Wearable Ideas RLL

RLL22

remember Seattle 1999


スーダラスタ宣言

スーダラスタ.jpg


スーダラスタは、レゲエをこよなく愛すが、ラスタファリズムを支持しない。ハイレ・セラシエは、とんでもない反動野郎であり、そもそもなんでエチオピアの国王を日本人である我々が崇拝しなければいけないのか。「ああ、諸君、人の人生のなんと短いことか!どうせ生きるなら、王を踏みつけて生きよう。」(シェイクスピア『ヘンリー四世』より)
我々が崇拝するのは、平均(たいらひとし)である。彼こそが我々のジャーである。「だれかを崇拝しすぎると、ほんとうの自由は、得られないんだよ。」(スナフキン『ムーミン谷の仲間たち』より)
でも平均は人間ではない。植木等が演じる表象であり、我々の希望が具象化されたスクリーンの中の光影だ。


スーダラスタは状況主義者である。バビロン=スペクタクル社会(会社)の内部から、スーダラに抵抗する。天性の不真面目さを持って、ゴマをすり、ホラを吹き、ペルークをし、ときには労働を拒否し、遊びながら、新たな状況を構築する。スイスイスーダラスタ、スラスラスイスイスーイと下流社会を成り行きまかせに水平にデリーヴしてみせるが、けっしてそれは受動的態度ではない。あくまで能動的に、だ。映画『ロッカーズ』を見よ、貧乏なくせに余裕感たっぷりの似非ラスタたちが街をギラギラと漂流しているだろう。「オレは歩くカミソリだぜ。近づくと危ないぜ」(ピーター・トッシュ『Stepping Razor』より)
スーダラスタは、街の似非ラスタ=ルードボーイの根拠なき楽勝感を愛する。江原啓之もまだ指摘していないが、平均は、ウェイリング・ウェイラーズ時代のボブ・マーリーにオーラが似ている。


スーダラスタは、ラスタファリズムの転用である。ラスタファリズムはキリスト教の転用である。だからスーダラスタはキリスト教の転用の転用である。グルグルである。またスーダラスタは、仏教の転用である。「分かっちゃいるけど、やめられない」とは浄土真宗の教えである。我々は煩悩具足の凡夫/梵夫(ぼんぶ)なのだ。さらにスーダラスタは、ヒンドゥー教の転用である。「スーダラ」とはサンスクリット語の「シュードラ」、つまりカースト制度の最下層からの革命的転用である。このように既存宗教のおいしいとことだけを剽窃し、自分だけの新しいスーダラ・スピリチュアリズムをつくりだせ。そして誰とも共有せず、自分の心の中でこっそり育てよ。


スーダラスタは、スチャラカンナビストである。「スチャラカ」と「スーダラ」の相性は抜群だ。ラジカル・ガジベリビンバ・システムの宮沢章男によって、この言葉は「スチャダラ」に合成され、3人組のヒップホップクルーによって世に広められた。ラスタがカンナビスを求めるように「スーダラ」は「スチャラカ」を求めるのだ。よって、スーダラスタは、ジャーのガイダンスに従って、ガン・ジャーをスチャラカに肯定し、吸うダラに実践する。ジャー(Jah)の頭文字で繋がるジャパンとジャマイカは、同じ神の草を共有するわけだが、ジャーとはあくまで平均であり、決して皇帝や天皇ではない。


我々のジャー、平均には二人の父がいる。青島幸男と植木徹誠だ。「スーダラ」のコンセプト・メーカー青島幸男の功績は都知事になった瞬間、崩れ落ちたが、植木等の実父、植木徹誠の影響力は、スーダラスタ思想に深く根付いている。若い頃はプロの義太夫語りを目指した蕩児であり、やがて大正デモクラシーの影響でキリスト教の洗礼を受け、社会主義者として労働運動に参加したかと思いきや、一転して僧侶になって部落解放運動に尽力した人物。同様にスーダラスタ思想は、「主義」に縛られない。重要なのは常に現実社会の出来事だからだ。それに対応するためなら、いかなる「主義」をも利用する。原理主義以外なら。スーダラスタ主義というものがあるとすれば、それは原理主義の対極にある。スーダラスタは、潔癖な理論家ではなく、しなやかな実践家である。


