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ONE DAY STORE 開店!

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1日のみのオープンで、珍しいサブカル系の古本とアンティークのワンデーショップを開きます。
開店日は、明日(2月9日)。
スペクテーター編集部が応接します。
無料のサパティスタコーヒーも出しているので気軽に冷やかしに来て下さいな。
ぜひ遊びにきてください。

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場所:高円寺〈SHISHA SALON Chillin’〉
www.shisha-chillin.com
時間:11時~14時(商品がなくなるまで)
*雨天の場合は翌日に延期します。

写真は明日出品する予定の本や骨董、古道具などなど。
今、どれを出そうかいろいろ悩んでます。
(非売品も一部あり!ごめんなさい!)
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今、最も革命的な雑誌は、雑誌『プレジデント』だと思う。

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はっきり言って驚いたというか、目を、疑った。経済雑誌プレジデントの毎日新聞に出ていた今月号の特集の目次を見ていて、である。まさか、と、思った。今日、それを買ってきてさらっと読んだのだが、驚きは確信に変わった。もはや時代は変わったのだと。これまで経済雑誌なんかにまるで興味は無かった。マネジメントがどうだとか、マーケットの動向がどうだとか、クソのような情報しか載っていなかったからだ。ところが、今月号の内容を一言で言えば、こうなる。
 
「年収1500万円の家庭より、300万円の家庭の方が幸せだ」
もしくは
「300万円あれば十分幸福に生きていける」
という、内容だ。

それを捕捉するように、冒頭で、モダンな経済成長を前提とした立身出世型の「未来の目標達成型」の幸福観よりも、後期近代における「今、ここにある幸福に気がつく」幸福観が提示され、年収別の幸福にまつわるデータが統計で叩き出される。その結果がこうだ。


年収別「幸せ実感」調査1000人の本音
300万●4割が「毎日家族団らんできている」円満ファミリー
500万●仕事か家庭か悩み多くとも「相談できる人がいる」
800万●働き盛り、教育費がずしりと重くのしかかる
1000万●同僚と妻に不満、もっと面白い仕事を求める
1500万●2割が「家族と会話なし」、社会貢献がしたい



そしてその後に続くのは……「 コラム▼東大卒独身男が20年続ける「豊かな無職生活」」だとか、「 ▼今の20代はなぜお金がなくても幸せなのか」だとか 「リストラで収入3割減をモノともしなかったワケ 実物公開「300万の家計簿」は最高ハッピー」「フリマ超活用術」「携帯は一家に一台」「 データが語る、なぜか不機嫌な日本人の不思議▼衝撃のデータ! 経済力は世界3位でも、幸福度は先進国最低レベル」「幸福とは、報酬など全然求めていなかった者の所に突然やってくる報酬である アランの幸福論」という記事が続く。これはもう「お金なんか稼がなくてもいいんだよ。立派なモノや家が無くてもいいよ。300万で十分幸福だし、逆に1000万円以上あると不幸だよ」と、言っているようなものだ。(数字は目次だけの印象で、実はちょっと誇張している。幸福度や安心感のインタビューの結果は年収に比例して上がるというデータも掲載されているし、記事をちゃんと読んでいくと年収500万円~800万円が一番不幸ということになる。)

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最初はSPAみたいな内容だなと思った。似たような記事や特集ならすでにそちらで何度もやっているだろう。ところが、これは、かなりお堅い、少なくともサブカルチャーだとかオタクだとかニート、フリーター向けではない、バシっとスーツを着込んで日経新聞を毎朝読むような人々のための雑誌なのだ。そんな「真面目に働けばその分報われるはず」だとか「経済的達成=幸せ」だと信じている人々にむかって、「稼いでも無駄だ」という内容の記事を載せてしまったのである。ついに。この雑誌は。(何度も繰り返すことになるが真剣に働いて正社員を維持して借金して家を買って……と、頑張っている人に「豊かな無職生活」と言ってしまっていいのだろうか? と僕は本気で心配している。だって裏返せば「貧困な正社員生活」なのだし、あなたの努力は報われないと宣言しているのと同じだ)


これはとんでもないことだと思う。革命だと思う。明治時代以降ずっと近代資本主義の精神として傷つくことのなかった立身出世主義、僕らの言葉で言うなら「バビロン」的な考えに対して、ダメ連や素人の乱が主張してきたこと(註1)、つまりハクやウダツといった世間的な経済的達成感にとらわれることの無い、「豊かな無職生活」が、こんな雑誌に、それこそ勝手に載るようになったのだから。知っている人は知っていると思うが、すでにこの国の経済は国民一人あたりのGDPの比較でシンガポールや香港、台湾に追い抜かれている。やがて近いうちに韓国、中国に追い抜かれるだろう。

