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アヘンデリックの旅 後半

阿片を悲劇的に考へてはいけない。

魂の指揮者である神経中枢を犯す時、阿片ははじめて悲劇的になる。さもない時には阿片は解毒剤であり、歓楽であり、極端な午睡である。

ジャン・コクトー

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  • By harpobucho / Nov 15, 2009 10:46 am

アヘンデリックの旅 前半

阿片、それは宿命の女だ。寺院の偶像だ。忍びの間だ。僕には諸君の誤解を解く力がない。

ジャン・コクトー

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  • By harpobucho / Nov 15, 2009 10:33 am

黒糖阿片

阿片は目的を罰する。

阿片は、僕等に植物の生活を感知させる唯一の植物質だ。阿片によって、僕等は、草木のあの別種なスピイドを、おぼろげながらしることが出来る。

ジャン・コクトー 堀口大學 訳 『阿片』

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朝。

太陽が気持ちいい。植物に水をあげた後、朝から昭和21年産の『阿片』を嗜む。そして失業生活7ヶ月間の阿片的生活を振り返る。失業者は就業を目的に生きなきゃいけないわけだが、ボクはただただ失業状態を生きてみた。植物との相性は抜群であった。盆栽老人のごとく若くして老境に入ってしまったようだった。

コクトーデッサン.jpg

夜。

洒落たバーに黒糖焼酎ならぬ黒糖阿片なんて飲み物があったら、そのラベルはきっとこんな感じだろう。ちょっと一杯飲んでみようか。黒糖阿片のトリップをジャン・コクトーのデッサンで追いかけてみる。悪酔いどころじゃ済まないよ。

つづく







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  • By harpobucho / Nov 15, 2009 10:01 am

平岡正明主演『俗物図鑑』上映

山城新伍とその時代 

12月5日の『俗物図鑑』上映後17:30から内藤誠監督と杉作J太郎のトークショーが気になります。いったいどんな話が飛び出すのでしょう。

学生時代は内藤誠監督の授業をとっていて、「あの『不良番長シリーズ』の監督にボクはいま映画を教わっているぞ!」と妙な感動を覚えたものです。出演者のひとり四方田さんの「68年の映画」をテーマにした授業もとっていて、そこでゴダール(特に『中国女』!)や大島渚やパゾリーニに触れてなければ今のような「政治的趣味」を持っていなかったでしょう。

主演の平岡正明さんに至っては、一緒にお仕事(お遊び?)するという好運にも恵まれ、気がつくと『俗物図鑑』の偉大な出演者たち、上杉清文さんや末井昭さんらに混じって平岡さんの追悼イベントの舞台の上に立っているという学生時代の自分に自慢したい展開になっているわけで、人生ってのは何があるかわからないですね。

この映画、実は平岡さんと山城さんの出番は多くないんだけど、嘔吐物を評論する夜の街での二人の絡みは最高です。

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公開:1982年

監督:内藤誠

主演:平岡正明、巻上公一、南伸坊、入江若葉、山本晋也、四方田犬彦、大林宣彦、栗林由美子、伊藤幸子、田口トモロヲ

筒井康隆の同名小説の映画化。「梁山泊プロ」に巣くう”横領”や”出歯亀”、”性病”など変な分野の評論家たちが、一般人の良識を逆撫でしつつマスコミで活躍する様を描く。評論家を徹底的に風刺した作品に、平岡正明を始め上杉清文、四方田犬彦、石上三登志、末井昭など出版関係者が多数出演しているところがミソ。山城新伍が演じるのは反吐評論家・片桐。文芸評論家(四方田犬彦)の批判に理路整然と反論し相手をやりこめる様は、臨機応変で頭が切れた山城本人を彷彿とさせる。


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  • By harpobucho / Nov 12, 2009 9:45 am

友よ今日笑え

山城新伍とその時代
そこにはアナーキーな笑いとエロがあった。

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▼「山城新伍とその時代」トークショーのお知らせ

11/21(土)17:20~
梅宮辰夫氏×内藤誠監督

11/28(土)18:00~
名和宏氏×鈴木則文監督

12/5(土)17:30~
内藤誠監督×杉作J太郎氏


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  • By harpobucho / Nov 12, 2009 1:19 am

