昇させたら、以前に増して世界の汚ればかりが目に入り、冴えない気分が助長された次第だ。
そのメガネのフレーム越しにPCのフレームを覗き込んだら、嘘をつくのが商売の二人のスピーチが同時に飛び込んできたわけだが、一人は卵の黄身や白味の側に付く生身の小説家で、もう一人はまるで小説家によって書かれた冗談のようであった。いや、これは小説どころの滑稽さではない。どうやらアスホール総理のもと、政治家の漫画化が進行しているようだ。コミック雑誌なんていらない。
舞台でウトウトして愛されるのは古今亭志ん生と高田渡くらいだよ。
失業寸前の冴えないときにこの四コマ漫画は染み入るなあ。
むつみ荘101号室
- HarpoBucho
- By harpobucho / Feb 19, 2009 12:46 am
四コマ漫画「理想と現実」
エンゲルスくん、そろそろうちの娘も嫁に出そうかと思っているんだ。誰かいい相手はおらんかね。
お、お義父さん、娘さんをボクにください!
絶対に幸せにしてみせます!
キミ、いったい仕事は何をやっているんだね?
なに? 無職だって?
働かない奴に娘はやらん!
だいたいなんだ、その髪型は!
この怠け者のチンピラめ!
<
★ポール・ラファルグ『怠ける権利』
- HarpoBucho
- By harpobucho / Feb 18, 2009 1:13 am
反大麻禍の猖獗ここに極まる。
ここ数日、膨大な量となって一斉に垂れ流されたクソなニュースにヤられて、酷い躁鬱状態のジェットコースターのきりもみ落下乱高下状態で頭がクラクラしている。特に昨日仕事先で見たNHKがあまりにも酷い嘘を厚顔無恥な面していけしゃーしゃーと酔っ払いのションベンのように豪勢に垂れ流してくれたので、液晶TVに向かって部屋中の家具を投げつけるか、ありとあらゆる罵詈雑言をぶつけないと気がすまなかったくらいだ。特に僕は仕事でNHKをずーっと見ている状態なので、朝、昼、晩と、ほとんど同じニュースを洗脳のように繰り返し見せられ、そして当然、僕にはTVを切る権利もチャンネルを変える権利も無いので、本当に、本当に、参ってしまった。心の中では何度も原子爆弾が爆発し、きのこ雲が高空まで不気味に膨れ、B29の編隊に絨毯爆撃され、ありとあらゆる体の穴にこの世で一番汚いものを突っ込まれて体中をそれらが這いまわり、僕の身体は歯医者の工事のように削られたり、穴を開けられたり、グチョグチョにされたみたいだ。そういったクソな大多数のこの世の善意だとか正義だとかいう紛れも無い「公的暴力」に犯され、煽られ、どうしようもないバックラッシュの嵐で馬鹿みたいに心の中で暴れまわり(職場に迷惑かけちゃだめだからね)、あまりにも多くの心の家具と暴言を心のTVのあった僕の心の片隅にぶちこんでやったので、そこは、爆撃を喰らったようにボコボコになってしまったが、怒りが静まると同時に哀しみと不安がどっと押し寄せて一気に僕を押しつぶし、ぐしゃぐしゃの破片とそれが散らばった床の上に突っ伏して、僕は、血と涙とゲロと汗にまみれ、ぶっ倒れてしまった。
と、いうのも、昨日のNHKはこれでもか!これでもか!というくらい大麻漬けなニュースを垂れ流してくれたからだ。おまけに若麒麟関連で逮捕されたのが僕の大好きなラッパーのD.Oだとわかり、ショックは何倍にもなった。特に7時のニュースは冒頭からベトナム人の男女が一戸建てを借り切ってそこを大麻ハウス!にしていたというニュースから始まり、バカ麒麟のニュースになり、一緒にパクられたD.Oがコークも所持していたことを伝え、最後に特番のようにアメリカで留学した学生が現地の違法な大麻文化に触れて日本に帰ってくる!というニュースを現地のプッシャーや、大麻で廃人になりましたという証人まででっちあげ、お決まりの大麻がゲートドラッグとなり、よりリスクの高いハードドラッグへの入り口になるという決り文句の大嘘で締めくくったから、本当に怒り心頭、顔が真っ赤になって心の中は第三次世界大戦のようになって焼き尽くされ、焦土に立尽くすしかないのだった。
あらゆる大麻関連のニュースに出てくるありふれた大麻への恐怖と畏怖のインタビューをこれまた拷問のよう見せられる。通行人や事件の起こった場所の側に住む住人の言葉「そんな恐ろしい麻薬がこんな近くにあったんですね」だとか、「あんな人がやっていたなんて信じられません」だとかだ。やれやれ、だ。09年現在において大麻に関する大嘘とデマが猖獗を極めている。はっきりと言うが、はるか太古から、戦国、江戸、明治、あの、悪名高い太平洋戦争中だって日本に大麻は存在したが、こんなにも酷い扱いは受けていなかった。寧ろ太平洋戦争中は大麻は伊勢神宮の象徴的お札の呼び名として、各家庭で奉らなければいけない存在だった。それがクソなアメリカに占領されてそのケツをペロペロ舐める自民党政権になり、とんでもない大嘘を吹き込まれ、厚生労働省やメディアに騙され、不況やら不祥事を大麻事件で糊塗して人々の注意をそらせようとしているのだ。大麻に関する正確な知識が無いから、ただのどうでもいい草に対して恐怖を抱いている。本当に自分が好きな物や人を、たいしてその物や人を知らない人々から、外見や偏見だけで悪魔のように言われ、犯罪の温床だと言われるのに、もう、本当に耐えられないのだ。
これはもう5月に行われるマリファナマーチで本気になって大麻の正しい知識と真実を伝えるために、法律もちゃんと守りつつ、楽しく、おかしく、面白く、暴れるしかない!!!ってわけで今年もマリファナマーチにみんな遊びに来てね。
あと、近日デモやイベントもあります!!