スーダラスタの教えで大事なことは、タイミング(JAH GUIDANCE!)にC調(POSITIVE VIBRATION!)に無責任(EVERYTHING’S GONA BE ALRIGHT!)。


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  • By harpobucho / Nov 23, 2005 2:45 pm

スーダラスタ節

スーダラスタ節
(C.J.ハーポ作詞・萩原哲晶作曲)

ちょいと一服のつもりでキメて
いつの間にやらマンチー状態
気がつきゃクラブのソファーでストーン
これじゃ世間にいいわきゃないさ
分かっちゃいるけどやめられない
あソレ
吸い吸いスーダラスタ スラスラ吸い吸い吸い
スーラスーダラスタ スラスラ吸い吸い吸い
吸い吸いスーダラスタ スラスラ吸い吸い吸い
吸い吸いスーダラスタ スーダラスタ吸いー吸いっと

狙った収穫見事に外れ
頭カッときてアムスに直行
気がつきゃ財布はスッカラカンのカーラカラ
梵好きで金持ってる奴ぁないさ
分かっちゃいるけどやめられない
あソレ
吸い吸いスーダラスタ スラスラ吸い吸い吸い
スーラスーダラスタ スラスラ吸い吸い吸い
吸い吸いスーダラスタ スラスラ吸い吸い吸い
吸い吸いスーダラスタ スーダラスタ吸いー吸いっと

一目見た娘にたちまち惚れて
よせばいいのにすぐ刈り取って
捕まえたつもりが逆に捕まった
俺がそんな量持てる訳ぁないさ
分かっちゃいるけどやめられない
あソレ
吸い吸いスーダラスタ スラスラ吸い吸い吸い
スーラスーダラスタ スラスラ吸い吸い吸い
吸い吸いスーダラスタ スラスラ吸い吸い吸い
吸い吸いスーダラスタ スーダラスタ吸いー吸い


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  • By harpobucho / Nov 23, 2005 2:41 pm

“JUZU” @MaZEL 六本木

下記のイベントで急遽RLLのTシャツ販売!こだまさんと共演だ!Tシャツ買ってくれないかなあ〜

“JUZU” @MaZEL 六本木

open/start 22:00
DOOR:¥3500,ADV:¥3500+JUZUオリジナルTシャツ

【DJ】
●JUZU a.k.a MOOCHY(NXS)
●HIKARU(BLAST HEAD)

【LIVE】
●DJ HIDE
●KODAMA AND DUB STATION BAND
●SUARA SANA
●TRIAL PRODUCTION
●SAIDRUM
●fragment

★MAIN FLOORでオリジナルセッションLIVE!!!★
・DJ HIDE×こだま和文
・KODAMA AND DUB STATION BAND×SUARA SANA
・SUARA SANA×TRIAL PRODUCTION
・TRIAL PRODUCTION×SAIDUM

初の試み、LIVEからLIVEを「JUZU」繋!!!
DANCE FLOORでは
JUZU a.k.aMOOCHY,HIKARUの強力タッグで
最高に楽しい一夜になる事必至だ。

更に、当日セッションLIVE CD(映像収録)発売決定!!!
新たな歴史の目撃者になれ!!!

http://club-mazel.com/pc/infomation/access.php

http://www.clubberia.com/eflyer/20051122mazel/index.html
(問) MaZEL 03-5785-1585
東京都港区六本木7−15−30 TSKビルB1F


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  • By intellipunk / Nov 20, 2005 1:06 am

芝浜ロッカーズ

立川志らく落語会、面白かった!「死神」と「芝浜」というキラーチューンにやられた!特に「芝浜」はいいね~。寒い時期の話なんだが、ボクの頭の中ではなぜか暖かいイメージ。登場人物はちょんまげじゃなくて、ドレッドロックスだ。落語ってのは、受け手が妄想で遊ぶ娯楽だ。たとえばこんな感じ。


