赤P-remix
足立正生監督35年ぶりの新作『幽閉者(テロリスト)』公開記念『赤軍-PFLP・世界戦争宣言 remix by 赤瀬川原平』Tシャツ。
「プロパガンダの最高の形態は武装闘争である。武装闘争は武器という、抑圧された人民の言葉そのものである」 (『赤軍-PFLP・世界戦争宣言』)
この過ぎ去った革命のヴィンテージスタイルのアジテーションは、決して過去の遺物としての破損から来る吃り(ドモリ)ではないのだ。三島由紀夫が『金閣寺』で描いたように、それはかって存在した言葉と世界の関係の不具だ。しかし、三島が吃りを「世界と自己」という「外界と内面」を繋ぐ鍵の腐敗と捉え、この遅れ揺らいだ不確定な残響を「鮮度の落ちた現実」「半ば腐臭を放つ現実」としか捉えることができなかった限界を、僕らは超えていく。
なぜならば「吃る」という複製行為は、音楽の「DUB」にあたるからだ。DUBは、キング・タビーらによって発見され進化したリミックスの元祖。ひとつの曲を解体再構築して別の曲を作り上げるという手法において、それまでの音楽概念を革命的に覆した。ベンヤミンが『複製技術時代の芸術作品』において唱えたアウラの減少と消滅をあざ笑うかのように、意図的なズレを伴った反響と反復こそがオリジナルな差異へと行き着く。「吃り=DUB」で現実は引き裂かれ、かき混ぜられ、削り取られ、世界の鍵を鍵独自の世界へと変わっていく、まさに革命的反革命的行為の革命なのだ。
平岡正明が「左翼記録映画や運動一般の映画ではなく、革命の御用映画だ!」と絶賛した映画『赤軍-PFLP・世界戦争宣言』(通称-赤P)。その『赤P』映画ポスターの作者である赤瀬川原平が71年公開当時、リー”スクラッチ”ペリーのように「吃り」で『赤赤赤赤赤軍-PPPPFLP赤赤』とセルフ・リミックスしたものだ。今では赤瀬川と言えば「老人力」や「ライカ同盟」でちょっと変わったおじいさんに見えるが、70年代までは過激な前衛芸術家だった。彼が起こしたアクションでは、有名なニセ札裁判やアサヒジャーナル回収事件がある。後者は、赤瀬川がアサヒジャーナルで連載していた櫻画報に「アカイ アカイ アサヒアサヒ」「朝日は赤くなければ朝日じゃない」と書いたところ、櫻画報の包装紙に過ぎないアサヒジャーナルがそれに怒って包装紙の分際で回収してしまった事件。ちなみにニセ札裁判でもニセ札で作られた包装紙が問題となっていることを記しておこう。
今回、足立正生35年ぶりの新作映画を記念して、RLLは今回貴重な「赤P」ドモ/リミックスをBootlegで再発し、包装紙としてTシャツを準備しました。このコットンの包装紙を使ってレアな赤瀬川作品を保護してほしい。もちろん、アナタの身体も権力から保護します。路上で行うパフォーマンスアート等にもぜひこの包装Tシャツを!! 尚、この包装紙もその筋に恫喝される恐れがありますのでご使用の際は十分ご注意ください(既にRLL∞はプチナショに絡まれました)。
ボディの色は白(PPFLPPP)とパープル(赤赤赤赤軍)。remix2作!
- Demo&Protests | Respect
- By intellipunk / Feb 24, 2007 11:26 am