ぶらぶら失業日記
移動(ぶらぶら歩き)の実践を通じて、地球全土で起こっている新しい運動にと出会い、学び、コミュニケートし、共に歌い叫び、それらの間の団結のネットワークを組織し、同時にそれを記述していく。それがアナキスト地理学の作業。
某月某日
失業保険の手続きをしにハローワークへ。満室。3時間待たされる。おかげで読書が進む。『ベーシック・インカム入門』読了。
某月某日
ハローワークのキャリアアッププログラムに応募。ボクの担当者はKさん。40台くらいの男性。少し疲れている。それなのにボクに適した求人を探してきてくれたり、応募書類のアドバイスをしてくれたりする。ありがたい。でもなんか管理されている気分。
某月某日
正社員になるぞ!プログラムのセミナーに参加。午前中は「面接対策」。午後は「求人票の読み方」。1分間で的確に話せるためのトレーニングとして隣の人と組んでアドリブ対決をするはめに。朝起きてからここにくるまでを1分間で話せ、というお題。時間の編集力が試される。話をした相手に「完璧ですね」と褒められる。オチが時間ぴったりにオチたからか。同じセミナー室に昨晩、気流舎で会ったと思われる人を発見するが人違いを恐れて声かけられず。セミナー続きで息苦しくなったので休憩時間に歌舞伎町徘徊。昼キャバの醍醐味について風俗紹介所のお兄さんに熱く語られる。そうか、定額給付金か。
某月某日
失業保険をもらうための説明会に参加。ビデオを見せられる。失業保険について女性が親切に説明している。が、不正受給の話題になると急に不穏な音楽が鳴り始め、強面のおじさん登場。「不正受給は絶対に見つかります!」とカメラ目線で渇。
某日某日
いきいきと働く人の姿に学びたい、と思い横浜にラ・マシンの巨大クモを見に。寒い雨のなか動き出すまでに2時間近く待つ。メカ芸術集団ラ・マシンと、クレーン車を提供している日本の建設会社のコラボな風景が美しい。ドレッドのフランス人と土方のおっちゃんの共同作業に労働の美しい部分を見る。野毛をぶらぶら歩き。ダウンビートに行こうとしたが開いてない。
某日某日
ハローワークで求人票ディグり。勤め人としてやりたいことなんてないので、なるべく穴場なレア求人を物色。大不況のためレア物件にも応募者多数。すごい倍率。ある専門学校のスクールカウンセラー(要は入学を迷っている人に心理学を悪用して説得させる役)に応募しようと紹介状を発行してもらう。その足でその専門学校に入学希望者を装って、これから自分がやるであろう仕事見学。大変そうなのでやめる。
某日某日
今日もハローワークで求人票ディグり。そんな毎日いい職もあるわけなく、早々とベローチェで安いコーヒーを飲みながらの読書に変更。隣の外国人のチェス盤に駒並べてメモをとってる姿がやたらかっこよい。しばらくすると彼の友人がやってきてゲーム開始。ルールぜんぜん知らないんだけど勝敗が気になってゲームが終わるまでいたら3時間経過する。また読書が進む。高祖さんの『新しいアナキズムの系譜』読了。こんな本ばかり読んでいると就職できないのではないかと不安になる。もーやんカレーのバイキングでお腹いっぱいになり、新宿の雑踏をぶらぶら歩いていたら不安なんて忘れる。
某日某日
マイミクJUNQUOさんとフランス人福太郎さんに墨田区を案内してもらう。廃校になった木下川小学校のなかにある「産業・教育資料室きねがわ」訪問。ここ木下川は全国でも屈指の皮革産業の街で、そのためこの小学校では同和教育が非常に進んでいたらしい。いわれなき差別との戦い的なシリアスさはもちろんあるのだが、みんなで皮を使って太鼓を作りました!的な明るくクリエイティブな取り組みなどが紹介されていて楽しい。発想が奇抜な子供達の作文を読むのも楽しい。ぶらぶら自転車をこぎながら、歩きながら、労働についていろいろ考える。荒川の流れを見ながら人生の流れ方について思いを馳せる。
某日某日
息抜き。ペペさんと平昼ズ族活動。和田堀公園のボクの定番コースをぶらぶら散歩してたら、ヤクルトスワローズの帽子をかぶった文盲(本人が言ってた)のおじいちゃんにつかまる。半分以上何を言っているのかわからないが、マスコミや政治の批判をよどみなくしゃべる。面倒なので聞き流していると「そこんとこどうなんだい? ダンナさん」とはっきりとした口調で意見を求めてくるから油断ならない。日が落ちるまでトークして平昼の同志としての絆を深める。志ん生の言葉をリー・ペリーがミックスしたような話し方が印象的。
某日某日
日本一のアイドルグループの草食系メンバーが裸で逮捕される。裸で悪くないと思う。息苦しい世の中に対する猛抗議か。ダダカンの再来か。公然わいせつで捕まったはずなのに家宅捜索なんてやりすぎ。当局はいったい何が出てくるのを期待していたのか。失敗に寛容な社会であって欲しいと願う。昨日、気流舎で著者の方から直接購入した幻冬舎新書『大麻入門』読了。 過去に『ナチュラル・マインド』のアンドリュー・ワイル博士が日本の法廷で証言していた事実を知り驚く。
- HarpoBucho
- By harpobucho / Apr 24, 2009 1:11 pm