Wearable Ideas RLL

君は出世できない 前編

2011年3月11日14時46分、そのときボクは映画の中にいた。

君も出世ができる 雪村いづみ 1964年
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=9h-40-Y-zOg&feature=player_embedded[/youtube]

10年以上も前から劇場で観たいと願っていた和製ミュージカルの最高傑作『君も出世できる』(DVDになってるのを最近知る)が神保町シアターでやるというので高ぶる気持ちを抑えながら14時15分の上映に駆け込んだ。

高度経済成長の夢物語にボクはすっかりモノホンの部長気分。しかしこの多幸感は30分で唐突に終わりを迎える。フランキー堺の接待作戦に胸を踊らされているとなんだか世界が揺れだした。

ボクは全く気にせずスクリーンの中にいたのだが、周囲を見渡すといっこうに収まらない強い揺れにかなり動揺が広がっている。席を立つ者も増えて来た。新しい地下の映画館なので耐震性が非常に高く、揺れがさほどひどくなかったというのもあるけど、目眩のおかげですっかり揺れに慣れてしまったボクは、スクリーンの世界から避難する気はまったくなく、むしろこの多幸感のなかで死ねるのであれば本望だ、くらいの気持ちで揺れに合わせて身体も揺らしながら、ミュージカルシーンに参加していた。そうしているうちに映写機がおかしくなり、ついに映画自体が中断してしまった。入場料を払い戻しされ、招待券を1枚貰った。しかし、この映画の再上映の予定はないという。もうあの時代には戻れない。

そしてあの大震災から4週間ほど経つ昨日、この招待券を使ってリベンジしてきた。あのときと同じ14時15分の回に行ったので、また地震がこないかと上映開始30分後くらいにちょっとドキドキしたけど、無事に映画を見終わることができた。

華麗なるダメ男たち
~色男、金と力はなかりけり~
http://www.shogakukan.co.jp/jinbocho-theater/program/actor_lover.html

おっさん天国の平日の名画座に、珍しく若くてお洒落な女性がいたので声をかけてみると、大学の映画の授業で招待券を貰ったのだという。しかし、昔の映画ばかりでいったい何を観ていいものか迷っているのだという。候補を聞いてみると、夏目漱石原作で市川崑監督の『こころ』かな、というので、若い子がそんな陰気なダメ男を観ていてはダメだ、次の回に上映される山城新伍の映画を観るべきだ、ダメ男を見誤ってはいけない、とボクはスマートフォンで女性の映画ライターが書いたこの文章を彼女に見せた。

『喜劇 特出しヒモ天国』の素晴らしさについて
http://d.hatena.ne.jp/anutpanna/20090120/p2

冒頭の「すごい面白かった…、傑作です。」だけを。そうしてボクは彼女とヒモの映画を観ることになった。出世物語の映画を観るはずだったのに、なぜかヒモの物語を見知らぬ女性と観ている。

3.11以降、やはり世界は確実に変わったのだ。

続く



ちょっとまとめたかった動画

「音楽は予言的であるが故に告知する。音楽は、いつの時代もその原理のうちに、来たるべき時代の告知を含んでいたのだ」 ジャック・アタリ『音楽/貨幣/雑音』


ミュージシャンからのメッセージが続いている
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=dCUqqPD7Occ[/youtube]
UAからの手紙@アンナプルナ農園 さよなら原発


プロップスを得られる石田さんのかっこよさ
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=Zk2E-xKmg_Y[/youtube]
ECD EXODUS11

そしてリミックスワークが増殖中
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=z04k_DBI1j4[/youtube]
Recording Report 反原発REMIX ECD


この人!
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=ZIZ-0qV1lxA[/youtube]
卍Line  日本のうた

ジャパレゲにはこれもあった
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=KFsWP8hl41s[/youtube]
Cann Trust Dem / Sing J Roy


予示的
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=Rau8BHBark4[/youtube]
TABOO1 feat.志人 「禁断の惑星」 Produced by DJ KENSEI

こちらはおなじみ
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=Nw0xo_h8Qtg[/youtube]
トリオ ザ キャップス&wiz24「かえせ!地球を 2011」

そしてコラボ?!
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=8TnhmY4c3h4[/youtube]
アースデイ東京2011 斉藤和義原発ソング/スチャダラパー