ンチャ!ンチャ!ンチャ!と裏打ちの出囃子。


キングストンのゲットーに住むドラマーのホースマウス。

腕はいいし人間も悪くないが、ガンジャ狂いで怠け者。

金が入ると片っ端から質入して梵をキメ、仕事もろくにしないから、年中裏店住まいで店賃(たなちん)もずっと滞っているありさま。

今年も師走で、年越しも近いというのに、ホースマウス、相変わらず仕事を十日も休み、ガンジャを吸って食って寝てばかり。

女房の方は今まで我慢に我慢を重ねていたが、さすがにいても立ってもいられなくなり、真夜中に亭主をたたき起こして、このままじゃ年も越せないからスタジオに行ってドラムを叩いてくれとせっつく。

亭主はぶつくさ言って嫌がるが、やり手プロデューサー、ジョー・ギブスに頼み込み、仕事をブッキングするという用意のよさだから文句も言えず、しぶしぶドラムスティックを担ぎ、追い出されるように出かける。

外に出てみると、まだ夜は明けていない。

カカアの奴、時間を間違えて早く起こしゃあがったらしい、ええいめえましいと、ホースマウスはしかたなく、鍵の開いていたスタジオに入り、時間をつぶすことにする。

薄暗いスタジオでぼんやりとガンジャをふかし、便所で糞を垂れる。

手を洗おうと洗面台に手を入れようとした瞬間、白い粉があたり一面に落ちていることに気付く。

上を見上げると、ボロボロのアタッシュケースがあり、指で中をさぐると白い粉の入った袋が何十個も。

コカインだ。これを売り捌けばだいたい四十二両。

さあ、こうなると、太鼓叩きどころではない。

当分は遊んで暮らせると、家にとって返し、あっけにとられる女房の尻をたたいて、極上のガンジャ「Shiva」を買ってこさせ、グレゴリーや、スライや、ロビーや、ダーティー・ハリーや、食いしん坊のジェイコブ・ミラーやら、そこら辺のゴロツキをたくさん集めて、特大サウンドシステムでダンス・パーティ。そのまま酔いつぶれて寝てしまう。

不意に女房が起こすので目を覚ますと、年を越せないからスタジオに行ってくれと言う。

金の卵、コカインあるじゃねえかとしかると、どこにコカインなんかある、おまえさん夢でも見てたんだよ、と、思いがけない言葉。

聞いてみるとずっと寝ていて、昼ごろ突然起きだし、友達を呼んでドンチャン騒ぎをした挙げ句、また酔いつぶれて寝てしまったという。

コカインを拾ったのは夢、大騒ぎは現実というから念がいっている。

今度はさすがにホースマウスも自分が情けなくなり、今日からガンジャはきっぱりやめて仕事に精を出すと、女房に誓う。

それから3年。

すっかり改心して商売に励んだホースマウス。ドラマーの仕事だけじゃ食っていけないと安いバイク一台で始めたレコードの流通業が大当たり。

得意先もつき、金もたまって、今は小さいながらスタジオも構えている。

大晦日、片付けも全部済まして夫婦水入らずという時、女房が見てもらいたいものがあると出したのは紛れもない、あの時のコカイン。

実は亭主が寝た後、思い余って丘の上に住むラスタの賢者、アシュレー・ハイヤー・ハリスに相談に行くと、スタジオから盗んだコカインなど売り捌けば、すぐ足がつき、ジョーが雇っているマフィアに命を狙われる。あと3年もすればダンスホールという新しいジャンルの音楽が流行るので、そのときにコカインは、もっと高い値で捌ける。それまで、どこかに隠しておけ。そして亭主には、とりあえず夢だったの一点張りにしておけという忠告。さすが預言者だ。

おまえさんが好きなガンジャもやめて懸命に働くのを見るにつけ、辛くて申し訳なくて、陰で手を合わせていたと泣く女房。

ついでにおまえさんがバリバリ働けたのは、わたしが塩と間違えて、隠したつもりのコカインを毎日、料理の中に混入させていたためと告白。とんだ粗忽者だ。

「とんでもねえ。おめえが夢にしてくれなかったら、今ごろ、おれの命はなかったかもしれねえし、塩とコカインを間違えてくれなければ、こんなに働き者になれなかった。手を合わせるのはこっちの方だ」

