この国の「路上」からトニ・ネグリを歓待する

あの、今世紀最大の哲学者トニ(aka アントニオ)・ネグリが来日してイベントが行われます!

ネグリさんは今年御年75歳。社会と常に接点をもって思考してきた行動する政治哲学者。自律した人々の連帯したムーブメント「アウトノミア」のオピニオンであり、冤罪で逮捕され国会議員に獄中立候補して当選し亡命した派手な無実の政治犯であり、世界の変革の希望を紡ぎ出したベストセラー思想書『〈帝国〉』『マルチチュード』の書き手。intellipinkのフェイバリット哲学は彼の世界。人間をものすごく信頼しているイカシたやつ。




RLLは、3月29、30日東京藝術大学で行われる

ネグリさんとデングリ対話@東京芸大・上野
<マルチチュード響宴>
マルチチュード・アート&ディスカッション・ミーティング


の30日のシンポジウム「大ラウンド・テーブル」に出席します!!!!

ちなみに、3月29日東京大学では「アントニオ・ネグリ氏講演会『新たなるコモンウェルスを求めて』」が行われます。




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大ラウンド・テーブル「マルチチュードか、プレカリアートか?」── この国の「路上」からトニ・ネグリを歓待する


議論セル企画シンポジウム【3月30日(日)15時〜19時】

アントニオ・ネグリ/矢部史郎(No G8 Action)/ナスビ(山谷労働者福祉会館)/小田マサノリ(イルコモンズ)/平沢剛(映画研究)/成田圭祐(IRA)/ ECD(ラッパー、作家)/足立正生(映画監督)/松本哉(素人の乱)/山口素明(フリーター全般労組)/小野俊彦(フリーターユニオン福岡)/水島一憲(大阪産業大学教授)/廣瀬純(龍谷大学教員)/白石嘉治(上智大学非常勤講師)/田崎英明(立教大学教授)/毛利嘉孝(東京藝術大学准教授)/杉村昌昭(龍谷大学教授)/山の手緑(予定)/小川てつオ&武盾一郎(246表現者会議)/RLL(Culture Jammer)/木幡和枝(アート・プロデューサー)/松本麻里/海妻径子(岩手大学准教授)ほか無数の有象無象
コーディネーター:平井玄(文化活動家、東京藝術大学非常勤講師)

■トニ・ネグリは、パドヴァの、ミラノの、パリの路上で思考してきた思想家である。
彼の言葉には、砂埃のざらつきや催涙弾の臭いが染みついている。私たちは、だから彼をまずこの街の「路上」の騒めきの中に案内したい。そこからこそ、彼と私たちの間で「言葉」が立ち上がってくるだろう。ネグリを歓待するとは、このことである。

■敢えて、カテゴリーを混同する。
「マルチチュード」とは、資本による全面的な生の包摂の只中から湧き上がる存在論的な抵抗の主観性のこと。すべての人間たちにそうした巨大な潜勢力がある、とネグリは言う。「プレカリアート」とは、資本によって流動する不安定な「貧」に投げ込まれた者たちが、怒りの中からその流動性、不安定性を武器にして起ち上がる敵対性のこと。貧困層がますます増大しているこの国では、マルチチュードの底に蠢いている者たちがいる。この二つの概念を並列するのは、明らかに捩じれたカテゴリーの混乱である。しかしカオスこそ、すべての力の源泉である。だから敢えて、この「混乱」の真只中から思考しよう。

■ネグリ的「帝国」は旧大日本帝国の視えない壁にブロックされている。
いったい「マルチチュード」は、この国のどこにいるのか?そして、サルコジのフランスもメルケルのドイツも、この「混乱」の方向に向かっているのではないだろうか?
「フリーター」という日本語が、そのままヨーロッパを徘徊しようとしている今、[貧]と[戦]と[共]──3つの言葉をめぐって、討論の渦を巻き起こしたい。

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以前『論座』に”ストリート左翼”として紹介されたRLLですから、「路上」からネグリを歓待するって言葉は、実際ぴったりかもしれない。おいら(intellipunk)には哲学者の中でネグリは特別な存在。”歓待”って言葉はHarpoBuchoの座右の銘だしね。

そういやかつて中央線マルチチュードを恥ずかしくも名乗ったRLLの三人ともプレカリアートのカテゴリーか。なにげにこのテーマ設定ってうちらのためにあるようだよ!

この大テーブルの出席者には、お馴染みの素人の乱やイルコモンズやECDがいるかと思えば、読者として馴れ親しんでいる矢部さん毛利さんに白石さん廣瀬さん杉村さんが参加していて。初めて出会う方々もたくさんいて、RLL名刺も出来たので交流も盛り上がりそう。もちろんネグリとの邂逅が一番の楽しみなこと!!!!




もうラジオではゲロってるので書きますが、今回RLLはネグリ来日記念Tシャツを作りました。ハッキリ言ってカッコ良すぎて、今までに見たことない”???”な反応になりそうなかっ飛ばしすぎたデザインになってます。勝負?かけてるというかひとり盛り上がりすぎて、RLL史上最大の枚数を製作し販売しますが、売れなかったらRLLの経済危機かもねー。ネグリにプレゼントしますし関係者にもポトラッチします。ネグリと盛り上がりたい皆様はご購入下さい!


そして新しい試みをしました。RLLがzineを作ります。ASOKOクルーに触発されまくったintellipunkが、ネグリをストリートに引きずりおろすために企画しました。HarpoBuchoの伝説になりつつあるテクストを採録したり、最新妄想を書き下ろしたり。∞+∞=∞のカッ飛んでるレポートも面白い! ぜひ藝大でゲットしてみて下さい。

そういや『芸術とマルチチュード』でネグリは、zineについて、「ヌーヴォーロマン(反物語の構造的哲学的小説)」と「アンガージュマン(実存的政治社会参加哲学者)小説」のポストモダン的止揚としてこう記している。
「この前衛は、今日では、道徳的アンガージュマンでも、好人物でも、イデオロギー闘争でもない。この新たなリアリズムは、むしろ、絶望的な時代の証言であり、パンクな構築的リアリズムであり、表現的暴力であり、コミュニケーションを神格化する技術をひっくり返すことなのさ。パンクのファンジン、たった一冊のなかにすら、エーコの小説の全部とオルスナの小説の全部とをあわせても及ばないほどの、ずっと多くのリアリティが含まれている。ディストピア—-もはやどんな希望も抱きえないということを知る者によって具現化される希望—-こそが、ぼくたちの世界を照射する放射線なんだよ。」
この構築することで具現化される民主主義こそ新しいそれだと確信はしています。その意図をもって現在絶賛制作中です。そのリアリティをネグリに日本のマルチチュードとしてリプレゼントできれば最高ですけどね。



つーーーことで、ネグリイベントいろいろあって面白いのでよろしく!


  • Action
  • Tag:
  • By intellipunk / Mar 07, 2008 8:29 pm

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