「アジア経済ランキング」-もうすぐ韓国も日本を追い抜きそう。

日本国民 平均所得291万円! 東京415万円 大阪300万 愛知323万 福岡264万

サラリーマンの平均年収の推移 現在は412万円

 これはもう間違いのない事実だ。平均年収は緩やかに後退し、国民全体では300万円くらいが普通になりつつある。こうなった時にどうお金儲けをするのか?ではなく、いかに限られたお金で幸福に生きるか?と考えること。そうやって思考の根本を切り替えなければいけない時期に来ているのだ。このこと自体、僕は幸福なことだと思う。もう「一億総下流社会」でいいじゃないか。

 ところがところが、まだ、この国が一番でいなければいけないと思い込んでいる人々、そう、思い込みたい人々がいる。残念ながらそれは時代遅れの妄想にすぎない。韓国にも中国にも負けたくない人々。しかし、なぜ中国や韓国と競争しないといけないのだろう? (アメリカはどこにいった?) 経済的な競争に負けると奴隷になるから と、そういった人々は答えるだろう。金=権力であり、それは武力でもあると。しかし、経済的に貧しい国が豊かな国の属国に必ずなるというのはあまりにも無理がある。それに幸福を、つまり安心と達成感を経済力と武力という物差しでしか測れないのもおかしい。

 そういったマイナスの感情を抱きやすい人々のことをこの特集では「近代化によって主流化した達成型の幸福」に苦しめられている、時代に適応できないかわいそうな人々と指摘している。ちょっと引用してみよう。「実際今の日本社会は、「負の感情」にあふれた社会である。格差や現実の理不尽に対する怒り、その半面で「うまくやっている人」への嫉妬、経済危機に起因する将来への不安や非観、様々な「負の感情」が巷にはあふれている。欲求が満たされないことへのストレスと、どこへ向けていいのかわからない怒り、先々への不安などの負の感情が充満する社会、それが今日の日本の姿と言えるだろう

 コメント表を見てみよう。

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 こういった型の時代遅れとなった幸福病を病んでいる人々が嫉妬心から韓国や中国をけなすのだろう。そもそもほとんど誰も行ったことの無いようなちっぽけな島の領有権が僕らの具体的な幸福とどう関係しているというのだろう? この特集ではアランの言葉が載せられている。「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである」と。そろそろ日本が一番強くなくては滅ぼされるというネチネチした妄想にとらわれた人々に「そんな島どうでもいいじゃん」と言える強い意志を持ってもらいたいものだ。そんなメディアの中にしかないどうでもいいイメージ(国家だとか国境だとか国力だとか)ばかりに囚われて今ここにある幸福に気が付けない生き方は明らかに不幸だし、時代遅れだ。








徹底分析!お金に困らない生き方・暮らし方
年収300万父さんは、なぜ幸せなのか


目次

徹底分析!お金に困らない生き方・暮らし方
年収300万父さんは、なぜ幸せなのか

「悩み、後悔、不安」から解放される思考テクニック●奈良雅弘
最新心理学が解明!
頭の中にひそむ「幸せ泥棒」撃退法
▼ブータンにあって日本にはない、「幸せの方程式」とは
▼怒り、嫉妬、悲観……負の感情が生まれやすい人
▼「達成型の幸福」と「遍在型の幸福」の違い
▼タイプ別診断付き!「幸福を感じやすくなる」練習帖
希望とは、人間の義務である
――生きる力をもらえる三賢人の金言

●鎌田 實
「アランの幸福論」笑うからしあわせなのだ

●白取春彦
「ニーチェの言葉」自分自身の主人たれ!

