どぜうで狂う(労働日記)
昼ごはんを食べてから午後の仕事にずっと身が入らず、それどころか、イライラが止まらず、それが表情や言動にでそうで非常に困ったのだった(いや、漏れていたかもしれない)。いまもイライラがなかなか収まらないのでしょーがなくブログを書くことによって沈静させようと試みているわけだが、さて理由はなんだろうか。
普段と変らない仕事の風景だった。みんながそれぞれの演技をしているいつもの劇場の中でボクだけがひとり役から醒めてしまったのだ。まーそこから見える世界の醜いこと。バッド・ヴァイブレーションが充満していて息苦しくなった。
原因は昼休みにあった。職場から少し歩くともうそこは浅草六区周辺で永井荷風先生も頻繁に通っていたどぜう料理の老舗、飯田屋で失業生活満喫中の茶飲み仲間と食事をした。いい時間を過ごして1時間の昼休みを終え職場に戻ると、あれ?いまどんな役柄だっけ?あれ?次の台詞なんだっけ?やばい、台本どっかいった!と完全に素に戻ってしまったのである。
自分の素ってものがなんなのか実はよくわからないのだが、仕事用のボクではなく、どちらかというと「ハーポ部長」という道楽用の役職に近づいてしまったということだろう。あーあぶない。
仕事中はうっすら醒めながらも、バビロン資本主義の酔いのなかに自らを埋没させてなきゃいけないのに、気心の知れた友と老舗の心地よい歓待がボクのチューニングをすっかり狂わせてしまった。まあ、これが所詮素人俳優の演技力である。原因が判明したら不思議とイライラはなくなった。何があってもブレない演技力を身につけようと、下谷山崎町の乞胸頭に誓うのであった。
- HarpoBucho
- By harpobucho / Feb 17, 2010 8:26 am