エジプト革命

レヴォリューション・ナウ! 地下大学再開!

昨晩、青春18切符で10時間以上かけて大阪から戻ってきました。西成や鶴橋など自由な雰囲気の土地で10日間ほど羽を伸ばしてきました。2月からずっとひきこもりで羽があることすら忘れていたので、とてもいいリハビリでした。関西の銭湯ってのはいいもんだね。

今夜から地下大学、再開。もちろん今日本で静かに進行している大騒乱(意識や信仰に対する大きな揺れ)についても触れられないわけにはいかないでしょう。平静を装っている人のなかにも大きな揺れがあるはず。いったい何を信じ、どのような心持ちでいるべきか。

こんなときこそ、いろんな人の話を聴いて、身の振りを真剣に考えてみたいものです。

場所は素人の乱12号店

1)3月25日 20時から
「レヴォリューション・ナウ!───千のタハリールへ」
イルコモンズ(文化人類学、映像アクティヴィスト)+木下ちがや(政治学)

2)4月28日 19時から
「ついに帰ってきた〈黒いアテネ〉───その思想史的地殻変動」
佐々木中(理論宗教学、小説家)+平井玄(半径1キロの思想家)  
       
3)5月(日時など未定) 
「タハリール広場からアズハル大学まで───エジプトの人びと」
山本薫(アラブ文学)+本山謙二(南島史、音楽論) 

▶お立ち会いの皆さま、お久しぶりです。

「非正規労働者のための、非正規教員による、非正規大学──地下大学」を再開します。

西山雄二さんを呼んで映像『哲学への権利』を観る会を催したのが2010年の1月、その前ブランクの多い半年も含めて既に2年近く経っています。失職、移動、病気、雇い止め、とプレカリアな人間たちに相応しい非恒常性ですが、再びこうした「アンダーグラウンドな学び」の場が必要な時が来ました。

フリーター運動やオルター・グローバル運動が停滞し、喧しいストリート右翼が現れたこの2年間が「民主党時代」だったのは偶然ではないでしょう。菅直人は「小泉化」したというより、アメリカ戦争追従+新自由主義の遅すぎた「トニー・ブレア化」した。温いNPO型新福祉+ソフト・ネオリベによるギデンス的「第三の道」が有効に見えた時は完全に過ぎたということです。オバマも同じこと。こうして全世界でnext movementが模索されている中に私たちはいます。

チュニジアやエジプトに始まる「アラブ大騒乱」もそのひとつの反応でしょう。もちろんアメリカの操作はある。インテリジェンス機関は「反グロ」の10年間から多くを学んでいる。「富裕なカイロ・アメリカン大学生による欧米志向の運動で、ナセル以来のアラブ主義に対する世代間闘争」という報告もある。しかし、それだけでタハリール広場に100万人も人びとが集まるというのか?

たしかにこういう動きを、表面的なアラブ主義やイスラム主義で説明するのはもはや月並みなクリシェです。だが事実としてチュニジアやエジプトこそ、この地域における新自由主義のモデル国家とされたのがこの10年でした。石油資本とIT資本の諍いを超えて、その底流にオルター・グローバル運動への応答が潜んでいるのは間違いありません。

それとともにマーティン・バナールのいう「黒いアテネ」が逆流してきたのではないか。西欧精神の起源とされるギリシアの社会を造り出したのは、北アフリカやアラブに囲まれたレバント(東地中海圏)だったと捉える思想地理の書き換えの中から、こうした変動を見つめる必要がある。

アラブ、アフリカ、ヨーロッパ、アジアという分割を超える思想史的な含意とオルター・グローバル運動、その両者の絡み合いの中から考えようという3回連続討議です。吉野家の牛鍋丼は280円、地下大学は500円。ワンコインで、大きく深く抉り出す思考と運動が緊急に要請されているのは間違いないでしょう。



麻痺と目眩のスペクタクル

▼革命の瞬間
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=gSUzfEI2Nls&feature=player_embedded[/youtube]

▼[エジプト革命] 中継ブログ 
イルコモンズのふた。
http://illcomm.exblog.jp/

入隠していても革命は気になるものである。いや入隠してるからこそ、内なる身体と外に向かう革命にしか興味がないのかもしれない。なんだかそれは繋がっている気がするのだ。

入院中は談話コーナーにある朝刊でしか情報を摂取してなかったから、退院入隠してから一気にイルコモンズさんのブログやt.j.さんの日記で情報を追っかけた。ハント症候群の症状とはまた別種の喜ばしき目眩がしてきた。

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=UK5lbzFCxJs&feature=player_embedded[/youtube]

レヴォ・フェティッシュ集団RLLという酔狂なUNDOをやっていることあって本来なら、わお!革命だ!と単純に喜んで、革命の細部を愛でているはずが、顔面麻痺で左半分がいつもシリアス顔をキープしているので(女子に左顔のほうが男前だと言われた!)、それもままならない。しかめっ面では革命は楽しめない。「革命とは連日連夜の宴会」というのが敬愛するH&U(平岡正明&上杉清文)の革命理論だから。

RLLブログでは革命的な記事に挟まれ、ボクの遊病日記が浮遊するように掲載されていくことになるが、個人的なことは政治的である、というフェミニズムのスローガンに倣って、個人の病的(やまいてき)なことは政治的である、と言ってみよう。

