夏休みの絵日記「窓の外の風景」
たのしい夏休みがはじまりました。朝起きるとまず窓を開けます。去年の夏休みを一緒に過ごした黒猫りきゅうがまだ寝ているのを確認するとボクも二度寝をします。猫は食うために働かないから尊敬しています。勝手に弟子入りしています。師匠がどこかに姿を消す頃にボクも本格的に起きだします。猫は移動するタイミングを知っています。気持ちのよい微睡みの時間を惜しみつつ一日がはじまります。
ベランダに目を向けると去年と同じ光景が繰り広げられていることに気づきます。鳥の糞かと思ってたものが山椒の葉の上でもぞもぞ動き出しました。グロテスクな芋虫が幾度かの「変態行為」の末に美しい蝶々になることにロマンを感じてしまいます。
昨日の汚い糞が奇麗な緑の妖精に。しかし二匹を養う余裕はうちの山椒にはありません。アゲハ蝶の幼虫が山椒の葉一枚を食べる速度を計ってみたのですが、1分とかかりませんでした。すごい食欲です。厳選なオーディションの上、主役一匹に絞りました。
ベランダ劇場の主役、緑の妖精が行方不明。おそらく鳥に食べられて本当に鳥の糞になってしまったのでしょう。その糞からまた新しい生命が生まれてくるでしょうから、何も心を痛める必要はありません。主役が入れ替わり続けるのが生命劇場です。今夜は満月を捕獲しました。時間の経過とともに逃げられてしまいました。
蓮の花が咲きました。友人からのメールで今日が平岡正明さんの命日であることを知りました。あれからもう一年か。平岡さんの本と蓮の花を交互に見ながらジャズとコーヒーをパートナーに一日を過ごしました。
蓮の花が散りました。美しいものの儚さを思い知りました。美しい花ビラが風で吹き飛んだ後には、複数のおっぱいが残りました。さすがアジア文化圏において、心の浄化を表す特別な意味を持つ花。
- HarpoBucho
- By harpobucho / Jul 14, 2010 6:06 am