もうおまえさんも大丈夫だからコカインを売り捌いておくれ、そして大好きなガンジャを毎日吸っておくれ、と女房。

ホースマウスは、突然コカインの袋を破き、窓から空高く、投げ捨てた。コカインは雪のように空を舞う。

「日本の大晦日の風景みたいだな。雪見ガンジャとシャレこもうか」

おまえさん、コカインで大儲けするんじゃなかったのかい?

「よそう。……夢心地から醒めるといけねえ」

バビロンビジネスとはおさらばだ。毎日、気持ちよくジャーのガイダンスに従って、自由に楽しく生きていくラスタ。

ガンジャの煙を勢いよく吸い込み、一言。

「やっぱShiva、ウマー!」

※Shiva
●インドア専用
●インディカ
●多いクリスタル
●大きいバッズ
●低い躯体
●アフガンと似た香り
●開花まで8週間
●メローなハイ
●インドア
●小さな温室にお勧め



DJ寄席評

マルボロ内親王が「平岡正明のDJ寄席」の感想を日記で書いてくれました。ありがとう!


平岡さんの話はパッケージされていない、というかされえない。これは本質の問題です。企画者ハーポ部長は、「寄席」の公式の責任者でもありまたパブリシティー上の都合もあるからトピックやタイムテーブルを設定し、それなりの方向付けを試みていたみたいですが(「猛獣使い」と自称していました)、そういったパッケージ的な期待という点では、ほぼ裏切られていたんじゃないんでしょうか、「DJ寄席」?いや、それでいいんです。

平岡さんの語りを形容する言葉なりイメージなりを自分なりに探しましたが、とりあえずいま思いつくのはひとつ、安直だけれど、星座。「宝石箱を撒き散らしたような夜空」なんて表現がありますが、これは同時に平岡さんを形容する表現でもある。まき散らされた星々は、それ自体はもちろん星座ではありません。星座なんてのはその時々の感傷が空に投影されたものであり他にどのようなものでもありえますし同じ星の組み合わせでも名前はどうにでもつけられる。つまりそういうことなんです。

平岡さんの二つの源泉、記憶力と妄想力。それらはもちろん絡み合ってはいますが、さしあたり記憶力が宝石をまき散らし、妄想力がその時々の感興に乗って星座を描き出す、と言ってみます。そしてそれらはシャワーです。星空は、理科の資料集みたいに星座の輪郭だけで構成されているのではなく、まずはシャワーとして、撒き散らされた宝石の錯乱として全身に降り掛かって五感を震撼させ、その震撼からおずおずと星座が浮かび上がってくる。とはいえ平岡正明の星座はおずおずなんてしていないけど。

原初には火だか水だかわからないがとにかく混沌があり、そこから光と闇が分かれ大地と空が分かれ昼と夜が分かれつまり星空の領分が生まれます。とすると平岡正明は、さしずめ毎回混沌から始める、毎度生まれ直す宇宙と言ったところか。その度にぼくらは宇宙の生誕を目撃しまた散らばった宝石の錯乱からそのつどの星座の浮かび上がるのをみる。イメージばかりで書いていますが、しかし平岡正明の照準先を考えるならば、これらのイメージは幾らか正当なのだ。というのも平岡さんは、まぎれもなく原初に宇宙を産出したであろうあの混沌からエネルギーを得、そしてまた星座を通してまさにその地点をこそ名指そうとしているからです。

さしあたりは大地だ。それが平岡さんを黒人的なものへと結びつけます。とりわけジャズ。ジャズにうとい僕は平岡さんがジャズの名において浮かび上がらせる一くさりの星座をちゃんと把握できはしませんが、しかしその星座がなにを希求しているのかはわかる。つまり原初の混沌。それは過去へと回帰してきえてなくなることを願っているのではけっしてありません。つまりジャズの名のもとに浮かび上がるひとつの星座の配置が、そのままあの混沌を直接に指し示す形象となっている。いやはや、それはあまりに直接なので、その配置そのものを混沌と呼んでしまうそんな粗忽者がいたっておかしくはないのだ。