友よ明日泣け 

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森繁のブルース






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  • By harpobucho / Nov 11, 2009 4:39 pm

いいニュースとわるいニュース

「いいニュースとわるいニュース、両方あるんだけど、どっち先に聞きたい?」といった具合の小粋な会話がよくドラマなんかで交わされるが、その回答パターンにどんな種類のものがあったのか意外と思い出せない。ボクの場合、いいニュースとは仕事が決まったことで、わるいニュースとは失業者でいられなくなることだから、「同時に聞きたい!」と答えるのがきっと正解なのだろう。

最近は「失業者の特権を許さない会」(失特会)という脳内団体がボクの行動原理を支配するようになっており、ボクのなかの「怠ける権利」の抵抗むなしく、こんな結末を迎えてしまったわけだ。

というようなひねくれたことを書こうとしたら、本当に悪いニュースが入ってきてしまった。

サービス精神旺盛、反骨・人情の人…森繁さん
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20091110-OYT1T01068.htm?from=top

つい先日、世田谷文学館での特集「名優 森繁久彌」で川島雄三監督の『青べか物語』を観て、森繁の抑えた色気にクラっときて森繁ブームが自分のなかに到来したばかりなのでショックだが、年も年なので仕方ない。96歳、大往生だ。

『喜劇 とんかつ一代』が好き過ぎるせいか、森繁を見ると無性にとんかつを食べたくなる。『青べか物語』を観た後も友人ととんかつ屋を探して即効暖簾をくぐったものだ。

社長シリーズで気分を盛り上げながら、労働開始日までの束の間のモラトリアムを過ごそう。合掌。

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  • By harpobucho / Nov 10, 2009 12:29 pm

おもしろいものはみんなのもの

Dear CJharpo,

Your video 井上陽水×タモリ ギター漫才「コーヒールンバ」 has become popular on YouTube, and you’re eligible to apply for the YouTube Partnership Program, which allows you to make money from playbacks of your video.

Once you’re approved, making money from your video is easy. Here’s how it works: First sign into your YouTube account. Then, complete the steps outlined here: http://www.youtube.com/ivp?v=vhm8y7nPWFA. Once you’re finished, we’ll start placing ads next to your video and pay you a share of the revenue as long as you meet the program requirements.

We look forward to adding your video to the YouTube Partnership Program. Thanks and good luck!

The YouTube Team

「キミの動画は人気あるんでちょっと金儲けしないか?」と向こうから誘ってきたのに関わらず、いざ登録しようとするとやたら著作権にうるさい。テレビ番組なんてもってのほか。この動画の所有権についてコメントを書かなければならず書いた言葉が「おもしろいものはみんなのもの」。そんでもっておひねりちょーだいします。

見つかったら消されちゃうなあ。輸入規制によってモカが国内で手に入りにくくなっている今(輸入再開っていつ?もうした?)、このカフェイン浮き浮き嗜好品トークは価値があると思うのでぜひ残して欲しい。



ヴォルフガング・シヴェルブシュの『楽園・味覚・理性』には「コーヒーは性欲を抑制する性質がある」ってことが指摘されており、17世紀にロンドンで発行されたパンフレットが紹介されている。その表題は『コーヒーに反対する女性の請願書。枯渇と減退をもたらす飲料の過度の摂取のために、女性がいかに多大な損害をこうむっているかを、公に訴える。』

「資本主義の精神」を準備した「覚めと禁欲」のコーヒー観も陽水が歌うと「酔いと快楽」にひっくり返されるというアラビアン・マジックな動画。

楽園・味覚・理性―嗜好品の歴史
ヴォルフガング シヴェルブシュ
法政大学出版局
売り上げランキング: 357754
おすすめ度の平均: 5.0
5 味わい深い本です
5 バベットの晩餐会以前の世界とは、


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  • By harpobucho / Nov 08, 2009 12:33 pm

「悲しき南回帰線」レヴィ・ストロース氏、死去。


▼「悲しき熱帯」レビストロース氏死去 「構造主義の父」
http://www.asahi.com/obituaries/update/1104/TKY200911030404.html

