背後からの視線
ハローワークは長期失業者にとっては精神安定剤だ。特に用事がなくても、そこに行けばなんかシューカツした気になって不安定な心も落ち着くってもんだ。まあ、何もしないのもなんなんでパソコンで求人検索でもしてみるのだが、退屈でいつもウトウトしてしまう。これは精神安定剤の副作用だろう。
背中に気配を感じる。人目が気になりはじめたらやばい。失業者を見下す社会の冷たい目。でもここは失業者たちが集う「無能な者たちの共同体」ではないか? みんな仲間ではないか!
今日、着ているTシャツに原因があった。
http://www.rll.jp/hood/tee/rll10_azenbo.php
背中にはこんな詩が書いてあったのすっかり忘れてた。
添田唖蝉坊「ああ金の世」
http://www.ne.jp/asahi/anarchy/anarchy/data/soeda01.html
オフィス労働者だったときはワイシャツの下にこれを仕込み、残業を強いる上司に対して密やかな抵抗をしていたもんだが、必死に職にありつこうとしてる人々が集うハローワークに着ていく服ではないな。失敬。
だがポスト・フォーディズム体制下の「心を亡くした」忙しい労働者にとってはオススメの下着。これが一着でも売れるとボクは「宣伝」という労働をしたことになるわけだ。
ああ金の世や。
- HarpoBucho
- By harpobucho / Oct 21, 2009 3:07 am