しかもひとつの星座はけっしてまとまりをもった完成体ではありません。平岡正明の星座はクラインのつぼのように、その線をなぞっているうちにいつの間にやら別の星座の中に入り込んでいる。たとえば下町は深川遊郭の世界。「DJ寄席」第一回のオープニングはジャズ揺籃の地ニューオリオンズに襲来したハリケーンカトリーナをめぐるブルースから、海抜0メートルという位相空間を通って直接深川へと僕らを導いていったのでした。ここにはすでに二つにして同時に一つである奇妙な星座が浮かび上がっているのですが、驚くべきことにこのアマルガム的星座は単にジャズにおいて見られた星座よりも、その輪郭をもってさらにいっそう紛れもなくあの混沌を直接に指し示している。いったいどんな魔法が?

もちろんこれは始まりにすぎなかった。たとえばそれら水辺は、ビリー・ホリデイの”I cover the water front”から横浜のウォータフロントへもつながり、その先には山口百恵の菩薩姿が屹立する。そのわきでは座興のように水戸街道甲州街道中山道東海道といった主要街道に遊郭を構えさせる徳川幕府の狡智なんかがほの見えたり黄河と揚子江の中間に居を構える水滸伝梁山泊の姿がほの見える。それらいっそう錯雑とした星座は、相も変わらず驚くことによりいっそうと混沌の輪郭をぴったりと配置している。こりゃ狂っている。

絶えずより錯雑と増殖しつづけその度にぴったりとあの混沌を名指してしまう奇妙な星座群。こんなものはどう考えても手のひらに乗っかるものではなく、せいぜいシャワーとして享楽するしかない。平岡正明の言葉は絶対的マルチメディアなのだ。たしかに踊ってみせてもくれる。歌ってみせてもくれる。口でラッパだって吹いてくれる。しかしそういうマルチメディアじゃないのだ。平岡正明のマルチメディアはあの星座群でありまたその狂気である。その前では視覚も聴覚も消え失せて、つまり星座の蠢きのみ。それが人間の不可触な根源にとどくから、その残響がぼくらの実際の五感を震撼させる。

そんな平岡さんとハーポ部長の組み合わせというのがやはり面白い。ハーポ部長は文字通りのマルチメディア人間。実際のコンテンツならず「感覚比率」をもジョッキーしてさらには混ぜ合わせて、アドホックなマルチメディアを作っていくコンセプトメーカーです。今回の企画ではそういった点で、二種類のマルチメディアの不可能な出会いとしてロマンティックに語ったりもできるかも。ハーポ部長はハーポ部長で、自身のマルチメディア実践に沿った形での「寄席」というものを明らかに構想していて、たぶん音楽流しながら映像流しながらそこに触発されていわば撒き散らされる宝石群を軽やかにジョッキーしちゃいたい、みたいな野望があったんじゃないでしょうか。最後の部分は分からないが、その前の部分までは間違いないと思う。しかしマルチメディアはもろもろのモノメディアをジョッキーするのであって、平岡正明はもとから異様なマルチメディアであった。そして結論から言ってしまうと、やっぱり平岡正明のマルチメディアがハーポ部長のマルチメディアを飲み込んでしまったっていう感はありますね、正直。しょうがないよ、あの宇宙にはどでかい金玉がついてるんだから。

だらだらと書いちゃうんなあ。きりつけないと。

平岡正明には宿命がある、と僕は決めつける。パッケージにならない平岡さんは痕跡を残さない。いやもちろんそれぞれの星座誕生の立会人であるぼくらのもとには残る。しかしやはりそれでも残らない。だってよ、平岡さんの語りの中ではあの奇妙な星座はその配置そのままで混沌を指し示しちゃうんだもの。そして平岡さんは毎度新たに原初の混沌から開始する。ということはつまり、宝石箱を撒き散らしたあと、平岡正明は丁寧にその混沌をもって帰るのだ。だから毎度あらたに、南京玉すだれを広げてみせる香具師のように、狂った星座群をもって混沌を描き出すことができる。そして束の間魅了されたぼくらは、混沌をもはや指し示さない星座の輪郭だけを胸に残される。高速の巻き戻しを見ているかのように、宝石たちは宝石箱のもとへと帰っていき、そして平岡正明はニヤニヤと帰路へつく。

