ガーナ、ベニン、パナマ
雨の音で目が覚めて、テレビをつけると南米チリでマグニチュード8.8の大地震のニュース。その影響で北海道から沖縄にかけての広い範囲に津波警報が発令されたとテレビは言う。
日本から最も遠い場所で起きたことが、迫り来る危機として多大なる影響を受けるということに不謹慎ながらも妙な感動を覚えてしまい、遠い国の音楽をむしょーに聴きたくなったのだった。
ガーナの黒光りするディープ・ファンク、ベニンの呪術的なアフロ・サイケ・グルーヴ、パナマのトロピカル・カリプソ・ファンクを通しで聴く。素晴らしい。なぜこんな贅沢な体験ができるかというと、レア・グルーヴ・ハンターと呼ばれる発掘師たちが奮闘してくれたおかげ。ほとんど狂気に近い情熱を持った欧米の数寄者たちが珍しきものを求めてちまなこで探してくれるので、ボクらはこうして植民地主義の残り香を嗅ぎながらもラクして世界中の音楽が楽しめるのであります。
Ghana Special: Modern Highlife, Afro-Sounds & Ghanaian Blues 1968-81
この写真を観るだけでファンキーな音が聴こえてくる。黒豹がかっこいい。
アフロ女性のとろけた顔芸が素敵。
これの発掘者はアフロビートの伝道師、フェラ・クティ研究家でもあるマイルス・クラレットさん。イギリスの発掘屋「サウンドウェイ・レコーズ」からのブツ。
Legends Of Benin
この絵から音を想像してください。
これをゾマホンの母国ベニン(ベナン)から掘ってきたのはサミー・ベン・レジェブさん。ドイツの発掘屋「アナログ・アフリカ」からのブツ。
Panama! Latin, Calypso & Funk On The Isthmus 1965-75
Panama! 2: Latin, Calypso & Funk On The Isthmus 1967-77
ボクの生活の中でパナマという国の存在のことをすっかり忘れていたんだけど、興味の対象として急浮上。植民地時代にアフリカから連行された黒人とパナマ運河建設大工事のために移住したカリブ海の移民のミクスチャー感にやられる。パナマでしか自主流通してないレアものをラテン音楽研究家に掘りに行かせ、それをコンパイルしたのがまたまたサウンドウェイのマイルス・クラレットさん。いい仕事してる。
- HarpoBucho
- By harpobucho / Feb 28, 2010 12:58 pm