まくらで眠る。
まあ、当たり前ですね。
でも違うんですよお。
ボクのいってるまくらってのは落語の冒頭のトーク部分。
みうらじゅんが何かの本で寝る前に落語を聴いているというのを読んで、ボクもみうらじゅんのような素敵な大人になりたくて、実行してる。
もっぱら、志ん生だ。布団の中に潜ってるときには、志ん生の声が一番、気持ちいい。気持ちよすぎて、まくらの部分でもう寝てしまう。だから全然落語の噺を覚えられないし、サゲまでたどり着くことはまずない。もし、最後まで聴けたとしたら、それはボクにとっていい落語ではない。
覚醒と睡眠のゆらゆらした間で、志ん生の声が脳内でダビーに響く。まくらから噺の本筋に突入する瞬間は、まるでレゲエのサウンドシステムにおけるベースラインの入り方に似ていて、ゾクっとくる。あとはもう、志ん生の声は、プリンス・ファーライのような呪文系トースティングにしか聴こえない。これがボクにとって最高に気持ちいい子守歌なのだ。だからボクにとって落語は素面で聴く伝統芸じゃない。完全にトリップ話芸。落語DUB。
- HarpoBucho
- By harpobucho / Dec 16, 2005 2:25 pm