平岡正明主演『俗物図鑑』上映
山城新伍とその時代
12月5日の『俗物図鑑』上映後17:30から内藤誠監督と杉作J太郎のトークショーが気になります。いったいどんな話が飛び出すのでしょう。
学生時代は内藤誠監督の授業をとっていて、「あの『不良番長シリーズ』の監督にボクはいま映画を教わっているぞ!」と妙な感動を覚えたものです。出演者のひとり四方田さんの「68年の映画」をテーマにした授業もとっていて、そこでゴダール(特に『中国女』!)や大島渚やパゾリーニに触れてなければ今のような「政治的趣味」を持っていなかったでしょう。
主演の平岡正明さんに至っては、一緒にお仕事(お遊び?)するという好運にも恵まれ、気がつくと『俗物図鑑』の偉大な出演者たち、上杉清文さんや末井昭さんらに混じって平岡さんの追悼イベントの舞台の上に立っているという学生時代の自分に自慢したい展開になっているわけで、人生ってのは何があるかわからないですね。
この映画、実は平岡さんと山城さんの出番は多くないんだけど、嘔吐物を評論する夜の街での二人の絡みは最高です。
公開:1982年
監督:内藤誠
主演:平岡正明、巻上公一、南伸坊、入江若葉、山本晋也、四方田犬彦、大林宣彦、栗林由美子、伊藤幸子、田口トモロヲ
筒井康隆の同名小説の映画化。「梁山泊プロ」に巣くう”横領”や”出歯亀”、”性病”など変な分野の評論家たちが、一般人の良識を逆撫でしつつマスコミで活躍する様を描く。評論家を徹底的に風刺した作品に、平岡正明を始め上杉清文、四方田犬彦、石上三登志、末井昭など出版関係者が多数出演しているところがミソ。山城新伍が演じるのは反吐評論家・片桐。文芸評論家(四方田犬彦)の批判に理路整然と反論し相手をやりこめる様は、臨機応変で頭が切れた山城本人を彷彿とさせる。
- HarpoBucho
- By harpobucho / Nov 12, 2009 9:45 am