『<病>のスペクタクル 生権力の政治学』の著者美馬達哉氏は「病とは、自然科学的事実ではなく、特定の社会的文脈のもとで構築されたスペクタクルだ」と主張しているが、まさにそのとおりで、わが顔のレフトサイドの麻痺と目眩に革命の緊張と陶酔のスペクタクルが反映しているのではないかと妄想してみる。こんなふうに何でも楽しんでしまうボクの本当の病は「強迫性道楽症」なのではないかという指摘もある。「享楽」ではなく「道楽」というのがポイントだ。

下記の非常に楽しそうな革命的宴会に行けなさそうなので、わが左顔こそがタハリール広場だ、と負け惜しみで言ってみる。でも、ちょっと(麻痺)顔出せたらいいな。

▼「革命酒場タハリール臨時営業」
[時間] 2011年2月14日(月) だいたい19:00ごろ開店
[場所] 東京・杉並区高円寺「なんとかBAR」
[店番] 松本哉+イルコモンズ

 「毎度おなじみの「なんとかBAR」だが、来たる14日はなかなかすごいことになってしまう。テレビでご存じのとおり、いまエジプトが大変な騒ぎになっている。窮屈な世の中に「冗談じゃねー!」と、大騒動をし始め、いよいよひっくり返ろうという様相になっている。アルジャジーラの報道などを見ていたら、そうとうな騒ぎであることが分かるが、これまた毎度のことで、日本の報道ではあまり報じられていない。これはもったいない!
こういう景気のいい話は、一枚噛んどいて損はないぞ!!
 ってことで、とりあえずエジプトの現地の映像などを見ながら、あーだこーだと応援したり、弾圧しまくるふざけたやつらの文句を言ったり、騒いでしまうしかないね!!!
 …ってことで!スペシャル大パニックゲストにイルコモンズが登場し、映像の解説などを担当!いやいや、これは景気のいい話だ!!!!!!」(松本哉「2月14日は革命酒場タハリール!!」2011年2月9日

Asian Dub Foundation  REVOLUTION – TUNISIA REVOLUTION THE HISTORY OF NOW
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=V1Lyc-IPYnY&feature=player_embedded[/youtube]

Sout Al Horeya صوت الحريه Amir Eid – Hany Adel – Hawary On Guitar & Sherif On Keyboards
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=SJgjIsfPKmE&feature=player_embedded[/youtube]

ハント症候群で最も恐れていたのが聴覚の障害だったのだが、これはまったく問題なし。
革命のサウンドトラックを存分に聴ける。



革命の本質は戦争ではない。宴会である。

革命の本質は被抑圧者たちが支配者に向かって、怒りと悲しみを暴力でお返しすることでは決してない。それは、支配者によって与えられた怒りや、憎しみ や、悲しみを、その何十倍の喜びと笑いで奪い返す試みだ。つまり、その本質は戦争ではなく、宴会であり、祭りなのだ。イルコモンズさんのここ二週間にわた るエジプト革命に関するすばらしいブログを読んでいるとその意味がよくわかる。

meme
▼「革命のミーム」
http://illcomm.exblog.jp/12830189/

▼[エジプト革命] 「続・革命のミーム」
http://illcomm.exblog.jp/12847038/

負の感情を負の感情で埋め合わせようというネガティブなループが何度、革命を滅ぼしてきただろう?目には目を。歯には歯を。白色テロル。内ゲ バ。絶対的正義。革命的暴力。反革命的暴力。反反革命的暴力。反反反革命的暴力…もうたくさんだ!同じ「目」など一つとして存在しないのに、そ れを贖うことなどできるのだろうか?私有制から発生し、意識の奥底まで蝕む、この習慣。暴力を貨幣や数字のように量り、取引し、交易すること。戦争さえ経 済的な交換であり、外交の一手段であるように、革命が「交換」に堕することを避けなければならない。革命は一方的な贈与でしかない。エジプトの革命が笑い とユーモアを忘れず、交換可能な革命に堕ちないことを、極東から祈る。



最後に、1968年、フランス5月革命の壁の落書きの言葉を。エジプト革命の映像に挟んで贈ろう。


☆愛すればするほど革命がしたくなり、革命すればするほど愛したくなる。
EgyptanR01


☆働かないものは決して倦怠しない。
☆ここでは、みんなが自発する。

EgyptanR02


☆詩は街中にあり。
☆今、ここで、楽しめ!

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=JvNXWk7JCkU[/youtube]



☆政治は路上から!
☆舗石の一投は投票箱への1000票に勝る。

urn:newsml:dpa.com:20090101:110204-11-11425



☆自由とはすべての犯罪を内に含む犯罪である。それは、われわれの絶対の武器である。
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=CZjPjgwVvjc[/youtube]



☆美しいか?おそらくは否。しかし何と魅力的だろう?生き延びることに対抗する生は。(生きることは生き残ることではない。それは、生き尽くすことである。しかし、ドゥルーズがその著書で語ったように、「消尽」することはとてつもなく難しい。)
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=sCbpiOpLwFg[/youtube]



☆自由とはわれわれが有していた財産ではない。それは、法律、規則、偏見、無知etc…によってわれわれが所有することを妨げられていた財産である
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=3xWiBCIxjIk[/youtube]



☆快楽に対する留保は、留保なしに生きる快楽をそそる。
EgyptanR05


☆大げさにやること。それこそが武器である。
EgyptanR06


☆無礼な振る舞いは革命の新兵器である。
EgyptanR07


☆私有があるから、戦争が、暴動が、不正がある。
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=sCbpiOpLwFg[/youtube]



TUNISIAとEGYPTとINTERNET(Al Jazeera)

tunisiaegypt
egypt
元ネタ(http://s-ak.buzzfed.com/static/enhanced/terminal01/2011/1/31/13/enhanced-buzz-18806-1296499379-18.jpg)



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