「ずっとウソだった」以外もあるよ
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=4jXzW6V4nyQ[/youtube]
斉藤和義 青い光

和義支援
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=X1BL1cDSbCs[/youtube]
佐藤タイジ KEEP ON ROCK`IN IN A FREE WORLD


Stop-Rokkashoは以前からあった
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=i0d1MVe20GE[/youtube]
無知の知_cell_division_ver_Hisomi-TNP/6


若いラッパーからも
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=TBJ1pyojfmI[/youtube]
[HARVEST TV]悪霊/”No Nukes(BLACK&YELLOW Remix)”[LIVE]



反撃の縁起物尽くし

数日前に届いた未開封の通知を開けてみたら、赤字で大きく「差押予告」って書いてあった。この種のラブレターはいろいろ送られてくるので開封しないのが癖になってしまったのが仇となった。お役所は無視されるのを一番嫌う。出頭して涙ながら(都合がいいことに左目から涙はいつでも流せるのだ)に窮状を訴えれば、帳消しにはもちろんしてくれないが、先延ばしにはしてくれる。先延ばしの限界に挑みたかった。

P4210015

れはラブレターなんかじゃなくて、財産を差押えし、かつ期限までに金を払え、という脅迫文であることにようやく気づいたボクは重い腰をあげて役所に行った。いったいどうすればいいのか、と指示を仰ぐと、担当者の方は慣れた口調で説明してくれた。銀行が差押えしたぶんが自動的に住民税として引き落とされるのでご安心を、とさわやかな笑顔で。

仮に期限までに金を払えば、差押を解除することができるが、結局は同じこと。どちらか選んでくださいと言われたので、お互いの手間を省くために何もしないことにした。そうして2ヶ月分の生活費が急に消え、ライフスタイルの変更を余儀なくされたわけだ。

不吉な前兆は確かにあった。
差押の通知が届く前日に金のなる木が完全に死んだ。木の内部の潜勢力を信じていたが、中身は空洞になって完全に生命エネルギーが消滅していた。

http://www.rll.jp/hood/text/harpobucho/20110304151347.php

この日記で書いたとおり、ボクは近所の公園で金のなる木を拾い、それを入院中に枯らしてしまい、金運の神様であるハワイのティキドールの呪力で再び甦らせることに成功するが、大震災後のドタバタで放置気味になってしまい死に至らしめてしまった。反省している。

金のなる木に変わる縁起物を構築しなければならない。さっそくボクは新たな庭作りを始めた。

P4220022

鶴、亀、松、竹と縁起物尽くしである。竹は大宮八幡宮の裏の竹林で拾ってきたものを加工して、添水もどきにした。空中のアイビーに水をあげると下の階の洗濯物に垂らしてしまう危険性があるため、竹筒で誘導して鶴が飛ぶ鉢に鎮座する亀の頭を濡らすエロチックな仕掛けにした。梅が足りないって? 梅干しを食べながらこの庭を眺めればいいのだ。

P4180011

さらに奥を覗き込めば、壷の上に招き猫である。日常生活の中に一つの別天地を持つことを「壷中の天」という。壷のなかには俗事(金)を超越する仙界(楽園)があるといわれている。どんな境遇にあろうとも、自分だけの壷中天を創ることが可能であれば、いつでも安泰なのである。

P7090027

あとは今年も蓮の華が咲けば完璧である。俗世から遠く離れ過ぎてしまった不安もなくはないが、おおむね未来は明るいと信じたい。



「・・・・・・・」

昨晩はホッファーにそそのかされて「勇気を出そう日本」などと勝手にコピーライターをしてしまったが、被災された方の本音の前では何も言えなくなる。

http://hobo.air-nifty.com/hobodays/2011/04/post-8338.html

「・・・・・日本」が正解のような気がしてきた。いや、もはや日本という言葉も憎たらしいから「・・・・・・・」なんてどうだろう。

朝の読書で、労働者ホッファーに「仕事をしろ、しかもなるべく少なく」と説教された気分になった瞬間、タイミングよく郵便屋が財産の差押調書を運んで来た! 精神の奴隷制に対する抵抗の結果がこの報復である。