●齋藤 孝
「宮沢賢治の想い」かなしみもみんなおぼしめし
五木寛之 「不信の時代」に響く親鸞の教え

●山田昌弘
年収別「幸せ実感」調査1000人の本音
300万●4割が「毎日家族団らんできている」円満ファミリー
500万●仕事か家庭か悩み多くとも「相談できる人がいる」
800万●働き盛り、教育費がずしりと重くのしかかる
1000万●同僚と妻に不満、もっと面白い仕事を求める
1500万●2割が「家族と会話なし」、社会貢献がしたい

●山崎寿人
コラム▼東大卒独身男が20年続ける「豊かな無職生活」

未婚女性の理想は600万円だが、意外な勝ち組が……●白河桃子
年収300万で結婚できる男、捨てられる男

●白河桃子
コラム▼なぜ年収800万の「Mart主婦」家計は破綻しやすいか

●藤屋伸二
▼もしも、ドラッカーが年収3万ドルだったら

「リストラで収入3割減」をモノともしなかったワケ●北見久美子
実物公開「300万の家計簿」は最高ハッピー
コラム▼「手取り800万貯金ゼロ」vs「300万で貯金1000万間近」お財布比べ

●花輪陽子・俊行
▼夫の出番!
妻が見落とす暮らしの「ムダ・ムリ・ムラ」両断法

●伊藤博之
データが語る、なぜか不機嫌な日本人の不思議
▼衝撃のデータ! 経済力は世界3位でも、幸福度は先進国最低レベル

●古市憲寿
▼今の20代はなぜお金がなくても幸せなのか





 
(註1)だめ連宣言 神長恒一

ほとんど語られることがないように思うのですが、実は私たちの人生において、「ダメな奴にはなりたくない」とか「ハクをつけたい」といった判断が、最初の1歩として大きくあるのではないでしょうか?

 私はここをラジカルにとらえかえしたい。

 例えば就職です。

 どうして人は就職するのでしょうか? それはもちろん正社員になったほうが制度上いろいろ都合のよいことが多い(ナンセンス!)という問題とリンクして、「就職すると決めているから就職する」ということが大きいと思えるのです。

 就職すると決めているから就職する。つまり30すぎて仕事もせずに毎日ブラブラしているというような人生は、最初から選択肢のうちに入っていないということです。

 しかしそのことを、どうしてそうなんだろうとよくよく考えてみると、やはり「ダメな人だとの烙印を押されたくない」ということが大きいように思います。確かに就職しないで生きることと悲惨な人生がセットになって語られることがたいへん多い気がしますが、現実はそうとも限りません。

 仮に就職するとしても、就職すると決めているから就職するのではなく、就職する人生、しない人生どっちも選びうるというなかから就職を選ぶ、という方が面白い(誤解がないように言っときますが、私は就職したらダメと言っているのではありません)。

 これはもちろん、就職に限らず、他のことにもあてはまると思います。

 実は「ハク」や「うだつ」といったものが私たちの人生を大きく限定していて、私たちは想像力や実験精神というものを失いつつあるのではないでしょうか? 「他人と同じ生き方」や「人より優秀な自分」なんて人生ではあまりに寂しすぎるというものです。

 たった1回きりの人生なのですから、「身捨つるほどの祖国」もなければうだつもありません。ハクを捨てて、当たり前だと思い込んでいることを疑ってみる。そんな生き方からこそ何かが起こりうるのではないでしょうか。



バンカラ青春グラフィティ  ~馬鹿騒ぎの系譜学

9月24日の夕方18時より、高円寺にある古本酒場コクテイルさんの二階で下記のタイトルで講演します!!コクテイルさんが主催する北中大学の授業の一つです。お暇な人はぜひ遊びに来てください。旧制高校の青春譜と僕の寮体験や素人の乱について様々な資料を駆使してトークする予定です。



「バンカラ青春グラフィティ~馬鹿騒ぎの系譜学・曽祖父、祖父、父たちの、シュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒濤)~」


過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい  森山大道
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 青春を騒ぎ続ける学生達の姿を辿って、古ぼけた胸騒ぎと馬鹿騒ぎを訪ねる旅に出よう。埃の積もったアルバムや古書の隙間に閉じ込められた哄笑と咆哮を蘇生しよう。それぞれの時代の言葉や音楽、ファッションやスタイル、思想や意味は次々と変化していく。それでも、変わらないために変わり続けなければならないもの。同じであるために変化し続けなければならないものがある。明治時代の壮士や書生、そして大正、昭和の旧制高校の学生達。運動会やストライキ。ふんどし一丁になって鍋や釜をたたいてデカンショ節や寮歌を歌って騒ぎ出す、各種ストーム。まずい食事を出す当番を懲らしめる賄征伐。質屋通いや悪所通い。下宿や自治寮。寮雨。コンパやトリンケン。文化祭。戦後民主化のデモ。安保闘争や全共闘世代を経巡り、現代の素人の乱までを辿る。


[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=8C1hfVqi_4o:movie[/youtube]


