ゴム弾を左目に撃たれた件と「ビリン・闘いの村」試写会のお知らせ
ワンダーウォールキャンペーンのワンダーな立役者、KITOU SEISHIさんの日記を転載。自分のメディアを持ってる人は試写会に行って宣伝しよう。
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先月1月25日、パレスチナのビリン村のイスラエル占領フェンス反対デモに参加していた岸田薫さんがイスラエル兵にゴム弾を左目に撃たれた件が、2月22日のイスラエル・ハアーレツ新聞に載りました。
新聞には、イスラエル国防省のコメントが載っています。『同日、ゴム弾の使用はされていなかった。使用されたのは、催涙弾のみであった。』と。また、同記事には岸田さんがイスラエル兵にゴム弾を撃たれたことも書いてあります。
これについて、岸田さんが日本大使館からのイスラエル政府への意義申し立ての動きをとってくれないかという文章を在イスラエル日本大使館へ送りました。そちらもハイアーツ新聞の翻訳の下に載せてあります。是非読んでください。
以下、転送・ブログ掲載大歓迎
●2月22日のハアーレツ新聞の抄訳
ビリーン村での日本人の怪我が、オルメルトの日本訪問を危うくするのではないかと、イスラエル外務省は危惧している====
1月末に日本人、岸田薫(43歳)がビリーン村で怪我を負ったことにより、予定されていたオルメルト首相の日本訪問が、難題になるのではないかと危惧されている。
岸田は、イスラエル兵によるゴム弾で撃たれ、左目の視力を失っている。この件につき、日本の報道関係は、事故の詳細を追求している。イスラエルの外務省は、岸田の件により、国家間の面会、及び報道がぎくしゃくしたものになるのではないかと危惧している。
岸田曰く『危険な場所にでかけていったことは承知している。しかし、なぜ兵士は私がアジア人であることを判別できたであろうにもかかわらず、上半身を撃ってきたのだろうか。』
事故を追求する為、東京のイスラエル大使館は、本国の国防省に説明を求めた。国防省は、外務省に対して、以下のように返答している。『同日、ゴム弾の使用はされていなかった。使用されたのは、催涙弾のみであった。』
日本大使館はイスラエルの外務省に、事故についての説明を求めた。外務省の発表によると、オルメルトの日本訪問には差し障りないということである。ビリーン村の分離壁は、村を分断した形で建設されており、そのため、村民や国内及び国外からの左派たちによるデモが行われている。
『イスラエルに旅をするためにやってきて、興味本位により、数人の日本人の旅行者達と共に1月25日にビリーン村のデモに参加した。』と昨日、当社の記者に語った。『兵士は、ゴム弾を発射した』『逃げようとして、腹部にゴム弾を受けた。そしてすぐ後に左目、その直後に背中にゴム弾を受けた。』と語った。岸田は、ラマーラの病院に運ばれ、眼の手当てのため、東エルサレムのセントジョン病院に移された。数ヶ月後に再手術の必要があり、視力が回復するか否かは不明である。
『危険な場所であるということは、知らされていた。しかし、私を撃った兵士は、近距離にいて、私がアラブ人でなくアジア人であることを見間違えることはなかったはずだ。それにもかかわらず、3発も私を狙って撃ってきたことを不審に思っている。』と岸田は語った。岸田は、現在イスラエルに滞在している。先週、岸田の治療費及び手術費、$3000に対する援助金を日本で募った。 翻訳・美恵子
★美恵子による解説==
1-兵士が発砲することがまず問題であるはずである。アラブ人であれば撃っても良いような書き方がされているところが気になる。
2-分離壁は村を分断しているだけでなく、67年のグリーンラインからそれて、7キロメートル西岸地区に食い込んでおり、そのため広範囲にわたる私有地が削られ、それにより地域住民の日常生活に支障をきたしていることが書かれていない。一般のイスラエル人は、分離壁の事情を知らないため、この記事では説明不足である。
3-この地域は、国際法によりイスラエル兵が立ち入ってはいけないことになっていることも説明されていない。まるで、西岸地区に兵士が彼らの必要に応じて出現することが問題視されていない。
従いまして、この記事には問題が多々あります。
4-この記事で、岸田さんはゴム弾を上半身に3発受けたと証言されており、イスラエル国防省は、その日ゴム弾は使用されていなかった、と返答したことです。これに関して、岸田さんは、大使館に抗議のメールを送られました。
5-私が電話でのインタビューで通訳をしましたが、その際の質問は尋問に似ていたことをお伝えしたいと思います。
