朝のつぶやき集4
隣の未亡人3部作。棲家の維持のために労働しているんだよなー。
隣の未亡人 2010年04月28日08:29
引越しの挨拶に行ったときからボクはずっと隣の奥さんのことが気になっていた。表札には奥さんの名前しか書いておらず、どうやら旦那はいないらしい。未亡人だと思う。なぜそう思うかというとそう思ったほうがドキドキするからだ。
特にここ数日はずっと隣の奥さんのことを考えていて、もう想いはあふれんばかりだ。彼女の電話番号まで調べてしまった。いくらお隣さんだからといって夜分にいきなり訪問するのはまずいだろう。とりあえず電話で想いを伝えることにしたのだった。
電話に出た奥さんは、ビックリしつつも隣のアパートに住んでいるボクの存在を認識しているようだった。ボクは思い切って告白することに決めた。
「あのー更新料のことですけど、ホントにお金がないのです・・・・」
つづく
続・隣の未亡人 2010年04月30日08:56
2年間に渡り毎月かなりの額を隣の奥さんに振り込んできた。引っ越した直後から隣の奥さんとは特別な関係に陥り、ずるずると今に至っているわけだが、ここにきて今月は一ヶ月分余計にちょうだい、なんて言い出してきたのだ。もう我慢できない。ボクは受話器を握り締め、隣の奥さんに職場のある上野から仕事の昼休み中に電話をかけてみた。距離をおいて今後のボクらの関係について冷静に話しあうために。
「あの・・・・更新料のことですけど、ホントにお金がないのです・・・・」 困惑した声色を精一杯演じながらボクは続けた。「分割で払うとか、そういうことってできないものでしょうかねえ・・・・」
ある友人が教えてくれたことなのだが、お金がないことをアピールしながら分割でどうでしょう?なんていうオルタナティヴな提案をすると、「まあ、こういうご時世ですからねえ」というマジックワードが出てきて更新料がチャラになるパターンがある、と。
この戦術は「更新料なんてそもそも払う義務はない!」とか「庭付き一軒家でゴールデンレトリバーを飼っているような金持ちに貧乏人のボクがそんな額の金を払う合理的かつ倫理的な理由を説明せよ!」とかいう好戦的な態度を取りたくない穏健派のボクには適していると思われた。
後悔はすぐにやってきた。受話器の向こうから聞こえてきた言葉にボクはかたまった。
「いいですよ。じゃあ、分割でお願いしますね。」
「あ、ハイ・・・・」
つづく
続・続・隣の未亡人 2010年05月07日08:36
隣の奥さんとの関係はついに泥沼裁判へ。
そして裁判官(不動産屋のおばちゃん)の判決は13ヶ月分割の刑!
最初の判決は分割6ヵ月だったんだけど、1ヶ月に1万円も払えません、とみずから刑の延長を求め、毎月5千円、通常の家賃に上乗せして払うことに。
毎月千円の刑にしてもらって、大家さんを馬鹿馬鹿しい気持ちにさせようという作戦もあったのだが、困惑した不動産屋のお姉ちゃんの背後からやってきたプロフェッショナルなおばちゃん(裁判官)の話術にさらっととかわされてしまったであった。無念。
だが、まだ勝ち目はある。更新料の支払い先が不動産屋の口座から直接、隣の奥さんの口座になったのである。隣の奥さんとの直接交渉(なんかやらしい)に持ち込めたのはチャンスである。
隣の奥さんとの深い関係はいま始まったばかりだ。
進展(実は未亡人じゃなかった!とか)があればつづく
- HarpoBucho
- By harpobucho / May 14, 2010 8:32 am