9月24日土曜日 午後5時半開場 6時開演。
お代 500円+ワンドリンク
会場@コクテイル書房 二階
東京都杉並区高円寺北3-8-13 (「藪そば」と「理容サムソン」のあいだ)
古本酒場コクテイルHP
http://koenji-cocktail.com/



参考文献(予定)

小説
『一読三歎 当世書生気質』坪内逍遥
『梶井基次郎全集』梶井基次郎
『悪い仲間』安岡章太郎
『学生時代』久米正雄
『どくとるマンボウ青春記』北杜夫
『ムツゴロウの青春記』畑正則
『青葉繁れる』井上やすし
『ノルウェイの森』村上春樹
『69』村上龍
『優しいサヨクのための喜遊曲』島田雅彦

回想記、ドキュメンタリーや研究所書
『旧制高校飯炊き青春譜』水野潤一
『あんそろじい旧制高校1~4』あんそろじい旧制高校編纂委員会
『写真集 旧制四高青春譜』「写真集・旧制四高青春譜」編集委員会
『青春風土記 旧制高校物語』週刊朝日編集部
『旧制高校物語』秦 郁彦
『六稜外史 旧制高等学校物語6』田中民人・森田義明
『六稜回想』
『一億人の昭和史〈日本人 6〉三代の若者たち』
『不良・ヒーロー・左傾 教育と逸脱の社会学』稲垣 恭子、竹内 洋
『シャリバリ 民衆文化の修辞学』蔵持不三也
『祭と叛乱』イヴ・マリ ベルセ
『回想の東大駒場寮 戦後日本を創りあげたエリートたち』高橋健而老
『近代「書生気質」の変遷史 日本文学に描かれた学生像』八本木浄



ラジオに赤い疑惑のアクセル長尾さんゲストで登場!

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今週日曜の素人の乱ラジオ、RLLの「かくめい生活研究所」のゲストは、3年ぶりの新作『俺たちは日本で生きている』を発表したばかりの「赤い疑惑」からアクセル長尾さんがやってきます!!もしかしたら他のメンバーも参加してくれるかも!!聞き方は夜十時になったら下記のHPへ行くだけ!

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=ozB7OYG6yro[/youtube]

素人の乱公式HP
http://trio4.nobody.jp/keita/

赤い疑惑HP
http://www.akai-giwaku.com/



騒ぐ者は騒げ、おれは青空。

あまりにも大成功してしまった「4/10高円寺原発いらないデモ!!」の余波を受けて「商店街迷惑問題」と「暴行事件」という二つのバックラッシュが起きているが、すでに主催者はこの二つの問題の解決と調停のために粛々と動き出している。近いうちに公式HPに素人の乱・松本哉の手による告知が出る予定だ。こんな書き出しからデモ後のブログを書きたくはなかったのだが、もう、お腹いっぱいでどうしようもないというくらいの、大量の、あのデモの興奮や驚き、喜び、そして感動は、人々それぞれがそれぞれの言葉で語っているし、写真や動画もたくさんUPされている。できるだけたくさんの言葉と映像に目を通して欲しい。あの日、あの場所で、何が、起こっていたのか? 人々が何を感じ、そして、震えていたのかを、知って欲しい。

あえて挙げるなら、

ラッパーRumiのデモ前のつぶやきとデモのフリースタイル
「様子見とか誰の様子見てんだよ。あたしは4月10日の原発やめろデモで歌うよ。左翼?右翼?知らね、あたしは翼なんか持ってない。放射線物質にまみれた日常なんて最低。何世代にも渡って最低。海も空気も国境はない。デモ?嫌いだよ。仕事への影響?あるかもね。友人の反応?冷たいよ。それでもやるよ」
けんりけんりけんりけん!!をひっくり返してけんりんけんりけんりけんり!!!

