RLLの繊維業界的戦略
なんだか何か書かなくては、と思い、溜めてたharukaさんからのファションバトンでも。
といっても僕は、お洒落の脱構築しちまったんで一般に望まれる回答になりそうもない。
なんでRLLのデザイナーとしての観点からでも記入しようか。
(1)好きなブランド よく行くお店は?
これは狙っているブランディングにしましょう。
RLLは戦略的にTシャツを選択しました、そういった意味ではクラブキングのこれに近い。でも僕らの狙いとは少し違います。
Tシャツというのはレコジャケ同様に、表現であって表現でないカンバスです。つまりアーティストや有名デザイナーのそれの様な、完成された表現がそぐわない。様式美でもなく自意識でもない独特のシズルがある。
なぜなら、リアル・クローズであるユニフォーム(労働着)からの流れであるストリート・アイテムだからです。ハイ・ファッション(服飾芸術)の世界のデザイナーもTシャツを理解出来ない、大抵トンチンカンなことをします。モードの世界は表現を前提にして成立したのに対し、いわゆるカジュアルといわれる服は元々労働着である。
ですからTシャツを表現作品とはしないで、日常の中で愛着を持って着れなくてはいけない。重過ぎないリアルスタイルであることが大事なのです。
参考にしているのは、鋭い方ならお解りだと思いますが「STUSSY」あたりのベタな海外SK8ブランド。国内のスタイルがシーズン刻みなのに比べ廃れづらい、そして徹底的にストリートから離れないのが理由。(個人的には「SOPH.」のマッシブの3Dスタイル服飾パクリも面白いとは思いますが憧憬が過ぎるかな。)
そして、多くのバンドTシャツ。それらロックの最大公約数を濃縮還元した「HYSTERIC GLAMOUR」のスタイルも影響が大きい。デザイナー北村さんの個人的ロック・スタディーを見るような歴史の流れがあるのです。(ちなみに北村さんをロックDJとしても尊敬してます☆)「NUMBERNINE」とか「LAD MUSICIAN」は個人的には剽窃に見えてしまうのです。
共通しているのは「サーフ/スケート」カルチャーや「ロック/音楽」文化が背後にあること。そのバック・グラウンドが、リアル感であったりストリート感を醸し出し、シズルTシャツたらしめていると感じるのは考え過ぎではないでしょう。Tシャツには現場感が絶対に必要だ、という個人的な確信からもね。
で、その背後にある文化を「哲学現代思想/人文社会科学/政治社会運動/革命文化芸術」に入れ替える。Tシャツがそれら現場の労働着だと再規定することで、立ち上がってくるリアリティーをRLLは獲得しているはず。そこが凡庸な共産趣味やNGOチャリティーのTシャツとは違う。つまりカルチャー・ジャミングなのです。
RLLは、政治=生活で日常に思い想うことをリアル・クローズする(wearable ideas)。
(2)ヘビロテな服/アクセサリーは?
白いTシャツ
RLLにとって白TEEは裏原系を擬態するための戦略的選択だった。故に初期デザインには白が多い。あと出来不出来があまり変わらないこともあるかな。
といっても裏原系ブランドの最初期も技術的に貧しかったので(ジョニオが手刷り!)白が多かったということで、RLLとそれほど理由は変わらないかもね。
(3)勝負服は?
「YAMA Attack to Attack」とか?
乗せるテーマがハードだとシャレをなかなか効かせられない。
その場合は徹底的にカッコよくさせる方向で、デザインを気合い入れます。
個人的にはこれから発表予定のフーコーTシャツはかなり!
(4)参考にしてるもの(おしゃれだなと思う人)はありますか?
ベタにビースティーの3人とか古いか?
センス良くってすっげーお洒落な人は何人か知ってます。
でも世間の人に届く位のセンスに下ろして作ってます。
(5)秋冬に狙っているものは?
Tシャツはオフシーズンなんでリメンバー・シアトル1999のオルタネイト・バージョンでも。
(6)これは失敗したなあと思うのは?
刷りミスは散々あります。ミスったやつは安くお譲りするかRLLクルーが見本として着用してます。
バトンはRLLクルーの二人にでも!
- Intellipunk
- By intellipunk / Jan 07, 2006 1:24 pm