肋骨レコード
NO MUSIC NO LIFE!なんて脳天気にいえない時代もあったことは忘れてはいけない。この日本では、戦事中「敵性音楽」としてジャズなどの外国の音楽が禁止された。そして今でも一部のイスラム圏では、隠れて西洋音楽を聴かなければいけない。もし好きな音楽を聴くと、即逮捕投獄されちまうとしたら、きみはそれでも聴き続けられるだろうか?
1950年代スターリン支配下のソ連では、西側の音楽が禁止されていた。しかし第二次世界大戦に参戦した若い兵士たちは、戦場だったヨーロッパでスウィングジャズやディキシーランドジャズ、タンゴやシャンソンと出会っていた。一度音楽に魅了された若者たちは戦後、当局が認めた労働歌や民謡やクラシックだけで我慢できるはずもなかった。その厳しい思想統制の下で、スターリンの演説を作る為に開発されたカッティングマシーンを使って、西側のジャズやロックンロールや流行歌を密輸入しコピーレコードを作る人々が現れた。頭がい骨や肋骨が写り込んだ使用済みのレントゲンフィルムに溝を彫って丸く切り抜いたソノシートの海賊版は「肋骨レコード」と呼ばれた。そしてアンダーグラウンドにプレスリーやサッチモ、グレンミラーやベサ・メ・ムーチョなどの禁止された音楽が刻み込まれたレコードは何百万枚も流通していった。56年のフルシチョフによるスターリン批判によって統制が緩くなるまで、ハードコアなミュージックフリーク達は、したたかに密やかに音楽を楽しんだ。シベリア送りになっても、街角でコートの下にレコードを隠しながら音楽を売ることを止めないハスラーがいた。危険を冒してまでも手に入れてダンスパーティ楽しんだ、音の歓びを止めない若者たちがいた。
音楽を聴くのに命がけなんてありえないってやつは、このTシャツを着るのはやめてくれ。そう、この「肋骨レコード」Tシャツは、音楽に命がけだった先人をレコードするために作られた。音楽を聴く自由に感謝し、音楽を愛する人に着てほしいTシャツです!リスペクト!