3分30秒からのRUMIのパフォーマンスがヤバすぎる!!!
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=BCk4A3P_N6U[/youtube]
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=l_el-0ioMX8[/youtube]
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=RjbaTKJ21VA[/youtube]
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=uPN2kJn2WgE[/youtube]
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=4ZL3e4WbT7s[/youtube]

そして、松沢呉一さんのブログを。
「歌と言葉と行動と」
http://www.pot.co.jp/matsukuro/20110412_151152493923205.html

僕は大学生の時に経験したある一晩から、デモにとり憑かれている。正確にはデモというよりも、サウンドデモなんだけれど。寝ても覚めてもデモのことばかり考えていることがある。もちろん、クソみたいにつまらないデモもあれば、ヤバすぎるデモもある。デモは人を変え、人はデモを変える。一つとして同じデモなどない。出会い、言葉、緊張、感動、戦慄、暴力、そして、愛。全てが路上と街角にある。デモ隊が三々五々蝟集し、真っ黒な塊となり、サウンドカーから分厚く重苦しいビートが巨大な心臓のように空気を鼓動させ、人垣を突き抜け、震わせ、路上に生まれた新しい生命が動き出す瞬間ほど、神聖な瞬間は、無い。そしてその中で、何度、泣かされ、笑わされ、時に、怒ってきたことか。デモのせいで。いや、デモのおかげで。今でも無数の、過ぎ去ったあのいくつもの瞬間を思い出す。音楽と、ノイズと、シュプレヒコールとともに。アイツらの笑顔や真っ青な顔、真っ赤な顔。そして沈黙。片付けの後のへたばった顔、顔、顔、顔。逮捕者が出た後の会議。最高の瞬間を共有した後の打ち上げ。デモは人々が織り成す複雑なパッチワークが編み上げた、祭日のサーカスと見世物。僕らの文化祭。エベレストよりも高貴な山、マリアナ海溝よりも深い謎と神秘を包み込んだ海。そして強靭な暴力装置に押し込められた、動く監獄。ぱっくりと口を開けた深淵を渡らないデモは無い。動き出した途端、その一瞬、一瞬に、イチかバチか、常に何かを賭けている、完全無比のギャンブル。多分、僕は、エリザベス女王が「私は国家と結婚している」と言った意味において、「サウンドデモと結婚している」のだ。だからこそ僕はこの伴侶が誹謗中傷に遭うと、あっという間に自分を見失ってしまう。ヒステリックになり、すぐに鬱になる。時間がドロドロに溶け出し、僕はその中にズブズブと沈んでいく。こんなにもすばらしいものにケチをつけるやつらは、全員ド近眼のキチガイだと思い、殺してやるくらいの罵詈雑言をありったけぶつけ、その後でなぜこの楽しさが伝わらないのだろうと嘆き、非力な自分を呪って死にたくなる。デモが大きくなればなるほど、この矛盾は大きくなる。今回はかなり落ち込んだ。だけど、松沢さんのブログを読んで、かなり立ち直ることができた。ようやく、「青空」が見えてきた。そんな心境のタイトルは、このエピソードから採った。これが今の心境だ。

http://2ndkyotoism.blog101.fc2.com/?mode=m&no=150
中谷孝雄や梶井基次郎の同人誌は初め、名前を「鴉」に決めようとしていたらしく、それは京都時代に彼らがよく通ったカフェ「RAVEN」の名前にちなんででした。加えて、エドガー・アラン・ポーに同名の詩があったことも理由の一つだったとか。

ところが実際、中谷の部屋に同人が集まって決める段になると、なかなかまとまりません。部屋の中には煙草の煙が渦巻いていました。

そんな時、平林英子が部屋の空気を入れ換えようと、窓を開き、そのまましばらく空を眺めていたかと思うと、中谷を呼んで「青空という名前はどうですか、武者小路先生の詩に——騒ぐ者は騒げ、おれは青空、というのがありますが」と耳打ちします。中谷の眼に見えた10月の空は、美しく哀しいまでに晴れ上がっていたのです。

この、平林英子の意見が夫の中谷を通じて間接的に採用され、同人誌『青空』は誕生したのでした。

410_1 410_2 410_3 410_4 410_5 410_6 410_7 410_8 410_9 [youtube]http://www.youtube.com/watch?v=fkvlw0JEySI[/youtube]


今夜のDOMMUNEもチェックしてね! <4/14木・前半>19時「緊急配信!TALKING about DEMO!」出演:鈴木孝弥(アナキスト)、園良太、松本哉(素人の乱)、毛利嘉孝、JUZU aka MOOCHY、二木信、野田努、三田格 予約は→http://p.tl/4o3p



左翼でもプロ市民でもない君が、反原発運動を始めるには?

ここに引用する文章は、今から21年前、1990年に出た本からだ。その本のタイトルは「NO NUKES! YES ROCK!」この序文のタイトルは、「生き残る!」だ。

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「生き残る!」

まったくとんでもない時代にブチ当たっちまったもんだぜ。こんな、狂気のような、核と原子力の正体を知ってしまってからというもの、どんなスゲエ映画を見ても、どんなにカッコいい音楽を聞いても、もはや以前のようには胸が踊らないし、血も騒がない。夢中になんかなれなくなっちまった・・・・・。何も面白くねえ!