http://www.cannabist.org/index.html
2009/02/22
SUN 雨天決行 12:00~
開催場所:
東京都
青山公園南地区(乃木坂駅すぐ)
詳細:
2・22 SUN@青山公園南地区(乃木坂駅すぐ)
12:00~15:30 デモ集会
15:45~ デモ行進 青山~渋谷
主催-420JAPAN
協力-カンナビスト
スタッフ参加、簡単なお手伝いなどなど、手伝ってください。
多くの皆さん連絡お願いします。
この日、実は大阪でも、カンナビス・トークフェスタ in Osaka があります。
日時:2月22日(日)14:00開場 14:30スタート、17:30終了
終了後 懇親会もあります
場所 :劇場 AManTo天然芸術研究所
大阪市北区中崎西1-1-18 tel : 06-6371-5840
(地下鉄谷町線、中崎町駅、4番出口から北へ徒歩30秒・梅田HEPFiveから東へ10分)地図はこちら
*入場料
2000円、学割・予約1500円 (ドリンク補助券あり)
▽講演内容
非犯罪化とリベラリズム ―「大麻問題」を思考するということ
山本奈生(カンナビスト@関西、社会学者)
EUにおけるドラッグ政策 ―ハームリダクションが前提とする<社会>
Zanjibal(社会学博士―犯罪社会学)
アジアは大麻草で結ばれる ―第2回アジア大麻産業国際会議の報告 (対談)
赤星栄志(ヘンプ読本著者)・竹田広雄(オリオン・大阪大麻自由学校事務局)
大麻問題と自由で暮らしやすい社会
麻生結(カンナビスト)
*カンナビス・トークフェスタ in Osaka
日時:2月22日(日)14:00開場 14:30スタート、17:30終了
終了後 懇親会もあります
場所 :劇場 AManTo天然芸術研究所
大阪市北区中崎西1-1-18 tel : 06-6371-5840
(地下鉄谷町線、中崎町駅、4番出口から北へ徒歩30秒・梅田HEPFiveから東へ10分)地図はこちら
*入場料
2000円、学割・予約1500円 (ドリンク補助券あり)
▽講演内容
非犯罪化とリベラリズム ―「大麻問題」を思考するということ
山本奈生(カンナビスト@関西、社会学者)
EUにおけるドラッグ政策 ―ハームリダクションが前提とする<社会>
Zanjibal(社会学博士―犯罪社会学)
アジアは大麻草で結ばれる ―第2回アジア大麻産業国際会議の報告 (対談)
赤星栄志(ヘンプ読本著者)・竹田広雄(オリオン・大阪大麻自由学校事務局)
大麻問題と自由で暮らしやすい社会
麻生結(カンナビスト)
主催:市民団体カンナビスト (トークフェスタ運営:関西地区有志)http://www.cannabist.org/index.html
予約連絡先:cannabisty@mail.goo.ne.jp もしくはCafe天人にて受付けています
詳しくはカンナビスト@関西HPにて
http://www.bvoh.jp/cannabist/
- ∞+∞=∞
- By ∞+∞=∞ / Feb 17, 2009 11:27 pm
書を求め、街へ出よう!