この強引なラブレターによって、やっと働く理由が見つかった。しかし、仕事が見つかるかはまた別の問題である。

「勇気を出そう自分」と自分の中にいる芸人を総動員して言い聞かせてみたら、心の声は「・・・・・・・」だった。



がんばろう日本

テレビを付けると「がんばろう日本」だとか「ひとつになろう日本」とか、あまりに芸のないキャッチフレーズが繰り返されていて辟易する。

鬱病の人に「がんばろう」というフレーズが禁句なことは万人の知るところだが、もはや日本という国が鬱病なのだから、そんなこと口にしてはいけない。「ひとつになろう」という言葉もそうとうに気持ち悪い。大好きなボブ・マーリーの「ワン・ラブ」でさえ居心地の悪さを感じるくらいだから、芸能人が口を揃えて公共の電波で呼びかけているのを聞くのは耐えられない。人類補完計画か。

だったら代替案を出せ!というのが最近流行の反論の作法のようだが、「目覚めよ!日本」というのはどうだろう? 悪くないと思う。原発が爆破したときに逃亡先の大阪の路上でエホバの証人の女性信者から貰った冊子のタイトルが「目覚めよ!」だったんだけど、そのときだけはとても心に響いたよ。

ラスタが告発する「メンタルスレイヴリー」、日本でいうところの「奴隷根性」から目覚めよ!という意味であるから「奴隷解放!日本」という案もあるが、これではパンチラインがきつ過ぎるか。「日本人のアイデンティティーは我欲。この津波をうまく利用して我欲を1回洗い落とす必要がある。やっぱり天罰だと思う」というのなら「さよなら日本」というのはどうだろうか。せっかくだから「さよならアメリカ」と並べて「はっぴいえんど」に終わればいいのだが、そんなに世の中うまくはできていない。

エリック・ホッファー自伝を読んでいたら、こんなことが書いてあった。

「自己欺瞞なくして希望はないが、勇気は理性的で、あるがままにものを見る。希望は損なわれやすいが、勇気の寿命は長い。希望に胸を膨らませて困難なことにとりかかるのはたやすいが、それをやり遂げるには勇気がいる。闘いに勝ち、大陸を耕し、国を建設するには、勇気が必要だ。絶望的な状況を勇気によって克服するとき、人間は最高の存在になれるのである。」
『エリック・ホッファー自伝 構想された真実』より


社会の底辺に身を置いて、同時代の人々の精神状態を分析し続けた沖仲士の哲学者の言葉は今のボクにはすごく馴染む。盲目から「目あき」に回復した物語も含めて。

「勇気を出そう日本」

凡庸だけど、これでいいんじゃないのかな。もちろん一番勇気を出さなきゃいけないのは、日本政府や東電であることは言うまでもない。過ちを全面的に認めることはとても勇気がいることだ。がんばろう日本。



ボクのフェイスブック革命

道との遭遇 DUB祝辞 : いとうせいこう × ダブマスターX
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=wWfajsFpHoA&feature=player_embedded[/youtube]

エジプトに続け! 暗示の外に出ろ!


ぺぺ長谷川がうちに忘れていった『現代思想 特集アラブ革命』を読んでいたら、やたらフェイスブックという言葉が出てくる(エジプトでは子供に「フェイスブック」と名付ける親まで出現!)ので、久しぶりにログインしてみる気になった。

友人の承認待ちを20人もためていて、若干罪悪感を抱えつつも、プロフィールの写真をポール・ラファルグに設定していたのでボクの怠ける権利は保障されているはずだ、と強気でいたのだが、そんなものは勝手な言い訳に過ぎず、急に申し訳ない気持ちになり、承認ボタンを押しまくった。フェイスブックというくらいだからちゃんと顔の写った写真を登録し反省の意を表明。これが欧米マナーなのだろう。

プロフィールもまったくいじってなかったので、これを機にちゃんと入力した。昨日、自分の恋愛対象が男性になっていることが発覚。性別を選択したつもりだったのだが、まさかそんな項目があるとは。これも欧米マナーなのだろうか。

顔写真を載せ、恋愛対象をカミングアウト。新たな自分をネットの中に発見したのだった。フェイスブック革命万歳。

ちなみにツイッターもちょっと前から密かにやっているのだが、フォロワーはゼロ。無人島に一人いるような感じが気にいっている。世界への強烈な呪詛をつぶやきまくっているので読んだ者に感染させてはいけない、という配慮ではまったくなく、ハーポシアターで上映された映画の備忘録として便利に活用している。

