ハッピーバースデーシャカ
2010年04月08日08:55
失敗して物をダメにする事を「おしゃかになる」と表現するが、これは灌仏会に因むものである。江戸の鍛冶職人の隠語として、あぶり過ぎて鈍ってダメにしてしまった金物に対して、江戸っ子訛りで「しがつよかった(火が強かった)」→「四月八日だ」→釈迦の誕生日、というつながりで成立したとされる。
と博学披露と見せかけて実はウィキペディアからのコピペなわけだが、朝の忙しいときなのでお釈迦さまも許してくれるだろう。ハッピーバースデイシャカ。旧暦の4月8日はガウタマ・シッダールタの誕生日である。あぶり過ぎると「人間やめますか」になるというのは実は釈迦の有難い教えだったのである。
このように駄洒落によって物事を思考していく方法は類化性能と呼ばれる古代感覚である。江戸を掘ると中世が発見され、中世を掘ると古代に辿り着き、そこをさらに掘ると「今」に戻ってくるわけだ。歴史を思考することは常に「なう」なのである。そんな壮大なグルグループの中で路上を思索しながら歩くのは本当に楽しい。
今日の昼休みはいつもの散歩コース、「乞胸」と呼ばれた辻芸人の居住区を繋いた乞胸ロードとボクが名付けている下谷山崎町から松葉町(今の地名だと東上野から合羽橋方面)を釈迦の誕生を祝いつつ歩こう。写真のような遊芸人に出会えるかもね。
写真の坊さんは実は短期の物乞い。灌仏会の頃、釈迦の誕生像を持ち歩いて、道を行く人に甘茶をかけさせて銭を取っていた。江戸時代の「遊芸人図屏風」の内より。
ただいま物乞いカルチャーを研究中。
物乞い文化はとてつもなく豊かだよ!
といった内容を朝書きなぐって職場に行って待ち遠しい昼休み。松葉町をすたすた抜けて浅草寺まで遠出。やってました釈迦誕生日会。甘茶をいただき、お釈迦さまの頭にも甘茶をぶっかける。賽銭箱が何箇所もあり、景気良く何度も小銭を投げてしまう。
お釈迦様に物乞いされては仕方ない。
- HarpoBucho
- By harpobucho / Apr 09, 2010 12:16 am