だから平岡正明には宿命があるのだ。つまりそこには思想的嫡子が生まれえない。あれら宝石どもの狂乱はサーカスの喧噪であり、誰のものにもならない。そしてそのこと自体が平岡正明という資格を形作る。サーカスには嫡子はいない。せいぜいその喧噪をくすねる私生児があるばかりだ。そう、だから僕はいまこうやって平岡正明について勝手なことを書いているというわけなんです。つまり平岡さんの星座群からなにがしかを盗んで、こっそり自分なりの星座を形作る。それは僕の中に生まれたある小さな存在の出生証書となる。そいつは平岡正明の私生児なのだ。ついにはあの騒がしい宝石箱から宝石が飛び出し束の間の星座を描き出すことがなくなってそれ自体がひとつの墓標と化してしまうとき、そこで残りうるのはぼくらがそれぞれくすねて作り上げたちっぽけな私生児的星座群だけなのだから、こうやって必死に自分のどこかに跡を残そうとしているのです。そうしてそれら残された平岡宇宙の跡形のない星座群が、まったく似ても似つかぬ別物であるのに、平岡さんの星座群が原初の混沌をそのままに指し示していたように、ぼくらの知らぬところでぼくらの星座群が、平岡正明という存在を直接に指し示す狂った星座を形作るかもしれないと夢想することくらいは許されてもいいんじゃないでしょうか?


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  • By harpobucho / Nov 06, 2005 3:03 pm

抵抗的re-cycle!!

CDが高い!!クソ高い!!レコードが高い!!あまりにも高い!!でかくてがっぽり儲けているイベントほどチケット代が高い!!セキュリティが無駄に厳しい!!水を500円で売るな!!カレーが千円なんてふざけてる!!全部半額にしろ!!レイブやフェスに行く交通費が高い!!なんで気持ちよく音楽を聴くためにこんなに金がかかるのか?ありえない!!ぼったくるな!!利益が出たら全部寄付金にしろ!!音楽業界はしこたま儲けているというのに、消費者やDJという消費的生産者にはそれがまったく還元されない。それどころか、音楽を作ったヤツの取り分が減るからという大嘘をぶちかまして、CCCDなどというふざけたCDを売りつけようとしている。製作者の権利を盾にますますぼったくろうとしている!!なのに「のまネコ」は堂々とぱくってがっぽり儲けやがって!!クソAVEXが!!ふざけるな!!消費者あってのシーンだろうが!!お前らがのまネコをパクるなら、オレ達はお前らの著作権を無断で使用する!!著作権で音楽を囲い込むな!!著作権でがっぽりもうけるための口実に自由や権利、創造という概念を使うな!!
re-cycle!!におけるルール。(仮)

★re-cycle!!においてプレイするDJは、その80パーセント以上を、リサイクルショップで購入された300円以下の中古レコードでプレイしなければならない。また、re-cycle!!ではCDやHDといったアナログレコード以外の音源の使用を禁止する。

★かける楽曲の80パーセント以上は90年代以前の音楽でなければならない。また、同年代、同ジャンルのレコードだけで繋ぐのではなく、常に10年以上の落差と異なったジャンルを繋ぐプレイをすることが望ましい。

★1年以内にre-cycle!!DJ陣選曲による、コンピレーションCDを出す。re-cycle!!の成果は全てこのCDに表現されるだろう。




 第一回買出しとして、11月6日、午後2時に西武池袋線清瀬駅に集合して、そこからタクシーでリサイクルショップにレコードを買いに行きます。ちなみに在庫は1万枚以上あって値段はLP50円、8インチ10円というバカ安い値段です。参加希望者は僕までメールをください!!イベントの日程はまだ未定ですが11月末か12月最初に早稲田あかねで開催予定!!