世界とつながっていないというのは気楽でいい。厄介事はツイッターによってもたらされるというのが、周りの人間を見ていて最近ボクが感じていることである。ひょっとしたらボクは自分のかけた暗示の中にいるのかもしれない。



緊急トークイベント「震災前後—地揺れするバビロンにて」

毎月1・3金曜日@なんとかバーの美食倶楽部(ペペ長谷川&intellipunk)は毎回好評!
集われる方はペペさんの握り寿司目的が多いんですが(あとペペさんの人徳!)、このタイミングで魚! しかし福島第一の海への放出とは関係なく(?)近海魚の品薄により握りは中止。先週は緊急にスペシャル餃子メニューでした。
行者大蒜をニンニクに代用したスペシャルな餃子は、修験行者由来の滋養とニラ生姜ネギのブレンドした独特の風味が美味い!おまけに蕨揚げ、筍ご飯と、春の山菜づくしってことで中々でした。春の山菜はすぐに消えちゃうので一回限りだね。秋はキノコ山菜つくししよう。


さて地震より前、過日の美食倶楽部、カルスタ界のイケてる兄貴たち小笠原センセイと山本センセイがいらっしゃった折、今年のカルタイに「来いよ!」と強く勧誘。カルチュラル・スタディーズの日本最大の祭典(かつ学会)であるカルチュラル・タイフーン(http://cultural-typhoon.com/2011/)には、毎年お店は出してますが、今年は神戸。行こうか迷ってたんですけど、震災の折に偶然に大阪や神戸に知己を得たりして、今年は関西づく感じな様です。行くかも!って伝えていたらTwitter経由で山本センセイから企画相談がーーRLLさんやりませんか?」




と思ったら、カルスタ事故波紋、もとい自己破門の上野センセイの話を聞くって企画でした。
今、仙台出身の上野俊哉が何を感じているのか? 震災以後そして原発被曝以後のこの世界で何を考えているのか。これは気になる期。
メンツはイアン・コンドリーを囲んだ11月のトークイベント“Cultural Action, Fronteer or Archipelagoes?”と同じだけど、あれ好評だったからだね。
つうことはアフターパーティーあるのかな?
http://www.rll.jp/hood/action/20101119132348.php
http://togetter.com/li/73043








緊急トークイベント「震災前後—地揺れするバビロンにて—」のお知らせ
3月11日の震災がすべてを変えたのではない。もともとこの世界に存在していた様々な矛盾を、震災という出来事が誰の眼にも明らかにしてくれたのではないか。けれども、水脈はあった。震災前の世界で、その水脈を掘りつづけてきた論客たちを招いて、地揺れするバビロンから、この間に起きたこと、「例外状況と日常性」、「理性と放射線のエコロジー」、「原発災害の攻勢下でヒューマニティーがなしうることはなにか」といったテーマ群について語り尽くしたい。震災以前の世界、そして震災後の未来について——

423BABYLONE
■日時 2011年4月23日(土)
    17:00〜19:00(16:30開場)
■場所 早稲田大学16号館305教室
■地図 http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html

■パネリスト 上野俊哉(和光大学/マギル大学)
       RLL(カルチャー・ジャーマー・グループ)
       二木信(ライター/編集者)
■コーディネーター 山本敦久(筑波大学)+田中東子(十文字学園)

[EN]
On 23 April (Sat), 17:00-19:00@Waseda University,
building 16,room305,talk event will be held.

The subjects would be ‘Earthquake Lightning from Babylon’, ‘State of Emergency
and Everyday Life’, ‘Ecology of Mind and Radioactivity’,’What Humanities could
do under the siege of Nuclear Disaster’,etc.

Panelists, RLL, Shin Futatsugi and Toshiya the tribal
Moderator, Atsuhisa Yamamoto &Touko Tanaka

http://babylon77.blog94.fc2.com/blog-entry-2.html





前日も面白そうなイベントあるよ!

