ありえない景色
ありえない景色が好きだ。たまらなく。
いつもありえない景色を探して街を歩いたり、自転車を漕いだり。ここだけの話だが、ボクがデモに参加する理由は単にありえない景色にありつきたいだけであり、政治的なイデオロギーとはあまり関係なかったり、でもやっぱりあったり。秩序が崩れる光景を眺めるのが好きというなんちゃってアナキズム。
今日、遅めの通勤で青梅街道を自転車で走っていたら、新宿付近でありえない景色に出会った。それは出会いたくないありえない景色だった。イタリアンレストランの巨大な看板が落下し、女性がぺしゃんこになっていた。目を背けて、ペダルの回転をあげた。
渋谷では温泉施設が大爆発。テレビで観たが、まったくありえない景色だった。「あ~極楽、極楽」って湯に浸かったらドカーンと・・・・まったく洒落にならない。ボクは病的な洒落ストなんで、冗談や洒落にならないことが苦手でしょーがない。真面目に「ご冥福をお祈りします」と言うしかない。
そんなのはボクが好きな「ありえない景色」に認めないぞ。ヴィリリオが言うように、技術文明は常に新しい事故を発明するんだ。ひとつの技術の発明はひとつの事故の発明に等しいわけで、今日のふたつのありえない景色は全然ありえる景色ってわけだ。
23時歌舞伎町を自転車で走りながら帰路を急ぐ。が、このあたりは「ありえない景色」の宝庫なので、いつも自転車の速度を最低レベルまで落とす。今日も収穫あり。こーゆーのだよ、ボクが求めているのは。
完全にビキニ状態の褐色肌の美形ギャルがメイドの恰好をして歩いている。裸に近い露出ギャルだけど、なぜかコンセプトはメイド。それを見て、だらしなく寝転がっていたホームレスのおじさんがムクっと起き上がる。ギャルメイドとは反対側からは、力士が歩いてくる。有名なのか無名なのかわからないけど、巨体、髷、浴衣という完全な記号として人の目には映る。力士とくっついて歩いているのがなぜかアフリカ人。アメリカ人かもしれないけど、直感でアフリカ人。そのアフリカ人が物凄い勢いで力士に質問をあびせかけてる様子。ホームレスのおじさんの目を完全に奪ったギャルメイドと、その力士と黒人がすれ違った瞬間、なんと!
特に何も起こらなかったわけだけど、あの空気には何かビビっときたよ。
ありえない景色。
そこでしか吸えない空気。
「ありえない景色」ファンは注目!
下北沢路上解放戦線
RLLも何かやる予定。お楽しみに。
- HarpoBucho
- By harpobucho / Jun 20, 2007 3:42 am