ネットで本を注文するのもいいですけど、なるべく書店の本棚で本と一期一会をはたしたいですよね。
本も好きですが、それ以上に本屋が好きですね。個性的で魅力ある棚作りをしている書店はそれだけで通いたくなるものです。
実際にお気に入りの書棚を持った書店や古書店が僕にはいくつもあります。
本屋巡りに参考になりそうなモノをあげておきます。
東京都書店商業組合青年部へようこそ♪
http://www.tokyo-shoten.or.jp/kumiaimap_utf8.htm
新文化に記事になってます。
「グーグルマップで書店地図/都内1070店を網羅」
あとは書店MAPをゲットするのも本屋巡りをするときにはいいですよね。
一応全部フリーペーパーなので手元にあるのを上げちゃいます。
世界一の本屋の街 神田神保町
早稲田はゆる〜く癒し系?
不忍ブックストリートは拡大中!
これはレア、工作舎編集の渋谷編
これは東京西部広域、中央線はやっぱ古書店天国
最後は書店だけじゃない地元高円寺のマップ
- Intellipunk
- By intellipunk / Feb 11, 2009 10:43 pm
ないかくだとうデモ
転職のための書類作成をするか、ないかくだとうデモに行くか迷ってます。
どっちが生きやすい世の中への一歩なのだろう?
ただいま葛藤中。
とりあえずイルコモンズさん製作、IRA成田さんヴァージョンのポスターを大きく貼り付けてみると気分がいい、ということは確か。
▼ダウンロード (A4/PDF/820KB) :
http://a.sanpal.co.jp/irregular/personal/kick_aso_out.pdf
「麻生を倒せ!ないかくだとうデモ」
【日時】2月8日(日)14時集合(14時半出発)
【集合場所】新宿区・大久保公園(新宿区歌舞伎町2-43)
【交通】西武新宿線『西武新宿』駅徒歩3分/JR『新宿』駅徒歩8分
【コース】新宿区・大久保公園~歌舞伎町一番街~セントラルロード~靖国通り~明治通り~BEAMS・IDC大塚家具・マクドナルドの通りへ右折~JR新宿駅中央口手前を右折~新宿駅アルタ前広場解散
【主催】「麻生を倒せ!ないかくだとう」実行委員会
http://asou.taose.jp/
「ついに80%を超えた不支持率。なのに首相はそのまま?こっちは職場も住居も危ないっていうのに。京品ホテルを守りに行けば警官隊に押しつぶされ、首相の家を見に行けば逮捕されるってリアリティなのに。こんな内閣倒せってみんな思っているのに行動が見えてこないのはなんとも奇妙。「有力政治家の離党騒ぎ」や野党議員の動きは伝えられるけど、なぜだか動いているのは国会やテレビの中だけ。
これヤバイだろう、民主主義的に!
ということで、私たちは「麻生を倒せ!ないかくだとうデモ」を企画しました。
ドラムや笛などの楽器、またスピーカーやお面などの小道具を使って新宿の街を横断します。(サウンドデモではないので先導車の使用はナシ)。「天下りとか世襲議員が許せない。定額給付金の額がケチすぎる。パレスチナへの戦争に反対しろよ。麻生じゃ不安だ」などなど、どんな不満でもかまいません。麻生首相への鬱憤を、デモで自由気ままに表現しちゃいましょう。イベントを盛り上げるため、トラメガや行進中に流す楽曲も随時募集中です。また3月8日(仮)にもデモを行う予定ですので、こちらもぜひご参加ください。
あなたも一緒に麻生政権を倒しませんか?」
- HarpoBucho
- By harpobucho / Feb 08, 2009 12:01 am
先生?とボク?
四方田犬彦が100冊目の刊行を記念して自分万歳アンソロジー本。これまでの全著作からテキストをセレクトして自己解説した上に、さらに今後の刊行計画や自作年表まで付いてくるというなんとも濃ゆい本。その名も『濃縮四方田』。装丁は本人の顔がうっすら浮かびあがるデザインで、こんな本はそーとーに自分のことが好きでないと作れないな、と皮肉ではなく、凄いよ、この自分の愛で方。
何を隠そうボクの(無意識の)師は四方田先生なのだ。ボクが強烈に興味を持つ対象は、だいたいすでに彼のマーキング済みだ。犬のようにやたら鼻の効く学者。ちなみにボクがなんらかのマニアになった最初の対象が犬だった。海外の犬の種類を、その奇妙なカタカタを覚えるのが快楽だったあの頃、品種改良という種のミックス技術が小学生ながらとてもイルなことに感じた。雑種犬を一番愛した。そんときの渾名は「犬博士」だったものだ。懐かしい。中学のときの渾名はなぜか「社長」だった(きっかけが思い出せない!)。そして今は「部長」と呼ばれている。あれ、なんだ!降格してるぞ。