アースデイ・トーク 『三つのエコロジーと東電福島原発事故』
エコロジーとはあくまで「生態学」のことであって「環境問題」のことだけを指しているのではありません。エコロジーを「環境問題」のみに限定してしまうことは、かえってこの世界の生態系を歪んだものにしてしまいます。

福島原発を含めたこの小さな島国にある17カ所・54機の原発の先に、わたしたちはどのような未来を見ていたのかということを考えてみましょう。私たち日本の社会は、オール電化という名の下に、原発が環境を良くするものであるかのような、有害なエコロジーというものをつくり出してしまいました。そして現在、それが有害であることを誰もが認めるであろう、深刻な事態「東電福島原発事故」による被害が進行しています。

1989年にフェリックス・ガタリが世に問うた、環境・社会・精神の『三つのエコロジー』という思想をいまこそ再考し、現実の世界に緊急に応用していかなければならないのです。

アースデイ、4月22日の阿佐ヶ谷ロフトAのイベントでは、環境のエコロジー、経済のエコロジーの実践を行ってきた「未来バンク」の田中優さん、有害なエコロジーをつくり出してしまうような、資本主義の問題点を考察してきた社会学者の毛利嘉孝さん、そして、自殺対策支援に関して精神のエコロジーといえる行動を始め、今回の東電福島原発事故によって、環境や社会のエコロジーにまでその活動を広げようとしている松田美由紀さんをゲストに、3.11以降の『三つのエコロジー』についてのトークを行います。

【出演】
田中優(未来バンク理事長、天然住宅共同代表)@tennenjutaku
毛利嘉孝(社会学者、東京藝術大学准教授)@mouri
松田美由紀(女優、写真家)@MATSUDA_MIYUKI

【進行】上岡誠二(芸術活動家、アースデイJP世話人)@earthdayjp

日 時:2011年4月22日(金) OPEN18:30/START19:30
会 場:阿佐ヶ谷ロフトA
東京都杉並区阿佐谷南1−36−16ーB1
JR中央線阿佐谷駅パールセンター街徒歩2分
http://www.loft-prj.co.jp/lofta/map.html
前売り:¥1,500/当日¥1,600(共に飲食代別)
前売りチケットはローソンチケット【L:38046】ウェブ予約にて発売中!!
ロフトA web予約ページhttp://www.loft-prj.co.jp/lofta/reservation/reservation.php?show_number=638



波動飯が食いたい

どうも最近気分が冴えない。春なのに。みんなそうなのか。

冴えない理由はいろいろあるに違いない。そろそろ無職生活に飽きてきたのかもしれない。顔面麻痺なんてものがどうでもよくなるような日本麻痺に直面しているにも関わらず、再び日常のようなものが戻って来ている雰囲気が耐えられないのかもしれない。その日常らしきものがどうも偽物に思えて仕方ない。着地すべき日常が沈没してしまったのでずっと浮遊したままなのだ。そろそろ地に足つけたいのだが安住の地がもはやない。

エジプト革命の直前からはじまった顔面麻痺は未だに継続中である。2月から一足先に非日常に突入し、目眩と地震が地続きとなり、まばたきの鈍りによる涙と悲しみの涙が合流し、麻痺が身体から世界に拡大した。

もういままでの生活には戻れない。ついに乱世に突入!というのがボクの体感として得たマインドセッティングなのだが、みなさんの意識模様は如何? え、昨晩の満月が2つに見えたって!? 小説『1Q84』みたいにいまや複数の現実がある。ひとつになんてなれない、日本。

かつては日記を通じてみなさんの心の中が少しは覗けたが、いまや「この情報を見よ」という注意喚起のつぶやきが主流になってしまった。情報じゃなくて情動に接続したいのに。そうか、もっと街に出て人と交わればいいのか。冴えないのは自分が動かないからか。

ああ、波動飯が食いたい。

波動飯とはなにか? 近所の大宮八幡宮の一角にひっそりと湧いている御神水がある。波動水とも呼ばれている。龍の口から吐き出されるこの御神水を頂戴して、ご飯を炊いたものが波動飯でボクの主食だったものだ。

P3310010
PC050044

もはや波動飯は食えない。冴えない一番の理由はこれなんじゃないだろうか。

P3310009

波動飯の禁断症状が現れ、大宮八幡宮を徘徊していたら、境内で飼育されているうっこけいの顔に龍の蛇口が浮かび上がってきた。

P2090034

日記を書いていたら冗談を言えるくらい冴えてきた。しばらくこのライティングセラピーを続けてみよう。

ところで、あなたの現実は本当にあなたの現実ですか?