尋問と感じた質問内容-今回のことがあって、彼はイスラエルに対してどう感じているか。今後、何かのアクションをとる予定か、イスラエルパレスチナ問題に関して、追求して調査する気持ちはあるのか。。
私は岸田さんが返答された通り、いいえ彼はイスラエルに対して怒りはもっていないし、また何かの機会があれば、旅行に来たいと思っている、という温和な返答を伝えましたところ、記者の方は、大変驚いていました。
●在テルアビブ日本大使館御中
今回のビリーン村での私の事故の件で、各方面への対処などいろいろとご面倒かけましたことをお詫び申し上げます。同時にまたたいへんご心配いただき、大山さんには病院までお見舞いいただいたり、たびたびお電話にて容態をお尋ねいただきお声をかけていただきましたことなど、とても有り難く感謝しております。
2月22日付けの当地の新聞ハ・アーレツ紙にて私の件が報道されました(前日にカメラマンがやってきて私の写真を撮り、記者からは電話にてインタビューを受けました)。その記事はご覧になったことと思います。記事中でイスラエル軍が「同日のデモ鎮圧にゴム弾は使用していない(催涙弾のみ使用)」と発表したと書かれていると知人から聞きました。同じ記事の中で私の言葉として「ゴム弾がまず腹部に当たり次に左目に命中・・・」ということも書かれていると聞いています。私自身はヘブライ語は読めませんが、もしそのように書かれているのであれば、双方の言っていることは正反対で、誰が読んでもどちらかが嘘をついていることになります。
私の言っていることは事実です。撃たれたときにいっしょにいた知人が私に当たったゴム弾を拾っておいてくれたものを、あとで「これが当たったゴム弾だ」と言って渡してくれました。そのゴム弾を私は今ここに持っています。イスラエル軍がゴム弾は使用していないと本当に言っているのなら、それは嘘です。当たったのがゴム弾でなければ何でしょうか。催涙弾が直接目に当たったというつもりなのでしょうか。それとも、一日本人旅行者がどこか別のところで負った怪我を、「デモに行って軍にやられた」と騙っているとでもいうつもりなのでしょうか。この記事を読んだ人が軍の発表を真に受けるならそういうことになります。
今回の事故、自分の負った目の傷については「仕方がない」という気持ちである程度整理はついています。自分の意思で事故にあう可能性のある場所に出かけていったのですから。しかし、イスラエル軍の嘘の発表によって自分が嘘つき扱いされることについては黙って見過ごすわけにはいきません。「イスラエルというのはそういう嘘がまかりとおる国だ」という話も聞きますが、当人としては「そんなものか」といって諦める気にはとてもなれません。私は日本人です。
この件について、在テルアビブ日本大使館または外務省のほうからイスラエル軍または政府に対して異議申し立て、さらに撤回、訂正を求めるよう動いていただくことは可能でしょうか。賠償請求が難しいという話は大山さんから聞いております。それについては先にも述べたように仕方がないこととして自分自身の中である程度の整理がついています。しかし「嘘つき」の烙印を押されたままでいるのは何とも耐えがたいのです。
いまはエルサレムを離れ知人宅におりますが、24日(日)夕方ごろまでにはエルサレムで以前滞在していたFaisal Youth Hostelに戻る予定です。この件について、メールまたは電話にてご連絡いただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
岸田薫
追記
ドキュメンタリー「ビリン・闘いの村」試写会について
パレスチナのビリン村の農民たちとビリン村に非合法で隔離フェンスを引くイスラエル兵との闘いのドキュメンタリー「ビリン・闘いの村」監督佐藤レオの試写会が3/17、3/26、4/3、4/18の4回渋谷のUPLINK FACTORYであります。このビリン村は先月、岸田さんが隔離フェンス反対デモ参加中にイスラエル兵に左目をゴム弾で撃たれた村でもあります。
試写会を希望される場合、住所と枚数、日時を教えていただけると幸いです。お忙しいところなにとぞよろしくお願いいたします。
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志賀直輝 osasimi-ichiban@hotmail.co.jp
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- By intellipunk / Feb 26, 2008 1:33 am