心のどこかでいつもビビってるからだろう、すべてが終わる日を。巨大な火柱が立ちのぼり、黒い雨が降り、犬や猫が狂い、街中に悲しみがあふれ、歯茎から血を流し、紫色の斑点にまみれて大事な人が苦しみながら死んでいく日が来ることを。

ちくしょう!なんという世の中だ!いったいどうして俺たちはこんな思いをしなければいけないんだ?どうして苦痛と恐怖を強制されるんだろう?おれたちのまったく関係しないところで準備され、造られ、ガードされている原発。誰も望みやしないのに。そこに存在しているんだ・・・・ カネも力もねえおれたちには、とても変えようのねえ現実。

できることなら忘れ去り、知らんぷりして一生メデタク暮らしたい。だけど、そんなことはいまさら無理な相談というもの。自分の心に嘘はつけない。いくら目をそむけてみたって、この現実はおれたちの前から消え去ってくれたりはしねえんだもんな。それならば、いっそのこと正々堂々と正面を向いて、目の前のバケモノと戦っていこう、そのほうがよっぽど精神衛生上もマシだぜ! そういう考えの仲間のためにおれたちはこの本を書いた。
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「NO NUKES! YES ROCK!」より

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この本は、反核、反戦のアクションを起こすためにロック・ファン(特にパンクス)5人が集まってできた小さなグループの、反核運動マニュアルだ。行き詰った左翼セクトや、ダサい市民グループ(プロ市民?)の運動とは無縁の若い5人が、「ワープロ、パソコン、FAX、カセット、コピーマシン、NTT、電気」という身の回りにあふれるガジェットを使って、原発と戦うためのノウハウ(もちろん、非暴力で!)を、これでもかと、たっぷり詰め込んだのだ。

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その内容を簡単に紹介すれば・・・・  公衆電話の説明書や、路上の標識を落書きでイジくり、反核メッセージへと変えてしまう、アドバスター的手法。まるであのバンクシーを20年も先取りするかのように、街中に反原発の宣伝を撒き散らす、グラフィティやステンシルの爆弾を作り出すノウハウ。ワープロや縮小コピーを駆使して作り出す、ミニコミやフリーペーパー。カセットにラジオ番組のように、自分の好きな音楽とともに、反核のメッセージを吹き込み、友人に手渡す、ミックステープ。デモ申請や、横断幕、プラカード、メッセージTシャツの作り方。今となっては懐かしい?NTTのパソコン通信や、伝言ダイヤルを利用してのネットワーキング。反核ロックフェスの企画方法や、原発企業へのボイコットなどなどだ。

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何よりこの本に共感できるのは、少人数の気の合う仲間が数人いればいいってメッセージだ。どれだけの左翼や市民グループがクソな内ゲバや権力争いで運動を潰してきたかは、歴史をちょっと振り返ればすぐわかる。党やデカイ組織なんていらない。

「個人がいて、小さなグループがあって、アクションを支える心があれば、それで強力に戦っていける。どこかで誰かが何かを始める。それが共感できるものならば、それをみんなで徹底的にバックアップする。ふだんは知らない人でもいい。戦うときはみんな仲間だ。集会や大会なんかくだらない。デカイ団体に入っても理屈や人間関係に追いまくられてしまってどんどん疲れがたまっていく。戦う前に倒れてしまう。これじゃなんにも意味が無い」

「オレたちはまったくの新世代だ。いつもはやつら(権力)の目には見えない。必要なときだけ現れて、思いっきりパンチを食らわしたら、すぐにまたフッと姿を消してしまう。次には背後に現れる。あるいは小さくたくさんに分かれてグルっと取り巻いて動けなくする。組織じゃできないやり方さ。個人や小グループはこうやって戦う。さあ、小さなグループや個人的な仲間を作ろうぜ。そして、自由な行動を始めよう。自分たちの思いつくままに素直に動こうという態度が大事さ。そして、もちろんほかの人の言葉に共感できるような心も忘れるんじゃないよ。小グループのメンバーは人数としては3、4人がいいな。最初はそれで十分だと思う。あとは自然にやっていけばいい。続けるやつは続けるし、やめるやつはやめていくだろうから。」