騒ぐ者は騒げ、おれは青空。

あまりにも大成功してしまった「4/10高円寺原発いらないデモ!!」の余波を受けて「商店街迷惑問題」と「暴行事件」という二つのバックラッシュが起きているが、すでに主催者はこの二つの問題の解決と調停のために粛々と動き出している。近いうちに公式HPに素人の乱・松本哉の手による告知が出る予定だ。こんな書き出しからデモ後のブログを書きたくはなかったのだが、もう、お腹いっぱいでどうしようもないというくらいの、大量の、あのデモの興奮や驚き、喜び、そして感動は、人々それぞれがそれぞれの言葉で語っているし、写真や動画もたくさんUPされている。できるだけたくさんの言葉と映像に目を通して欲しい。あの日、あの場所で、何が、起こっていたのか? 人々が何を感じ、そして、震えていたのかを、知って欲しい。

あえて挙げるなら、

ラッパーRumiのデモ前のつぶやきとデモのフリースタイル
「様子見とか誰の様子見てんだよ。あたしは4月10日の原発やめろデモで歌うよ。左翼?右翼?知らね、あたしは翼なんか持ってない。放射線物質にまみれた日常なんて最低。何世代にも渡って最低。海も空気も国境はない。デモ?嫌いだよ。仕事への影響?あるかもね。友人の反応?冷たいよ。それでもやるよ」
けんりけんりけんりけん!!をひっくり返してけんりんけんりけんりけんり!!!

3分30秒からのRUMIのパフォーマンスがヤバすぎる!!!
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=BCk4A3P_N6U[/youtube]
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=l_el-0ioMX8[/youtube]
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=RjbaTKJ21VA[/youtube]
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=uPN2kJn2WgE[/youtube]
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=4ZL3e4WbT7s[/youtube]

そして、松沢呉一さんのブログを。
「歌と言葉と行動と」
http://www.pot.co.jp/matsukuro/20110412_151152493923205.html

僕は大学生の時に経験したある一晩から、デモにとり憑かれている。正確にはデモというよりも、サウンドデモなんだけれど。寝ても覚めてもデモのことばかり考えていることがある。もちろん、クソみたいにつまらないデモもあれば、ヤバすぎるデモもある。デモは人を変え、人はデモを変える。一つとして同じデモなどない。出会い、言葉、緊張、感動、戦慄、暴力、そして、愛。全てが路上と街角にある。デモ隊が三々五々蝟集し、真っ黒な塊となり、サウンドカーから分厚く重苦しいビートが巨大な心臓のように空気を鼓動させ、人垣を突き抜け、震わせ、路上に生まれた新しい生命が動き出す瞬間ほど、神聖な瞬間は、無い。そしてその中で、何度、泣かされ、笑わされ、時に、怒ってきたことか。デモのせいで。いや、デモのおかげで。今でも無数の、過ぎ去ったあのいくつもの瞬間を思い出す。音楽と、ノイズと、シュプレヒコールとともに。アイツらの笑顔や真っ青な顔、真っ赤な顔。そして沈黙。片付けの後のへたばった顔、顔、顔、顔。逮捕者が出た後の会議。最高の瞬間を共有した後の打ち上げ。デモは人々が織り成す複雑なパッチワークが編み上げた、祭日のサーカスと見世物。僕らの文化祭。エベレストよりも高貴な山、マリアナ海溝よりも深い謎と神秘を包み込んだ海。そして強靭な暴力装置に押し込められた、動く監獄。ぱっくりと口を開けた深淵を渡らないデモは無い。動き出した途端、その一瞬、一瞬に、イチかバチか、常に何かを賭けている、完全無比のギャンブル。多分、僕は、エリザベス女王が「私は国家と結婚している」と言った意味において、「サウンドデモと結婚している」のだ。だからこそ僕はこの伴侶が誹謗中傷に遭うと、あっという間に自分を見失ってしまう。ヒステリックになり、すぐに鬱になる。時間がドロドロに溶け出し、僕はその中にズブズブと沈んでいく。こんなにもすばらしいものにケチをつけるやつらは、全員ド近眼のキチガイだと思い、殺してやるくらいの罵詈雑言をありったけぶつけ、その後でなぜこの楽しさが伝わらないのだろうと嘆き、非力な自分を呪って死にたくなる。デモが大きくなればなるほど、この矛盾は大きくなる。今回はかなり落ち込んだ。だけど、松沢さんのブログを読んで、かなり立ち直ることができた。ようやく、「青空」が見えてきた。そんな心境のタイトルは、このエピソードから採った。これが今の心境だ。