現在の買出し参加予定DJ

DJ ハーポ部長、インテリパンク、∞、マコッサ、シェンシェイ、オッキー  他にも募集中!!どんどん参加してねー

ってことで音楽の生産、流通という既存の体制に抵抗するためにリサイクルショップで購入した音源だけでを使ってプレイするイベントを始めます!!


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  • By intellipunk / Nov 06, 2005 12:53 pm

STRIKE EVERYWHERE!!

今週土曜にフェラスティン再来日イベントがあり、僕らRLLクルーもブースを出して参戦する。で、その場で新作発表!
前から観たかった天王寺公園の野外カラオケの映像「公園」も観れる!暇な方は遊びに来て下さい!

■STRIKE EVERYWHERE!!(転送大歓迎)

11.5 (土) 13:00-21:00



@新宿NOANOA (新宿区新宿6-10-2 小池ビルB1)
http://www.gush-music.com/noanoa/

1500 yen (500円分の飲食券含む)

パフォーマンス:
FILASTINE
山本潤 (汚名ランド)
THE HAPPENING
TOKYO SUNDOWN

展示:
イルコモンズ(T.C.D.C.)
  -イルコモンズ・ショップリフターズワゴン
  -T.C.D.Cで使用したドラム、石油カン
  -T.C.D.C.仕様の人力バイク(=自転車)
  -イルコモンズ・ステンシル

映像:
「公園」 (2004年/カラー/90分)
  製作・撮影:山川宗則・酒井隆史/編集:山川宗則
「抵抗に参加しよう:恋におちて」 (2003年/カラー/17分)
  監督:FRANKLIN ROPEZ/制作:SUBMEDIA
「なぜ私は大企業から盗むことが大好きなのか」(2005年/カラー/5分)
  制作:SUBMEDIA
etc.

ブース:
NEEDLE DROP
模索舎
抵抗食の会(仮)
RADICAL LEFT LAUGHTER
GRRRL INFO
素人の乱
etc.

問い合わせ:IRREGULAR RHYTHM ASYLUM | 03-3352-6916 |
irregular(at)sanpal.co.jp



■Filastine
ビート+街の騒音+会話+モロッコからブラジルに至る世界中の太鼓の生音などをシンクロさせたFilastineのサウンドは、斬新でありながら、どこか土の匂いのする懐かしさに満ちている。世界中のシンガーやラッパーが参加し、至るところの街角の空気が真空パックされたFilastineの音楽からは、まるで地球の裏側がそこにあるかのようなリアルなイマジネーションが放たれる。Filastineはまた、街頭でのデモや抗議行動の際にリズムを提供することを目的としたグループ「THE INFERNAL NOISE BRIGADE」でも活動中。
ラップトップをいじりながら、自ら太鼓を叩く圧巻のライブパフォーマンスで世界中をツアー巡りするFilastine。トライバ ル・ヒップホップ・レゲエ・アンビエント、いずれのファンも見逃せないぞ!


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  • By intellipunk / Nov 01, 2005 8:45 pm

黒人になる方法ってのは?

平岡正明曰く、ラリってホモることだそうだ。チェット・ベイカーのようにね。白人が黒人に対抗するのは、こんぐらいドロップアウトしないといけない。

今後、下流社会に生きるボクらは黒人化していくべきだが、黒人への道を遠い。いとうせいこうは、クリエイティヴィティ・ナウで風営法に触れ、「逮捕されることを悪いことだと考えるな」と主張し、「ニガーになる」ことを提案していたが、ムードマンからデトロイト・テクノの黒人アーチストは結構、逮捕され、刑務所でケツを掘られてる、という話を聞いて、「それはいやだ」と黒人化を断念した。

日本人のボクらが黒人化するにはどーしたらいいか?白人ビートニクたちがラリってホモって、ホワイト・ニグロになったように、イエロー・ニグロになるためにボクらも無茶をしなきゃいけないのか?今回の「平岡正明のDJ寄席」を聴いていて、平岡正明の中にイエロー・ニグロになるヒントが隠されてると直感した。

