「DJを刺し殺す」とサウンドデモが脅迫された件について。

 24日夜に素人の乱主催で行われた高円寺クリスマス粉砕サウンドデモDJだったイルコモンズさんのデモ告知日記に脅迫文がコメントされてしまった!!脅迫主の「高円寺住人」(後にレスした人がこれまた「高円寺住人」名義で書き込んだので「高円寺パトロール」に変更か?)の発言を引用すると・・・ 



歳末謝恩DJ
http://illcomm.exblog.jp/9103426/


>Commented by 高円寺住人 at 2008-12-24 20:46 x
何を主張したいんだ。
思想も目的も無いデモやりやがって。
うるさいんだよ。
迷惑なんなんだよ、ちっとは考えろ。
次やったら刺すからな。

Commented by 高円寺住人 at 2008-12-24 22:31 x
↑貴方も行けばよかったのに。
人を刺すより楽しいよ。遠くにいて参加出来ないワタシの気持ち解らないだろうなあ。

Commented by 高円寺パトロール隊 at 2008-12-25 00:37 x
そんな事知るか。
迷惑なもんは迷惑なんだよ。
絶対に危害加えてやる。



 で、ある。うーーー。これは怖い!!最近はますます物騒になる世の中だが、サウンデデモでDJしていて警察に逮捕されるどころかデモに怒った人から刺し殺されるかもしれないとは!!まあ、車上でプレイ中に刺し殺されたら、それはそれで伝説入りなので、なかなか悪くないぜ。高円寺パトロール隊の人にはイルコモンズさんだけなく、ぜひ僕も狙って欲しいものだ。ま、冗談はさておき、爆音を垂れ流し、狂喜に踊り狂うデモ隊を見て怒り出す奇特な人が時折存在するのは確かで、過去に一度、もうこれ以上人間は怒れないんじゃないかってくらいの鬼のような形相で抗議してきたおばさんがいて、そのおばさんがデモカーに近づこうとするのをこれまた必死に警察官が二人がかりで止めていて、おばさんは両脇を抱えられながらものすごい怒声で抗議しているのを見て爆笑してしまったことがある。いや、爆笑したのはおばさんが面白かったのではなく、おばさんが一人で無届の地声サウンドデモを行っているのがあまりにも素晴らしかったからだ。明らかに、おばさんの方がラディカルだ。ちゃんと声をかけておいて、後で打ち上げにでも来てもらえれば、きっといい仲(性的関係を暗示しているわけではない)になっただろうし、おばさんも笑って帰ったと思うのだが、その後でおばさんはどこかへ消えてしまった。



 他にも、高円寺選挙の時に僕が駅前でDJをしていると、これまた明らかにベロンベロンに酔っている、ものすごい形相のおねえさんがやってきて「テメー 、フザケんじゃねー!!音を止めろ!!止めろ!!」と、鬼のように怒ってくるので、一瞬、逃げ出そうかと思ったくらいなのだが、よく話してみるとこのおねえさん、テクノやトランスが大好きなクラバーで、僕がかけている曲が気に食わないからもっと自分の好みの曲(トランス)をかけろと主張しているのだった・・・・ 話していると「DJツ○シとは仲がいい」だとか有名DJの名前を連発しながら、クネクネ体をまさぐりだし、「ああー!!アレ忘れたかも」と、叫び、いきなりズボンとパンツを自分でズリ落として半ケツ丸出しになってしまった。驚いたのはこっちで、あわててズボンとパンツを上げさせた。そうしているうちにおねえさんは「落し物を探しに行く」と、駅のほうに行ってしまった。妙齢のおねえさんのお尻が見えたのはうれしいのだが、明らかにおねえさんの御脳はアルコール+ケミカル系のネタで溶けかかっているのがわかって終始ドン引きだった。高円寺選挙の時はこの半ケツ事件だけじゃなくて、路上のダンスであまりにも気持ちよくなった女の子が、素晴らしい音楽のお礼にDJに向かって服をまくっておっぱいをちらりと見せてくれたりなんかもあったらしく、やはりみんな全裸になって踊るくらいアゲアゲにしてみせなければ、と、僕はサウンドデモDJとしての決意を新たにするのだった。