わが処女作「運動部」は、学生時代に聴講した四方田先生の「68年の映画」の授業における『中国女』の解説の記憶が、『シチュアシオニスト・インターナショナル』を万引きしようか悩みながら本屋で立ち読みしていたフリーター時代のボクの脳内に甦ってできたものだといっても過言ではない。四方田先生の処女作『リュミエールの閾』のジャケ写真も『中国女』のワンシーンだった。
就職活動が嫌になってアムステルダムに飛び立ち、そのままモロッコにまで足を延ばし、タンジールの手荒い洗礼をあびることになったのも四方田先生の仕業だったのかもしれない。ポール・ボウルズの家にどうしても行きたかったボクは、いんちきガイドに導かれて迷路のような旧市外に入っていった。人気がなくなるとガイドは強盗に豹変した。ボクは彼の『優雅な獲物』となったわけだ。傷心を癒すために古都フェズに沈没した。四方田先生が翻訳した『蜘蛛の家』を読んで絶対にここに行かなくては!と思った街全体が世界遺産という迷宮都市。甘いミントティーとキフの煙、焼き芋カーのサウンドシステムのように心地よいアザーンの響き。身体が蕩けて人生の迷子になってもいいな、と思った異郷の体験。
敬愛する平岡正明さんと一緒にセッション(!)をする際のコード進行を決めるときに参考にしたのも四方田先生が編集した『ザ・グレーテスト・ヒッツ・オブ・平岡正明』という平岡さんの100冊記念のベスト集だった。この7年と半年後に自身もベスト本を出すことに。この二つのベスト本、値段は同じ3800円。ボリュームは15ページほど四方田本のほうが多い。だからなんだってことはないが。
これまで四方田先生絡みの自分エピソードを連ねてきたが、先生の文章の醍醐味はなんといっても自分エピソードにあると思う。まだ未読だけど師匠の由良君美との愛憎を描いた『先生とわたし』って、そういう意味では究極かも。アカデミック・ゴシップ好きとして、次はこれを読もうかと思う。
師(あくまで想像上の)四方田先生から学んだのはエピソード・ハンティング術。濃縮をさらに濃縮して、ベスト本から素敵なエピソードをここに抽出しておこう。
・68年にローマで革命を叫ぶ大学生たちと機動隊とが最初に衝突して、激しい戦いが開始されたとき、パゾリーニは機動隊に属している貧しい若者たちに共感するという詩『イタリア共産党を若者に!!!」をほとんど徹夜で書き上げ、そのなかでいずれは父親の後を継いでブルジョワ生活を送ることになる大学生たちの傲慢な革命屋きどりを嘲笑しました。
・革命後のキューバで人気があった日本映画は、勝新太郎の『座頭市』と黒澤明の時代劇だった。『座頭市』のシリーズに至っては、山奥の村にまで上映隊が出掛けて行って、権利がとうに切れてしまったあとでもボロボロになったフィルムを夜に屋外で上映すると、拍手が鳴り止まなかったという話。
・草森(紳一)さんは、雑談はいいのだが、対談となるとみごとに口を閉ざしてしまう。ゲラで加筆をとお願いしても、ゲラは何年経っても戻ってこない。
・ブルース・リーはワシントン大学でスピノザを読んでいた。
・寺山修司は生前に247冊の著作を刊行した。
などなど。
↓100冊斬り同士のトーク。これは行くしかない!
『濃縮四方田』(彩流社)』刊行記念
『やっぱり本は「質」及び「量」である
Song for My Reader(s)?書きまくる男による、しゃべりまくりの夜?』
四方田犬彦(明治学院大学教授)×平岡正明(評論家)
■2009年3月28日(土) 19:00?
■入場料 1000円(ドリンク付)
■会場 ジュンク堂書店池袋本店 4階カフェにて
■定員 40名(お電話又はご来店にてお申し込み先着順)
■受付 お電話又はご来店(1Fサービスカウンター)にて先着順に受付。
※トークは特には整理券、ご予約のお控え等をお渡ししておりません。
※ご予約をキャンセルされる場合、ご連絡をお願いいたします。
お問い合わせ 池袋本店 TEL03-5956-6111
ジュンク堂書店のHPでも告知していただいております。
ぜひお誘いあわせのうえお越しください!
http://www.junkudo.co.jp/shop2.html
- HarpoBucho
- By harpobucho / Feb 06, 2009 1:23 am
標準インストール:かくめい
NO NEW YORK!やビースティーやソンタグやバスキアやジョン・ルーリーやジャームシュを嗜んでいるようなニューヨーカーに憧れた青臭い趣味。それに20世紀前半のヨーロッパのアーチスト同士の火花を散らしたムーブメント達。自分にも若い頃のとんがりとひんやりと無闇な感じがあったのね。絶対的な作家性と実存が絡み付いた歴史化した個人。ひゃー、人生は15分だけの名声じゃ満足出来ていなかったってこと?