http://2ndkyotoism.blog101.fc2.com/?mode=m&no=150
中谷孝雄や梶井基次郎の同人誌は初め、名前を「鴉」に決めようとしていたらしく、それは京都時代に彼らがよく通ったカフェ「RAVEN」の名前にちなんででした。加えて、エドガー・アラン・ポーに同名の詩があったことも理由の一つだったとか。

ところが実際、中谷の部屋に同人が集まって決める段になると、なかなかまとまりません。部屋の中には煙草の煙が渦巻いていました。

そんな時、平林英子が部屋の空気を入れ換えようと、窓を開き、そのまましばらく空を眺めていたかと思うと、中谷を呼んで「青空という名前はどうですか、武者小路先生の詩に——騒ぐ者は騒げ、おれは青空、というのがありますが」と耳打ちします。中谷の眼に見えた10月の空は、美しく哀しいまでに晴れ上がっていたのです。

この、平林英子の意見が夫の中谷を通じて間接的に採用され、同人誌『青空』は誕生したのでした。

410_1 410_2 410_3 410_4 410_5 410_6 410_7 410_8 410_9 [youtube]http://www.youtube.com/watch?v=fkvlw0JEySI[/youtube]


今夜のDOMMUNEもチェックしてね! <4/14木・前半>19時「緊急配信!TALKING about DEMO!」出演:鈴木孝弥(アナキスト)、園良太、松本哉(素人の乱)、毛利嘉孝、JUZU aka MOOCHY、二木信、野田努、三田格 予約は→http://p.tl/4o3p



明日14日DOMMUNE緊急配信!TALKING about DEMO!!!!!!!」


DOMMUNE4/14「TALKING about DEMO!!!!!!!」

4.10素人の乱主宰による「高円寺・原発やめろデモ!!!!!!!!!」に1万5千人!芝公園デモに2500人!東京以外でも札幌、鎌倉、名古屋、富山、広島、熊本、那覇…….未曾有の大震災以降、列島各地でアンチ原発を掲げるデモが行われている!にも拘らず、同日、原発推進派の都知事が4選を果たし、政治的変革は今後も望めそうにない。麻痺状態の権力中枢、そして思考停止状態の日本国民!この閉塞状況を打開する為にデモを遂行することには少なからず意義がある!では、果たしてDEMOは何の為にやるのか?どんな歴史があるのか?それぞれ何を主張しているのか?どんな方法で行っているのか?そして何をもって成功なのか?更には大規模デモに眉をひそめ、反論を唱える者もいる。憤懣やるかたない想いを”祭り”に代えて、カタルシスに酔っているという意見に目を背けることもできない筈だ。そして本日、福島第一原発事故のINESはチェルノブイリと同規模のレベル7に引き上げられ、未だ福島では震度6以上の地震が続き、震災と原発を取り巻く状況は悪化の一途を辿っている!この危機的状況の中、我々は何をアクションすればよいのか?4.14の DOMMUNEでは数々のゲストを迎え、震災と、そして民放では決して取り上げられない「原発とDEMO」について語り合いたいと思います!(DOMMUNE/宇川直宏)

http://www.dommune.com/

4月14日(木)
19:00-21:00
「ele-king TV13 緊急配信!TALKING about DEMO!!!!!!!」
出演:鈴木孝弥(アナキスト/音楽評論家)、園良太(アクティビスト/フリーター)、毛利嘉孝(『ストリートの思想』著者)、松本哉(素人の乱)、二木信(ライター)JUZU aka MOOCHY(ミュージシャン/DJ)
司会:野田努、三田格
21:00-24:00
「BROADJ ♯292/FIGHT THE POWER DEMO!!!!!!!!」
DJ JUZU aka MOOCHY x DJ TASAKA



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