気違い部落 in 宇宙 後編
人類学や民俗学に興味を持ったのだから、きだみのるのように愛車ドブネズミ号で全国を駆け、地方の農村をフィールドワークしなくてはと思ったわけだ。でも、ボクは車を運転しない主義(単なる車買えない階級って気もするが)なので、自転車のビアンキ号で行ける距離じゃないときついなあ、と思ってたわけだ。
そんなとき、マイミクの宇宙ヤングさんから、こんな話を聞いた。四谷にある宇宙村がヤバいYO!そんなわけで愛車ビアンキ号で行くことにした。ちょうど仕事の帰り道だった。
宇宙村
http://www.uchumura.co.jp/
UFOやオカルトで有名なたま出版と同じビルの1階に「気違い部落」を発見。店自体がひとつの宇宙を形成している。なんだかヤヴァイブスを感じる。うさんくさい隕石群、意味不明な巨大なオブジェや仏像っぽい何かたち、ピストルなど無数のガタクタおもちゃたち・・・・壁には村長である景山八郎さんがユリ・ゲラーと何かコラボしている写真や、隕石を発見したときの村長の脳波のグラフなどが張ってある。店の奥にはリー・ペリーのような風貌のおっさんが夕方のニュースを観ている。おっ!村長発見!さっそく話しかける。
ボク「凄い量ですねー、これ全部値段付いてるのですか?」
村長「値段は付けてない。値段を付けると泥棒に持っていかれる。欲しいものがあったら、言いなさい」
命令形だった。さすが村長である。あんな巨大で意味不明なオブジェや大仏、何百万って書いてあっても誰も持っていかないよ!っと心の中で突っ込みながらも、ある男のことを考えていた。みうらじゅんである。MJ、この仏像絶対好きだな、だってbirdにとてもよく似ているんだもん。
MJが今ピンチである。文化系男子&女子の間ではテッパンだった、MJにいま批判が集中している。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=15460663&comm_id=1000&page=all
さすがのMJでも、実存のかかった性はネタにならないようだ。これからのMJの言動に注目してみよう。ネタで返すのかどうか。とりあえず「エロスとタナトスは誠実に」という標語を自分のために作ってみた。話を戻そう。
宇宙村の村長は確かに狂っている部類だろう。でも、そんなに悪い狂い方ではないと思う。正常な異常だと思う。というか、ありきたりな電波系の話である。一番たちが悪いのは、正常なふりをした異常だ。気を付けなければいけないのは、お茶の間で気味の悪い笑顔を振り撒くスピリチュアル・カウンセラーや、ボクらの街を住みにくくしている、これまた露骨に笑顔が不気味な障子チンコや、あなたの会社で重いノルマをサディスティックにかせるあの上司たちだ。彼らは、わざわざフィールドワークに行かなくても出会ってしまうテレビや会社の中にいる身近な人たちだ。だから危険。
ある人はこう言った。
「人間はだれでも気違いだが、人の運命というのは、この気違いと宇宙とを結びつけようとする努力の生活でなかったら、なんの価値があるだろう。」
誰の言葉だっただろう。寺山修司が何かの本で引用していたのは覚えているが、その本のタイトルも発言者も忘れた。宇宙に向かって無限定に狂えば、それは芸術になるかもしれない(実際なるのは少ないが)。
ボクの好きな宇宙のイメージは、稲垣足穂の耽美的なアヌスから出発し、蟻の戸渡りで平岡正明の下品なキンタマを経由して、勃起したジョージ・クリントンのP-FUNK(Pって確かペニスのPでしょ?)から射精された数億ものファンクの精神がデトロイトの地下で星座群を形成する・・・みたいなそんな宇宙が好き。ナチュラル・レゲエ@グラスルーツの宇宙宏氏の低テンションなトースティングも好き。。
で、窪塚くんだけど、彼はいったいどんな宇宙に向かっているのだろう?最近のブリトニー・スピアーズもそうだ。ノーパンで人前に現れたり、衝動的に自らバリカンで頭を剃ってしまったり・・・
現代の気違い部落は、それぞれの宇宙の中にある。
- HarpoBucho
- By harpobucho / Feb 19, 2007 4:13 am