「オレはマッチョじゃなくて、キンタマ主義なの!」

平岡さんは言う。「ジャズってのはキンタマのでかそうな音楽だろう」。平岡さんが何回もうれしそうに口にした「キンタマ主義」がどのようなイズムなのか、正確に理解はできないが、まあ、黒人の話と関係ないはずがない。平岡さんが黒人の話をするときは、だいたい黒人の股間のモッコリ話がついてくる。

今回のDJ寄席で平岡さんは見事にこちらの期待を裏切った。もちろん、いい意味で。

ボクが用意した映像、サン・ラ→グランド・マスター・フラッシュ→ミスター・ベガス(ジャマイカン・ゲットーのダンス)という、黒人の強烈な部分(神秘アフリカ主義、宇宙志向、ヒップ感、エロさ、カーニバル感)を受けながらも、平岡さんが展開したのは、黒人の「やさしさ」の部分。つまり、愛だ。この側面が普段、見落としがちだ。ボクは黒人にいつも過激なものを求めてしまう。それが映像のセレクトにも繋がっているわけだけど、平岡さんには、ボクがまったく知らない黒人の側面が見えている。

むむ、黒人道は奥が深いぞ。
黒人化への手段として、ジャズをちょっと真剣に聴きたくなった。


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  • By harpobucho / Oct 30, 2005 3:05 pm

—Yamaと公園—反撃の思想をさぐる

今週の15日に渋谷の宮下公園で映画の無料上映会があるよー。僕もRLLでTシャツをこのイベントに合わせて新作リリースするから、興味あったら遊びにきてみてー
新作「YAMA Attack to Attack」Tシャツの売り上げ利益は、路上生活者支援の炊出しや募金に充てられる。僕の懐はあったまらない、完全チャリティーTシャツ!


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—Yamaと公園—反撃の思想をさぐる

私達の世界は不平で覆い尽くされている。
世界資本主義が、「自由」競争秩序の貫徹と全体化を要求する時代。

資本の運動はフレキシビリティを極め、いまや多くの労働者が、あらかじめ、 廃棄可能の安い労働商品=「奴隷」として徹底的に搾取される。飼いならされることを拒み、異議を唱える者は、「秩序」を乱す異物として監視の対象とされる。さらに、勝手のいい労働力商品としてすらカウントされない「持たざる者」 は、不可視の存在とするために排除・隔離され、ついには隠蔽される。

わたしたちは、自らの尊厳と、生きる権利のために、敵の目論みを粉砕しなければならない。

ここに2つの参照点がある。「山谷ーやられたらやりかえせ」と「公園」。

「山谷〜」は寄せ場を根拠地とする流動的下層労働者解放運動の思想と実践をもって山谷を描いた、それ自体が運動といえる作品だ。 そしてもうひとつ、「公園」は、03年の大阪・天王寺公園青空カラオケ強制撤去反対闘争の記録である。
青空カラオケは30年以上続いてきた、様々な人々が自由に集い、歌い、踊り続けてきた自律的な空間であり、何故突然撤去の動きが出てきたのか?撤去が指し示すのはどのような状況か?カラオケ屋台が撤去されてしまった今でも本作品は非常に現在的な問題を映し出しており、今後も様々な位相から語られうる作品である。

私たちは10月2日、この」2つの作品の連続上映を行います。
モチーフの異なる2つの作品からそれぞれの固有性と通低する問題と掴み取り、「今、ここ」にひきつけて考えたいと思います。
様々な立場の仲間が集まり、意見を交わし、団結して反撃の思想を編みあげていこう。

寄る辺なき仲間たちよ、いざ集え!


10月15日(土)

渋谷・宮下公園16:00開始

16時〜それぞれの現場からの問題提起

17時〜映画「山谷、やられたらやりかえせ」
   お話:山谷争議団 

19時〜映画「公園」
   お話:山川宗則(自主映画製作)、酒井隆史(社会学・大阪女子大学専任講師)


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  • By intellipunk / Oct 11, 2005 6:22 pm

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