しかし何か間違えて、今福龍太を読みネグリを好み高円寺に住みビッグイシューを買いC.C.G.や邂逅を聴きやけのはらで踊る様な、そんな感じになっちゃったのだろう。悪くいうとユルくなった、良くいうなら「上がりなんてないんだ」。二元論と弁証法を退ける多元主義。いや、この変化は割と気にいっているけどね。
ひとつあるのは「革命」って言葉の意味が変わっちゃったことね。
暴力体であるブルジョア資本国家体制の国家中枢を、武力占拠し新たなる政治体制を構築する。そういったベタなロマンを、古くさくノスタルジーに充ちた物に塗替えた。ゲバラやホーチミンやPFLPやサンディニスタやファノンやその他諸々を心の奥の本棚にしまいこんだ。
つまり議会政治や国家権力をなるべくシカトしながら(でも資本主義の罪悪と魅力の両方を味わいながら)、んじゃもっと人生の時間を笑顔の多いモノにしようと。しかめっ面で政府を断罪したっていいけど、肩のこらない時間が欲しいし。悲しみは消えないなら、悦びをその分増やそうっと。
そう思ったら楽になったでしょ。汝の人生を愛せ、とケルアックは云ってたけど近い感じ。ネグリは来日出来なかった昨年3月、すぐにバカンスにして別の飛行機に乗った、それに近いか。
そしてなんといってもサパティスタの影響が大きい! 覆面ゲリラの革命を起こしても、メキシコ政府が転覆するつもりのない存在にまで変わってしまえるなんて。世界中のファンからの支持で注目を集めるチャーミングな考え方と運動。他のラテンアメリカの革命軍とは違うやり方、マッチョよりクィアな解放軍、マイノリティのための共同体。
TAZという考え方、ヤバくなったらすぐズレる。オリジナルを攪乱するサンプリングとか、街の風景を作り変えるグラフィティとか、ジョイントが廻ってくるフロアとか。勝手に植物を植えるゲリラ・ガーデニング、アルゼンチンタンゴを踊りながら万引きするヨマンゴ、残飯漁って共同炊事するパンクス崩れスフード・ノット・ボムズ、WTOやサミットに集まる日食に集まる祭に集まる人々。単独者の表現ではなく、仲間との認め合いの評価。これらは多様な価値観を尊重することを唯一のルールとしたアナキズムの実践。スピノザの思想のリニューアル。ルール壱、みんなを認める事。ルール弐、自分のやりたい事をやる事。ルール参、金を至上価値にしない事。これと名指せないそれらを「かくめい」と名指そう。
「かくめい」は冷戦終了後に広まった。でも、そのバックグラウンドはベタな左派思想。オルタ・グローバリズム、フェミニズム、エコロジー、先住民運動、障害者運動、セクマイとクイァ、初期カルスタ、ポスト構造主義、反植民地主義、反人種反国民国家反性差反階級主義、反国語反国境反軍事反セクト、人権主義と民主主義などなど。
「かくめい」は「革命」に比べて中途半端でありながら、非常に継続的で楽観的で実践的で、でも結構あやふやだから不徹底。しかし多くの人が常に能動的に動ける、という意味で非常に民主主義的だ。
〜♪もしも 俺が いなくなっても この街は動く 世界は動く だから 俺は やりたいように生きる 生きたいように生きる♪〜「Where Is Your Love」SHIZOO(C.C.G.4)
なかなか伝わらないし、自分でも見失いがちだが、そんな価値観を持ってから、世界の当事者となった。楽になったな〜
- Intellipunk
- By intellipunk / Feb 03, 2009 11:15 pm
拾った覚醒剤の話
というタイトルは誤解を招くので、正確に書いておくと「拾ったお金で覚醒剤に関する本を買った」という話です。
金曜日は雨が降ってたので自転車通勤は止めて、東京メトロを利用することに。凄い勢いで改札口に吸い込まれていくビジネス・パーソンの流れに身を任せ、目的地まで死んだフリをしようと目線を下におろした瞬間に発見したのだ。五千円札! テンションあがり覚醒する。
くちゃくちゃに丸められ、まるで紙くずのようだったけど、お札特有のフェティッシュなオーラがキラり。落ちているお金に気づかないなんで、みんなちゃっとお金稼ぐことに夢中になり過ぎてるんじゃないの? と皮肉を言うより、この状況に素直に感謝しよう。すかさず拾い、その手はそのままズボンの左ポケットの中に。電車のなかでいったいこのお金をどう使ってやろうか考えていたもんだからいつもより楽しい出勤になった。
拾ったお金はあぶく銭なので、普段では絶対に買わないもので一気に使い尽くしたい。一昨年、下北沢で朝まで飲んで自転車でふらふら東高円寺に帰る途中の環七で千円札を拾ったときは、蚕糸の森公園のフリーマケットで怪しいエキゾな木彫りの女性の顔の置物を買ったのだった。売り手の親父は沖縄で作れてたものだと言い張るのだが、どうみてもそう見えない。バリっぽくもあり、ポリネシアっぽくもあり、アフリカっぽくもある不思議な女性の顔。絶対に嘘だと思ったから、親父のコレクションを手当たり次第産地問い合わせすると、全部沖縄だと言い張る始末。なんだかこの産地偽装親父に興味が沸き、来客へのクイズ用に千円で購入。そして、いまや扱いに困っている。今回もこんな有益な無駄遣いがしたい!