「とにかく、仲間を作りな。ひとりでいるより絶対マシだって。世の中、狭いようでいてけっこう広いぜ。探してみればあんたみたいなヘンな仲間?がきっと見つかるハズなんだから。」

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運動のコツは楽しむこと。無理をしないこと。背負いすぎないこと。状況は最高にシリアス。だけど、それを笑い飛ばして、少しずつ、一歩一歩前に進めればいい。「明日、世界が滅ぼうとも、今日、私は、リンゴの木を植える」ルターの言葉だ。



革命の本質は戦争ではない。宴会である。

革命の本質は被抑圧者たちが支配者に向かって、怒りと悲しみを暴力でお返しすることでは決してない。それは、支配者によって与えられた怒りや、憎しみ や、悲しみを、その何十倍の喜びと笑いで奪い返す試みだ。つまり、その本質は戦争ではなく、宴会であり、祭りなのだ。イルコモンズさんのここ二週間にわた るエジプト革命に関するすばらしいブログを読んでいるとその意味がよくわかる。

meme
▼「革命のミーム」
http://illcomm.exblog.jp/12830189/

▼[エジプト革命] 「続・革命のミーム」
http://illcomm.exblog.jp/12847038/

負の感情を負の感情で埋め合わせようというネガティブなループが何度、革命を滅ぼしてきただろう?目には目を。歯には歯を。白色テロル。内ゲ バ。絶対的正義。革命的暴力。反革命的暴力。反反革命的暴力。反反反革命的暴力…もうたくさんだ!同じ「目」など一つとして存在しないのに、そ れを贖うことなどできるのだろうか?私有制から発生し、意識の奥底まで蝕む、この習慣。暴力を貨幣や数字のように量り、取引し、交易すること。戦争さえ経 済的な交換であり、外交の一手段であるように、革命が「交換」に堕することを避けなければならない。革命は一方的な贈与でしかない。エジプトの革命が笑い とユーモアを忘れず、交換可能な革命に堕ちないことを、極東から祈る。



最後に、1968年、フランス5月革命の壁の落書きの言葉を。エジプト革命の映像に挟んで贈ろう。


☆愛すればするほど革命がしたくなり、革命すればするほど愛したくなる。
EgyptanR01


☆働かないものは決して倦怠しない。
☆ここでは、みんなが自発する。

EgyptanR02


☆詩は街中にあり。
☆今、ここで、楽しめ!

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=JvNXWk7JCkU[/youtube]



☆政治は路上から!
☆舗石の一投は投票箱への1000票に勝る。

urn:newsml:dpa.com:20090101:110204-11-11425



☆自由とはすべての犯罪を内に含む犯罪である。それは、われわれの絶対の武器である。
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=CZjPjgwVvjc[/youtube]



☆美しいか?おそらくは否。しかし何と魅力的だろう?生き延びることに対抗する生は。(生きることは生き残ることではない。それは、生き尽くすことである。しかし、ドゥルーズがその著書で語ったように、「消尽」することはとてつもなく難しい。)
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=sCbpiOpLwFg[/youtube]



☆自由とはわれわれが有していた財産ではない。それは、法律、規則、偏見、無知etc…によってわれわれが所有することを妨げられていた財産である
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=3xWiBCIxjIk[/youtube]



☆快楽に対する留保は、留保なしに生きる快楽をそそる。
EgyptanR05


☆大げさにやること。それこそが武器である。
EgyptanR06


☆無礼な振る舞いは革命の新兵器である。
EgyptanR07


☆私有があるから、戦争が、暴動が、不正がある。
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=sCbpiOpLwFg[/youtube]



懐かしさ、以上の、何か。日本地理風俗大系 昭和5年、全18巻より。

鉛筆で磨き上げたような海士(海女)の肌。ペニスの先にわらしべを巻いただけで漁をする漁師。アイヌの刺青と、剛毛。馬賊の襲撃から身を守るために拳銃を構える和服の婦人たち。台湾の霧社。横たわったまま、阿片をくゆらす男。まるでRPGに出てきそうな朝鮮の老人。乳房を丸出しにして石炭車を押す女。古い写真に宿るのは、懐かしさ以上の、何かだと、思う。かって日本だったもの、かって日本人だった人。今は、もう、無い、国と人々の、イメージ。 日本人の境界、日本の境界の、揺らぎと震え。