 朝、朝食を食べていると同居人から不意に聞かされたニュース。彼女はツイッターで知ったらしい。届いたばかりの新聞を開くと記事が出ている。ミクシのマイミクの日記にもちらほら・・・ポスト構造主義の大御所達の多くが・・・バルトやドゥルーズ、ガタリ達が・・・かなり衝撃的だったり、不幸な死を迎えたのに比べれば、100歳までほぼ健康で、旅行にも出かけていたらしいという氏の晩年は、静かで構造的に安定した余生だったのだろうか?最近ようやく「悲しき南回帰線」に手をつけて、軽妙で洒脱な、しかし悲しみによって静かに抑制された語り口に惹きこまれているのだけれど、探検や冒険の跡に広がった「開拓」と「搾取」とが、同じ「exploitation」で表現されるように、大航海時代からグローバリゼーションに晒され、失われていく文明の確かな手ごたえだけを感じて、静かに哀しみを増していたような気もする・・・  


悲しき南回帰線」の冒頭で彼はこう書いている。


>幻想は綾を織り始める。未だ安売りも、汚れも、呪われもしていない光景が燦然と輝きわたっていたときの、真の旅行者の時代に私は生きたかった。

>人間の文化は互いに交流し合い、互いの接触によって腐敗し合う可能性が少なければ少ないだけ、互いの探りあいによってこの多様性の豊富さと意味とを認める可能性も少ないのだ。

>数百年後にはこの同じ場所で、ある旅行者が私のように絶望感に打たれ、私には見ることができたものが、すでに失われているのを見て、おそらく嘆き悲しむだろう。見るもの全てに私は傷付き、十分に見ていないのではないかと、絶えず自分を咎め、私は二重の悲しみにとらわれていた。


 しかし、ゆっくりと彼は過去の亡霊から蘇生する。


>引き潮の中に私の思い出を巻き込みながら、忘却は思い出を使い古すよりも、また埋葬するよりも以上のことをした。忘却はこれらの断片の中から深い組織を作り上げ、私は安定した平衡感で立ち、もっと明るいイメージが描けるようになった。一つの秩序が他の秩序に変ったのだ。

>人はみな、自分の心の中に、彼が見たり愛したりしたも全部でできている一世界を持っているものだ。そして知らない世界を駆け巡り、そこに住まっていると思うその時でさえ、彼はそこへ戻っていくのだ。       

                        シャトー・ブリアン


 失われ続ける過去にとらわれていてばかりでは、何も見えてこないのかもしれない。奇妙な現代文明との出会いから生まれた新しくもキッチュな文化さえ、あっという間に伝統、つまり、永遠や不変、化石のようなイメージへとすりかわる。例えばスペイン人が大陸に持ち込んだ「馬」を、インディアンが大昔から乗りこなしていたかのような錯覚・・・ 「馬」がヨーロッパから持ち込まれるまではインディアンは素朴な農耕民族か自然採集民族だった。持ち込まれた「馬」が彼らにバッファローの狩猟を可能にし、遊牧民へと進化させ、さらにそこから狩場を巡る縄張り争いや戦争が生まれたのだ。過去も現在も未来も、人々は絶えず交流し、変化し、そして忘れつづける。記憶の地層はそっと堆積し、時に湾曲し、引き裂かれ、隆起する。膨大な時間をかけて。どこに行けば新しい過去が掘り出され、それは未来をどう変えるのだろうか?もしくは何も変らないのかもしれない。森山大道が言うように「過去は常に新しく、未来は常に懐かしい」のだから。



道化道

曇ひとつない青空。太陽気持ちいい朝。植物の水やり、メダカの餌やり、洗濯終了。昨晩作った野菜たっぷりシチュー、フランスパン食す。

先週日曜日昼番組「アッコにおまかせ」、アッコ権力発動の場として観察しているわけだが、アッコがのりぴーや押尾のニュースを斬ってるときに松村のTシャツのイラストが気になって凝視してみると「ガンジャを吸っているラスタマン」の絵。う~んソウル・レベル。あれは権力を前にした道化の戦術だね。

仕事を探そうとするから、<仕事>が見つからないのだ。そもそもやりたいことなんて仕事(賃労働)の中にない。身を潜める場として職場を探そう。本当にやりたい<仕事>は日常生活の中にある。そして、慎ましく日常生活を送るにはどうしても深く潜伏する場が必要なのだ。


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  • By harpobucho / Nov 03, 2009 11:09 am

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