で結局落ちた五千円札で買ったのが『覚醒剤の社会史 ドラッグ・ディスコース・統治技術』。
2007年度の日本社会病理学会学術奨励賞受賞の扱いに困る五千円以上の書籍。気流舎で中古で買えたのでお釣りが発生したけどチャイ飲んで全部チャラに。やはり一気に遣い込むとなんだか気分がいい。
五千円程度の高級本を買おうと決断したときに真っ先に頭に浮かんだのがガブリエル・タルドの『模倣の法則』だったんだけど、そうすると単なる有益な買い物になってしまうので却下。そんときたまたまヤフーのニュースで芸能界の暗部を暴露しようとしていた元アイドルが覚醒剤の所持で逮捕されたという事件を知って、買うべき本が確定したってわけ。前からずっとチェックはしてたけど高価だし、今してる転職活動にまったく役に立たないから、絶対に買わないだろうと思っていた本が手元に。これは事件だ。
著者の佐藤哲彦さんの昔のブログ記事に『模倣の法則』のことが書いてあった。
http://akisato.tea-nifty.com/dope/2007/09/post_9d2f.html
昨年読んだこれも面白かった。
『ドラッグの社会学―向精神物質をめぐる作法と社会秩序』
普遍的な物事の本質よりも、正しい(と個人が信じているイデオロギー)事を主張するよりも、相互作用やディスコースの生態に興味があるんで、タルドとはもういっぺん出会い直さなければならないみたい。また落ちていないか、五千円札。下を向いて歩こう。
覚醒剤に対するボクの「ダメ。ゼッタイ。」な強い想いがビンビンに感じられるマッシュアップ動画。
この東映ヴァージョンのほかに「オーラの泉」ヴァージョンも作って公開したのだが消されてしまったようだ。芸能人たちがあのセットの雰囲気に油断して「小人」について嬉しそうに語っているシーンを繋げたもので、かなりイ(ジワ)ルだったんだけども。
- HarpoBucho
- By harpobucho / Jan 25, 2009 2:05 am
【転載】メディアとイスラエルの共犯―罠にはまっている私たち
以下転載。メディアが一方的に流す情報を疑ってみること。イスラエル軍がガザから撤退したからって何も終わっちゃいない。ジョージ・クリントン――ポール・D・ミラー(aka DJスプーキー)からの孫引きだけどさ――が言うように「思考しろ! それはまだ違法じゃない!」
ナオミ・クラインのボイコットの呼びかけはこちら。
もう充分だ! ボイコットのときは来た!(転載転送可)
オバマ大統領の就任演説のスピーチ原稿がイスラエル支援企業であるスターバックスの店内で書かれたって話は興味深い。
<オバマ大統領>演説原稿はスタバで書かれた!弱冠27歳の執筆者に注目―中国紙
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メディアとイスラエルの共犯―罠にはまっている私たち/パレスチナ連帯・札幌 松元保昭
●メディアの偏った報道―視聴者から見るはなはだしい不公正
11日、日曜日午後6時のNHK「海外ネット」のパレスチナ報道をみた。一見、ガザ市民の無差別な被害を憂えるトーンではあった。しかし報道時間の7割はイスラエル政府報道官の攻撃理由の説明に費やされ、ハマース側の停戦破棄と反撃の理由にはインタビューさえもない。使われた映像も、ガザ現地からのものは無く(ジャーナリストが締め出されているのだから已む無いとしても)、いつ取材したか分からないイスラエルの垂れ流した覆面ハマースの訓練場面を繰り返し映し出す手法。あたかもハマースが「テロリスト」の代表であるかのように。
これと同じ場面を、かつても観たことがある。9・11直後のアフガニスタン侵攻のときのアルカイダ、そしてイラク戦開始時のフセイン「幻の大量破壊兵器」のときである。アメリカもイスラエルも、「敵」を徹底的に悪の象徴として喧伝する手法は、インターネット時代の今日、ナチのゲッベルスを百万倍も凌いで全世界を覆う。NHKと大新聞は(そして民放も)、イスラエルの与えたフレームにすっぽり嵌っている。紛争や戦争を憂えるふりをして、その原因は「敵=テロリスト」にあるという報道の構図は一貫している。
●イスラエル・プロパガンダの三点セット・フレーム
ハマース(あるいはヒズボラ)やパレスチナ民衆の攻撃からイスラエルは「自国を防衛する」権利がある。
停戦を破棄しカッサムロケット弾でイスラエル民間人を攻撃しているハマースが悪い。
