個人的覚悟の撹書
以前どこかで読んだブルーハーブのBOSSのインタビューが心に残っていた。最初のブレイクのきっかけとなった盤を出したとき、メンバーが一人30万を消費者金融から借り、それを元手に背水の陣でレコーディングをしたという。根性論に感心したり借金の大きさに価値を見つけたりはしないが、僕はなるほどとその意図にしっくりきたのだ。テンションの高いあの密室性の音と緻密な言葉を聴けば頷ける話だ。
それで僕も今回Tシャツ作りを遊びではないつもりで、大した額ではないが自腹を切ってシルクスクリーン機材をあらかた買いそろえた。大学4年間をシルクのゼミで過ごした僕は、アートとデザインの境界彷徨う自分にとって双方を繋ぐアートフォームとして孔版を気に入っていた。9年ぶりにシルク機材を持ち、久々に制作の意味性を実感し始めた。
貧乏人大反乱集団の松本氏が素人の乱というリサイクルショップを始めたのも大きい。革命家としての青年実業家業という離れ業に頭がパチンと弾けた感覚をおぼえた。人と意味を交信してゆくこと、イキイキと人生を楽しむこと、安易な経済的自立ではなく世界と社会に自律してゆくこと。
さてはてどうなるのか分からないが、人生を楽しみ始めた様に感じる。
- Intellipunk
- By intellipunk / Jun 07, 2005 2:57 am