青蛙会(怪談会)への招待状

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「速達!」

三月三日の午(ひる)ごろに、一通の速達郵便がわたしの家の玄関に投げ込まれた。

拝啓。春雪霏々(ひひ)、このゆうべに一会なかるべけんやと存じ候。万障を排して、本日午後五時頃より御参会くだされ度(たく)、ほかにも五、六名の同席者あるべくと存じ候。但し例の俳句会には無之(これなく)候。
まずは右御案内まで、早々、不一(ふいつ)。


三月三日朝
青蛙堂主人


と、突然の速達から、なにやら趣味人が集う怪しい会に誘われ、集った人々が怪談を語りだす、岡本綺堂の『青蛙堂鬼談』にちなんで、「青蛙会」という怪談会を10月22日(金)20:00〜より、カフェ百日紅(http://medamadou.egoism.jp/hyakujitukou/) で開催します。予約不要・入場無料ですが、ワンドリンクオーダーをお願いします。参加者は僕を含むゴシック研究会のメンバーや、いつもお世話になってい る、文芸評論家にして小説家の高原英理先生をお招きして、一人15分程度で一話か二話ずつ、順に怪談を語るという形式です。もちろん、聞くだけのご参加も 歓迎です。

怪談の内容はできるだけ他で聞けないような話が望ましいですが、厳密な実話に限定はしません。真偽はわからないがどっかで読んだ聞いた話、よく できているがあまり知られていない話の紹介、著名怪談伝承の考証、あるいは知られた都市伝説にちなむエピソード・ヴァリエーション等でもかまいません。ま た既に他で何度か披露してきた持ち話でもけっこうです。

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註  写真は昭和8年の「上方怪談会」の告知や、怪談特集の挿絵です。この天王寺南門は超願寺で行われた怪談会、円山応挙の幽霊画や、多数の妖怪 画変化錦絵など200点の資料を陳列したり、「粉飾実演」といって、三遊亭しん蔵が幽霊のコスプレをするのを見せたり、記念品までもらえたりと、いやは や、実に参加してみたかったイベントです。

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なんとかフェスがやってくる!!

なんとか
プレ・イベント「なんとかフェスがやってくる!!」

8月8日(日)高円寺ドムスタジオ内 Gスタジオ
午後7時オープン7時半開始!10時終了
入場料 カンパ500円以上

進行:
松本哉(素人の乱)、二木信(音楽ライター)

トーク:
しゅう(肉屋)、ペペ長谷川(あかね)、イルコモンズ(大バカ芸術家)、小椋&はーぴー(ヤバスタ音頭を考える会)、ナリタ(IRA)

特別ゲスト:
ジローさん?

上映:
「なんとかフェスtheムービー」(チラ見せ)、「¡YA BASTA!音頭」振り付けビデオ

DJ:
なんとかフェスDJ陣(仮)

ライブ:
L.B.P. (仮)

FOOD :
メタルBBQ一皿200円! ドリンク(アルコール)も200円! なんとかフードもあり

なんとかフェスグッヅも先行販売予定!!

最高な場所で最高なヤツらと最高な音楽とメシをほとんどタダで楽しんじゃう。そりゃ最高のパーティーだ!! ってことで始まった前回の「なんとか フェス」。フリーペーパー「TOKYOなんとか」に集まったオルタナティブなスペースと、そこを動かすブッ飛んだヤツらやその友達が集まって、音楽もメシ も食事も寝る場所もトイレも、とりあえずやれることはてめーらで全部作って、最高なパーティーをやろうじゃん! って騒ぎ出した。場所は長野駅から一駅の 安茂里駅から徒歩20分、奇矯なリサイクルショップ店主ジローさん提供の、ジローズ・スモーキー・ビッグマウンテン。前回のスローガンは「NO SPECTATORS!! SURVIVE&ALIVE!」ボケっと見てるんじゃねーよ。何にも無いから何かやんなきゃ! 金は出さなくていいから、手で も口でも出して何か作って分け合うんだ! あんた自身のやり方で。時と場所と智恵はたっぷりある。ってことでブっとんだお祭り騒ぎをやらかしたってわけ。 そんな最高のパーティーが今年、さらにパワーアップしてやってくる。今年のテーマは「サマーパニック」さあさあ、今年はいったいどんなとんでもないバンド やDJ、イベントがやってくるのか!? 新しいタイヤステージとはどんなステージなんだ? ついにその全貌が明らかになる! 映画『なんとかフェス the ムービー』も一部上映予定(DVD買ってくれ)! BBQもドリンクも200円均一だ! あのジローさんも参加する!かも。とにかくもう来るしかない!



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