「国際テロリスト」ハマース、ヒズボラ、イランはイスラエル国家を認めず「地図上から抹殺すべし」と言っている。
BBC、CNN、NHKのビッグTV局、大手新聞など世界の巨大メディアは、この三点セットの枠組み(フレーム)の中でガザ空爆やパレスチナ問題を報道・放映している。
●前提の大嘘
この三点セットを批判する前に、二つの大嘘をメディアは触れようとせず暴こうともしない。
第一は、ハマースもパレスチナもイスラエルと「対等の国家」ではない! したがってハマースにもパレスチナにも「国家」や「国防軍」のようなものは存在せず軍事的能力はほとんど無い! 片や世界第4位の核軍事力を擁し、クラスターから劣化ウラン弾、白リン弾、バンカーバスターまであらゆる新兵器の実験場をつくっている戦争犯罪国家である。これに抵抗するパレスチナ人は、まず投石や銃、砂糖などを燃料にした手製カッサムロケット砲。このまったくの非対称な軍事力の差をメディアは対比せず、あたかも「両者対等」であるかのように描き出す。
第二の大嘘は、すべての元凶である「軍事占領」しているという冷厳な事実に触れないことである。パレスチナ人の基本は、全生活を不自由にしている不当な軍事占領に抵抗し戦っているという積年の事実を、すべてのメディアは触れようとしないか掘り下げようとしない! それは欧米が、「国際社会」がそれを認めているからだ。この元凶を隠蔽し続けるかのように全メディアは、これらのことを暴いたり関連付けたりせずに、「過激派ハマースの脅威」を針小棒大に描き出し目先の現象に人々を縛り付けておく。
こうした欧米中心の「国際社会」の大嘘と闘いつづけているのが、この60年のパレスチナ人なのだ!
●イスラエル・プロパガンダ三点セットへの批判
パレスチナ人は、60年間もイスラエルの侵略と攻撃から土地と民族を防衛するために戦ってきたのだ! イスラエルの日常の攻撃、略奪、暗殺、破壊、そして全パレスチナ人への抑圧と弾圧を放映・報道することなしに、イスラエルの「防衛権利」ばかりを誇大に垂れ流すメディア。まるでガザのパレスチナ人に生活防衛の権利などないかのように!
2ヶ月前から停戦を破っているのは、イスラエルだ! 昨年11月、12月と幾度も停戦期間中にガザを空爆していたのは、イスラエルだ。停戦期間中にハマースが約束を履行していたことは、イスラエル高官でさえ認めている。ハマースが攻撃を再開したのは、イスラエルが攻撃したあとだ。しかも停戦期間中、イスラエルはインシュリンなどの医薬品から医療備品、食料、電力が途絶えるまでラファやエレツの封鎖を強化してきたのは、ハマースのロケット弾攻撃を阻止するためなのか! ハマース以外の市民を攻撃しないというイスラエルがなぜ、モスクや病院、医師、救急車、救急隊員、国連の学校や職員・輸送車、漁船や女子寮を爆撃しなければならないのか?
だれもイスラエルを「抹殺」とは言っていない! ハマースはずーっと前から、「軍事占領しているイスラエルは認めない。せめて67年国境線(グリーンライン)まで撤退したなら、交渉に応ずる」と言ってきた。ハマース指導者が交渉に手を指しのばすと、ミサイルのピンポイント爆撃で爆殺してきたのはイスラエルだ。イランのアフマディネジャドも「地図上から抹殺」と言ったのではなくホメイニ発言を引用して「エルサレムを占領している現在のイスラエル政府は歴史から消え去らねばならない」と述べたのである。メディアは好んでこの「抹殺」を繰り返し、「テロリスト」のイメージ作りを増幅させている。
この三点セット情報を全世界10億の民に流すと、あらゆる虐殺に正当性が与えられイスラエルは大威張りで「テロリストと戦っている」と強弁できるのである。
●ハマースを殲滅することは、150万人ガザ市民を殲滅すること
「イスラーム抵抗運動」というハマースは、周知のように民生部門で全ガザ住民の生活・教育・福祉を支えている。ヨーロッパをはじめ歴史的な各地のレジスタンス運動と同様、民衆に深く根ざしたハマースをあの人口密集地で殲滅するということは、いま現下で無慈悲に行われているように大虐殺にならざるを得ないことは火を見るよりも明らかだ。ハマースは民間人を盾に使っている…? 手で運べる移動式カッサムが市街地にあれば、全民衆が虐殺対象となる。ハマースはガザを実効支配している…? ガザの領空・領海・領土を支配しているのは、イスラエルだ!