 さてさて。こういった例を思い返してみると、同じ爆音でも「刺し殺してでも止めてやる!!」と怒り出す人や、同じ怒ってる人でも「選曲が悪すぎる!!」とDJの内容に怒っている人もいるし、曲にノリノリで「キャーー!!もう、超ー最高!!」と、脱ぎだしちゃう女の子までもいる。実に様々な反応があるということだ。そしてサウンドデモが素晴らしいのはこういった意味での多様性で、なかなか普通のデモでは怒り出す人もいなければ、服を脱ぎだす人もいないくてずいぶんとつまらないのである。それはおそらく「主張」や「意味」にデモそのもののスタイルが縛り付けられているからで、音楽やダンス、コスプレやパペットという祝祭性だけが、そういった「大きな政治」ではなく「小さなな等身大の政治」を可能にすると僕らが考えているからだ。話を元に戻せば「高円寺パトロール隊」氏は「何も思想も主張も無いデモをやりやがって!」と怒っているが、まさにサウンドデモと出会って怒り出したり、服を脱ぎだしたりすることこそが、政治であり意味であり、主張であり、スタイルの発露とそれらの激突であることを、どうして気がつかないのだろうか?デモに対して怒ることは一種のデモでしかない。(ただし、一方的な身体的暴力をデモンストレーションとは言わない。それは脅迫に基づく強権だからだ。) 





高円寺パトロール隊さんへ
http://illcomm.exblog.jp/9110379/
クリスマス粉砕高円寺サウンドデモ顛末記
http://illcomm.exblog.jp/9113273/ 




 イルコモンズさんが「高円寺パトロール隊」氏への返答ですでに書いていることだが、氏が「無意味」や「主張ではない」と思ったところに、ノイズのようにどうでもいいと考えた部分にこそ、僕らが大切だと思っている、譲れない物がある。何度でも書いてきたことだから繰り返すのもウンザリするが、サウンドデモは確かにただのくだらない馬鹿騒ぎのように見える。だけど、そのくだらない馬鹿騒ぎのために何度も逮捕者が出たり、無償の労働力を大勢が提供してきたのは、その馬鹿騒ぎが、決してお金という価値や物差しでは買えないからだ。また、決してこの行為が政治的な意味ある主張という大儀に回収されないからだ。政治的に意味ある主張というのは危険なのだ。なぜならそれは、それを主張する以上、達成すべき目的や、かなえなければならない約束となり、そこから「勝利」だとか「敗北」だとかいう旧左翼的なくだらない闘争の成果主義が生まれるからだ。政治は、決して、訪問販売員の成果グラフや社史のように記録され、比較されるべきではない。こういった政治的な成果主義や、金で買える価値や意味があるサービスや物という合理性の範疇の外こそが、祝祭性という特殊な「まつりごと」を可能にする。路上で楽しければすでに僕らは歴史的圧倒的大勝利を手にしているのだ。これ以上何を望めばいい?何も要求することや主張することなんてない。自分がいかにこの場所を楽しんでいるかということ以外には。政治の聖性が存在するのはこの一瞬だけだ。それを生み出すことが僕らの狙いだ。とにかく、24日、僕らは、資本主義が生み出した偽クリスマスこそがウソの祭りであり、それを粉砕するのは本当の、偽りの無い「まつりごと」だけだと主張し、それを路上で実現したのだ。高いニセ物掴まされて踊らされるより、自分で踊って楽しむのが本物なのさ。どうか高円寺パトロール氏よ、このことを理解して、ぜひ来年はデモに参加していただくことを期待する。



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