●民主主義の二枚舌―欧米は、民主主義を抹殺するのか?
ハマースは「まったく模範的で民主的な選挙」(カーター元大統領)で選ばれた正当な政権である。それをはじめから経済封鎖し自治政府を分裂させ政権から追い落としてきたのは、イスラエルだけではなくアメリカ、EU、ロシア、中国、日本だ。「国際社会」の二枚舌こそ民主主義をはてしなく形骸化させている。メディアは一貫してこのダブルスタンダードを当然のように扱い、あまつさえファタハとの「内紛」のせいにしてほうかむりしている当の「国際社会」を裁こうとはしない。そして私たちは、この二枚舌の傘の下で無関心を装うことができるのだ。
●ハマースを口実に、全パレスチナ人を攻撃しているイスラエル
今回のガザ侵攻は、けっしてハマースとイスラエルの「紛争」ではない。西岸では、延命をはかるアッバスのもとで自治政府警察やファタハが民衆のガザ連帯デモを鎮圧しイスラエル占領軍のエルサレムやチェックポイントでの警備・抑圧が強化され若者の犠牲者が急増している。じつはイスラエルは、パレスチナの「抵抗運動」そのものを殲滅したいのである。西岸や450万難民、すべてのパレスチナ人への攻撃だということは、すこし歴史をさかのぼれば分かることだ。しかしこれを語っているメディアはすくない。
パレスチナ人がもはや組織的に抵抗できないように、西岸地区を三つのバンツースタンに閉じ込め、イスラエル占領軍の巨大な検問所が出入り口をコントロールしアメリカの武器をもつ自治政府警察に鎮圧させている。全長700キロ高さ8メートルの分離壁も「自爆テロ」からイスラエルを守るためではなく、入植地を守るためだけでもなく、なによりもパレスチナ人が占領に抵抗できないように閉じ込めておくために建設されている。
占領に抵抗するハマースの戦いは、全パレスチナ人の戦いだ。西岸でも売国奴アッバスからは勿論ファタハからもつぎつぎと離れ、底辺からハマース支持がひろがっている。どんな虐殺があっても、パレスチナ存在の大義は失われることがない。それは彼らの生存理由だからだ。60年の歴史がそれを証明している。
●「暴力の応酬」「報復の連鎖」という隠蔽言説
とくに9・11後、この言葉が常套句となった。すべてのメディア、多くの「平和活動家」たちでさえこのフレームの上で「平和」を語ってきた。あたかも憐れみとヒューマニティをもつ「われわれ」こそ「平和愛好者」であり「中立者」であり、まるで「双方」が自分たちの平穏をかき乱したのだといわんばかりである。世界中に不当な支配と闘っている人々がいるのに、日本では皆がみな戦わなくとも「平和」でありうると思いこんで、「紛争」はいけないと目をひそめる。
「あんなロケットなんか飛ばさなきゃいいのにね。そしたらこんな被害も起きないのに…」とある人がため息混じりに言った。またある人は「どっちもどっちだね」と。こういう受け止め方を許していることが、イスラエル=「国際社会」=メディアたちの共犯の「成果」なのだ。「どっちもどっち」「暴力の応酬」「報復の連鎖」と言っているあいだ、「国際社会」の躊躇に促されて虐殺はつづいていく…。
●犯罪国家イスラエルに制裁を! 戦争指導者を国際 法廷に! そしてボイコットを!
イスラエルはテロで不法に占領した60年前の「建国」以来、軍事的膨張主義で領土を侵略拡大してきた。今回のような抵抗に対する「集団懲罰」は、イスラエルのお家芸だ。それはとりもなおさず、パレスチナ人の血の犠牲の上になされてきたことである。イスラエル発の「反テロ戦争」は「国際社会」の常識と化した時点で、大量無差別虐殺という正体を白日の下にさらした。そして、このガザ虐殺を90%の国民が支持するという、悪魔の国と化したイスラエルはナチの再来を髣髴とさせる。60年間の 歴史のすべてが、違法・不法・犯罪のデパートのようなこの国家を許容してきたのは「欧米国際社会」である。
650万イスラエル国民のためにも、来るべき国際正義のためにも、世界民衆の未来のためにも、いまこそイスラエルの野蛮を糺し虐殺中止の世界中の声 をひとつにしなければならない。戦争指導者を国際法廷に引きずり出し、経済制裁を、ボイコットを実現すべき時だ。
あらゆる人間のいのちと尊厳、正義のために。そのときメディアの役割は甚大だ。
2009年1月13日
パレスチナ連帯・札幌
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- By harpobucho / Jan 21, 2009 10:48 pm
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